らたよさん、作文の提出ありがとうございます。
まず、現代のアジア諸国と日本の社会状況を対比させるテーマ選択が非常に興味深く、読者の関心を引きつける素晴らしい試みです。高度経済成長後の日本と、現在成長中のアジア諸国との「温度差」を感じさせる描写が、テーマの理解を深めるのに効果的でした。特に、医療の急性期と慢性期を例に出すことで、日本の現状を分かりやすく説明しています。この比喩は、社会の状態を非常に象徴的に表しており、読者に深い印象を与えます。
また、日本が直面している問題の原因と対策を具体的に述べることで、論旨の説得力を高めています。教育の場での課題解決型学習の導入や、地方大学での実践的な学びの例を挙げることにより、解決策が具体的で実行可能なものとして提示されています。
予測問題の主題がよく書けています。日本がどのようにして再び前に進んでいくかという問題提起は、今後の社会動向を考える上で重要なポイントを押さえています。原因や対策がよく書けています。社会の現状分析とそれに基づいた具体的な提案が、問題解決への道筋を明確に示しています。
全体として、非常に洞察に富んだ内容で、社年の作文としては高いレベルにあります。今後もこのような深い洞察と具体的な提案を持ち続けることで、さらに優れた論文を書くことができるでしょう。
内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎
字数/基準字数:1339字/800字
思考点:64点
知識点:107点
表現点:98点
経験点:91点
総合点:82点
均衡点:-6点
■思考語彙 15種 18個 (種類率83%) 64点
たしかに,、いわゆる,。しかし,。たとえば,。一方,いくため,いるから,しよう,だろう,と考える,に思える,は単なる,取り戻すため,工夫によって,関わるため,
■知識語彙 100種 156個 (種類率64%) 107点
一員,一方,一段落,世界,中心,今後,余地,停滞,傾向,再始動,判断,効率,医療,協力,原因,問題,回復,地域,地方,報告,変化,大国,大学,大学生,姿勢,学生,学習,安定,実感,実践,対処,対応,少子,工夫,必要,急性,患者,意志,意欲,意識,慢性,成熟,成長,挑戦,授業,提案,改善,敏感,教育,文部,方向,日常,日本,時代,時期,時間,有数,期間,未来,構図,治療,減少,温度,準備,熱量,状態,状況,現在,現場,現実,現状,環境,生活,留学,病棟,発展,発見,知識,社会,科学,経済,緊張,背景,能動,自分,自発,若者,行動,行政,解決,課題,調査,講義,責任,起動,重要,重視,風土,高度,高齢,
■表現語彙 155種 249個 (種類率62%) 98点
あと,いくため,きっかけ,こと,これ,その後,それ,たち,づくり,ほう,もと,もの,よう,アジア,スタッフ,タイミング,チーム,リハビリ,一,一人ひとり,一休み,一員,一方,一段落,世界,中,中心,今,今後,余地,停滞,傾向,元,再始動,判断,前,力,効率,化,医療,協力,原因,取り戻すため,取り組み,只,命,問題,回復,在り方,地域,地方,型,報告,場,変化,外,大国,大学,大学生,姿勢,学び,学生,学習,安定,実感,実践,対処,対応,少子,工夫,差,心,必要,急性,性,患者,意志,意欲,意識,感,慢性,成熟,成長,挑戦,授業,提案,改善,敏感,教育,文部,方向,日々,日常,日本,時代,時期,時間,有数,期,期間,未来,案,構図,次,歩,治療,減少,温度,準備,熱,熱量,状態,状況,現在,現場,現実,現状,環境,生活,留学,病棟,発展,発見,的,目,省,知識,社会,私,科学,経済,緊張,者,背景,能動,自ら,自分,自発,若者,行動,行政,解決,課題,調査,講義,責任,起動,違い,重き,重要,重視,関わるため,風土,高度,高齢,
■経験語彙 48種 58個 (種類率83%) 91点
おる,かかる,しまう,すぎる,せる,つながる,できる,と考える,ながめる,に思える,られる,れる,似る,動かす,取り入れる,取り戻す,受け取る,問う,失う,学ぶ,守る,引き出す,弱める,感じる,感じ取る,担う,支える,救う,残す,求める,消える,灯す,生じる,直す,終える,経る,繰り返す,置く,育てる,薄れる,行う,見える,見失う,踏み出す,進む,遊ぶ,長引く,関わる,
■総合点 82点
■均衡点 -6点
これからの日本は
社 らたよ(ratayo)
2025年7月4日
現在、アジア諸国は急速な経済成長と近代化を進めている。ベトナムやインドネシア、インドなどでは、新たな産業が次々と生まれ、都市には高層ビルが立ち並び、人々の目には活気と希望が満ちている。一方で、日本は高度経済成長を経て成熟社会へと移行し、社会全体にある種の落ち着きが広がっている。また、効率や安定性が重視される一方で、若者の挑戦心や意欲が見えにくくなっているのが現状だ。日本に留学してきたアジアの学生たちが日本の大学生は遊んでばかりいると感じるのは、このような社会の温度差を敏感に感じ取っているからだろう。成長の真っ只中にある社会と、発展を一段落させた社会とでは、目に見えない熱量に違いが生じる。日本が今後どのようにして再び前に進んでいくかということが問題である。
この問題の原因は、発展を終えたあとの社会が、自らの方向性を見失っていることにある。かつての日本は、高度経済成長という急性期のような時代を経て、世界有数の経済大国となった。しかしその後、少子高齢化や長引く経済の停滞を背景に、変化への意欲や社会を動かす力が徐々に失われていった。これは医療の現場にも似た構図がある。命を救う急性期病棟では、緊張感のある環境の中で、医療スタッフが絶えず判断と行動を繰り返している。一方、慢性期病棟では、比較的安定した状況のもとで日々の生活を支えることが中心となる。現在の日本社会は、この慢性期のように、日常を守ることに重きを置きすぎて、変化への対応力を弱めてしまっているように思える。実際、文部科学省の調査では、大学生の学習時間の減少傾向が報告されており、自発的に学び、成長しようとする風土が薄れているのが現実である。
この問題を解決していくためには、社会に再び熱を取り戻すための環境づくりが必要だ。医療においても、急性期治療を終えた患者が元の生活を取り戻すためにはリハビリの期間が必要となる。リハビリは単なる回復ではなく、社会に再び関わるための再起動の時期でもある。日本社会も今、そうした再始動のタイミングにある。たとえば、教育の場では、知識を受け取るだけの講義型授業ではなく、課題を発見し、チームで協力しながら解決するような能動的学習、いわゆる課題解決型学習を取り入れることが重要だ。ある地方大学では、学生たちが地域医療の課題を調査し、実際に行政に改善案を提案する取り組みが行われている。こうした実践的な学びは、学生の中に自分が社会の一員であるという実感と責任感を育て、未来を担う力を引き出すことにつながっていると考える。
たしかに熱は時間とともに消えるものだが、意志と工夫によって再び灯すことができる。未来とは、準備する者のほうが早く対処ができる、というようにアジアの熱を外からながめるのではなく、それをきっかけに自らの在り方を問い直すことが、日本に求められている姿勢だ。すでに成熟したとされる日本社会も、実はまだ成長の余地を多く残している。今の日本は一休みの状態にある。しかし、そのまま停滞するのか、あるいは次の一歩を踏み出すのかは、私たち一人ひとりの意識と行動にかかっていると考える。日本が今後どのようにして再び前に進んでいくかということが問題である。