みさとさん、今回の作文における考察の深さと表現力には非常に感服しました。
まず、火の使い方が変わってきたことについての歴史的な背景とそれに対する個人的な思いを見事に織り交ぜています。古くからの火の使い方に対する知識と現代技術の利便性を比較(ひかく)し、その中で個人としてどのように向き合うべきかを模索(もさく)する姿勢が伝わってきます。

方法がよく書けています。特に、便利なものに頼ら(たよら)ず自分の手足を使うことの重要性や、学校教育における実体験を取り入れることの価値について詳述(しょうじゅつ)されており、具体的な例を挙げながら説得力のある論述がなされています。

また、哲学(てつがく)の本「ソフィーの世界」を引用しながら、哲学(てつがく)者たちの考え方や現代との関連を探る部分は、非常に思慮(しりょ)深く、読者にも考えさせる内容となっています。名言がよく書けています。みさとさんの作文は、ただの事実の羅列(られつ)ではなく、それに対する深い洞察(どうさつ)と個人的な反省が感じられるため、非常に読み応えがありました。

これからも、みさとさんのさらなる成長と素晴らしい作文を期待しています。

#評価項目(こうもく):
-方法がよく書けています。
-名言がよく書けています。
 

森リン評価 身の回りの便利を哲学へ ri 08月1週 みさと
字数/基準字数:
1336字/800字
思考点:85点
知識点:85点
表現点:85点
経験点:80点
総合点:92点
均衡点:8点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
1200字換算
 
思考点:点
知識点:点
表現点:点
経験点:点
総合点:点
均衡点:8点
●換算語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙23種25個92%85点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙68種100個68%85点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙125種206個61%85点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
経験語彙41種59個69%80点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1336字
 85点
 85点
 85点
 80点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 経験語彙

 


■思考語彙 23種 25個 (種類率92%) 85点
 例えば, 確か,、なぜ,。しかし,。だから,。つまり,。例えば,あるから,するべき,せるため,そのため,だから,だろう,と思う,に思う,は第,また第,を考える,使わざる,普及により,生きるため,知らざる,頼らざる,

■知識語彙 68種 100個 (種類率68%) 85点
不思議,世界,体験,便利,個人,勉強,博物館,原初,去年,哲学,大切,大昔,学校,学習,実体験,対処,小中学生,展示,常識,必要,感覚,成長,所属,手足,技術,授業,探究,教育,文化,文章,方法,日本,日本語,時代,時間,普及,暴発,有名,本来,机上,歴史,活動,活用,浴衣,漢字,現代,現在,理解,生徒,生活,疑問,発展,発見,着物,知恵,知識,社会,科学,端末,習得,自分,興味,視点,課題,農業,近年,追求,選択,

■表現語彙 125種 206個 (種類率61%) 85点
 確か,こと,さ,すべて,せるため,そこ,そのため,それ,それら,たくさん,たち,ところ,まわり,みんな,もの,よう,アナログ,イデア,インターネット,コース,スポーツ,ソクラテス,レベル,一,不思議,世の中,世界,中,事,二,人,今,他,体,体験,使い方,便利,個人,勉強,化,博物館,原初,去年,哲学,大切,大好き,大昔,好き,学校,学習,実体験,対処,小中学生,展示,常識,当たり前,必要,感覚,成り立ち,成長,所属,手,手足,技術,授業,探究,教育,文化,文章,方法,日本,日本語,昔,時,時代,時間,普及,暴発,有名,本,本来,机上,歴史,気付け,活動,活用,浴衣,漢字,火,物,現代,現在,理解,生きるため,生徒,生活,疑問,発展,発見,的,着物,知恵,知識,社会,私,科学,端末,答え,習得,考え,者,自ら,自分,興味,視点,説,課題,足,身,身の回り,農業,近年,追求,達,選択,

■経験語彙 41種 59個 (種類率69%) 80点
あふれる,しまう,せる,たどり着ける,できる,と思う,に思う,ひく,やる,れる,を考える,使う,動かす,及ぶ,取り入れる,向き合う,呼ぶ,困る,基づく,増やす,変える,失う,学ぶ,役立つ,役立てる,抱く,持つ,書く,書ける,流す,生きる,生まれる,着ける,知る,繋がる,覚える,読む,読める,通う,違う,頼る,

■総合点 92点

■均衡点 8点
 

身の回りの便利を哲学へ
   中3 みさと(aetami)  2025年8月1日



 生き物のように焔をあげ、やがて燃え尽きて灰になっていくかつての火の姿は、すべての人々のこころに火の思い出にまつわるさまざまな感情を呼び起こしたものだったが、そんな火との対話さえ、最近では次第に忘れられていく。それに変わって、電気釜や電子レンジがあらわれ、石油ストーブやセントラルヒーティングが普及してきた。かつての原初の火は、個人のレベルで向き合って対処することができたが、このように社会化されてしまった現在の火は、時に個人の知らぬところで暴発する。

 私は、便利さに流されることなく、生きるための知識や知恵を自らの身を持って習得していきたい。

 そのための方法としては第一に、便利なものに頼らず、自分の手足を使うことである。

 例えば、近年はインターネット端末の普及により、漢字を覚えていなくても、書けなくても困らない世の中になった。だが、なぜ今も小中学生では漢字を学ぶのかといったら、それは漢字が必要なものであるからだ。漢字の成り立ちを覚えることは、日本語を、日本語の歴史をより理解することに役立つ。また、漢字が読める・書けることで、たくさんの本が読めるようになる。つまり知識を増やすことができる。だから、インターネット端末のみを使わず、アナログで文章を書くことも大切なのだ。

 また第二の方法としては、学校教育においても、机上の勉強だけでなく、実体験に基づく学習を取り入れていく事である。

 私の通う学校には「課題探究」という授業がある。16~20に及ぶコースから自分の興味がひかれたものを選択し、とことん追求していくという活動だ。例えば私が去年所属していたコースでは、毎時間着物か浴衣をきて、たくさんの日本文化を実際に体験したりした。他にも、毎時間実際に体を動かしてスポーツを探究するコースや、まわりの博物館や展示を見に行くコース、農業などを体験するコースもあった。生徒みんなが大好きな授業なのだが、それは実際に体験することの楽しさや、探究をしていく中で、たくさんの知識が繋がっていく感覚が好きだからだと思う。

 確かに、一度便利になってしまった生活を変えることは難しい。しかし、身の回りにあるものの昔の、本来の使い方や、どうやって生まれたのかなどを考え、自分の手や足を使って生きるための知恵や知識を身に着けていく事が大切だと思う。私は今「ソフィーの世界」という哲学の本を読んでいる。大昔、哲学者と呼ばれた人たちは、常識や当たり前となってしまったことに疑問を抱いた。イデア説もあるが、私たちが生まれて来た時に見るものはすべて真新しいものだ。それらを見て不思議に思うことや、新しく発見したことなど、そのような視点が、成長する中で失われてしまっている。また、プラトンやソクラテス、アリストテレスなどの有名な哲学者達が生きた時代とは違い、現代は科学的な技術も発展している。そんな中に生きる私たちは、大昔の哲学者たちが気付けなかった答えや考えにたどり着けるのではないか。ただ身の回りにあふれた新しい物たちを「便利」に役立てるのではなく、そこから自分の考えを発展させるために活用するべきではないだろうか。