人間よりも小さい虫
小4 はるまき(akoruka)
2025年8月1日
人間よりも小さい虫
はるまき
「ちょろちょろちょろ⋯」
「わっ、くすぐったい!」
私が住んでいるマンションの前には、大きな公園がある。少しジャングルのような道もあるので、そこにダンゴムシがいる。小学一年生の私は、そのダンゴムシに目をつけ、つかまえていた。
その公園が通学路だったので、ダンゴムシは一緒に登下校している友だちと一緒につかまえていた。
「私の、すごい大きい!」
「私のは普通かな、負けた〜っ!」
ある日はつかまえたダンゴムシの大きさを競い合い、ある日は三匹ほどつかまえてレースをさせた。ダンゴムシはとてもすばしっこいので、くすぐったくて落としてしまうこともたまにあった。一通り楽しんだ後は
、通学路にある会社の花壇に放すのがお決まりである。
「あの花壇に、どのくらい集まっただろう⋯」
ダンゴムシを集めて一ヶ月ほどたったときに、その花壇を観察してみることにした。
「うわっ、これ何匹くらいいるの!?」
なんと、五十匹以上に増えていたのだ。中には白くて小さい赤ちゃんダンゴムシもいるため、繁殖したとみられる。
「すごい⋯」
ダンゴムシが繁殖する力や、狭い花壇で一生懸命生きる力に、何か大きいパワーを感じた気がする。
木を削ってコップやスプーンを作ったり、かまどのようなところでお餅を焼いたりと自然を存分に利用している祖父も、虫をつかまえていた時代があったのだろうか。
「小学一、二年生くらいのときにね、お父さんの会社の寮で暮らしてたんだけど、その寮のすみにカブトムシの幼虫がうじゃうじゃいてねぇ、よく掘り起こしてたよ。」
カッ、カブトムシの幼虫!?あの、白くて太い⋯私だったら、その寮に「カブトムシの幼虫に要注意!」と張り紙をしているかもしれない。でも、寮のすみにカブトムシの幼虫がいるなんて都会で暮らしている私には想像できないし、立派なカブトムシになろう!と頑張って生きている幼虫を掘り起こすのは少しかわいそうだなという気持ちもあった。
もちろん虫をつかまえるのは楽しいし、学びもある。でも、きっと私がつかまえたダンゴムシは、あの公園が気に入って家族と暮らしていたんだと思う。虫は人間よりもうんと小さく、少しだけ弱い立場にいる虫もいる。だから、いじりすぎないで、虫の気持ちも尊重して虫取りなどをすることが自然を守るためには大切だなと心の中で思った。