弱さに向き合う姿勢を自分自身の体験から深く考えていて、読んでいてとても心に残りました。
<<え2021/51み>>
【総評】
この意見文は、「弱者とどう向き合うか」という難しいテーマを、自分の立場や体験、さらには社会制度の例まで取り入れて多面的に考察しており、非常に読みごたえがあります。冒頭のユージーンの話や文学作家の引用により、内容に深みが加わっていて、高い思考力が感じられました。弟との関わりという身近な経験も説得力を強めており、最後の結びに至るまでの流れも自然で美しく、完成度の高い意見文です。
【段落ごとの講評】
第1段落:ユージーンのエピソードとサトクリフの引用から、人間の弱さと自立に関する深い問いを提示しています。自分自身の立場を正直に振り返ることで、読者に共感を呼んでいます。
第2段落:弟への支援という身近な経験を通して、「差し伸べる」ことの意味を具体的に描いています。教え方に工夫があり、相手の理解に寄り添う姿勢が伝わってきます。
第3段落:生活保護制度という社会の例を用い、自立支援の重要性を論理的に説明しています。制度の仕組みとその意図までを丁寧に説明しており、視野の広さが光っています。
第4段落:「平等に見ること」の大切さを主張の中心に据え、名言の引用でまとめている点が印象的です。他者へのまなざしのあり方を、読者にも問いかけるような力強さがあります。
【特に優れていた点】
・身近な経験と社会的な話題をうまく組み合わせている
・引用や制度の例で説得力を高めている
・意見の総合化が的確で、深い考察ができている
【考えを深めるための質問】
あなたが誰かに手を差し伸べたとき、逆に自分が学んだことや気づかされたことはありますか?
内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎
字数/基準字数:1167字/800字
思考点:72点
知識点:88点
表現点:85点
経験点:85点
総合点:86点
均衡点:4点
■思考語彙 18種 20個 (種類率90%) 72点
しかし, 確か,、単なる,。しかし,。だから,。つまり,。例えば,いくべき,いれば,そのため,できざる,で考える,なので,人にとって,人に対して,側にとって,考えると,覚えるため,
■知識語彙 73種 98個 (種類率74%) 88点
中学,人前,人生,人間,他人,以前,作家,価値,保護,先生,児童,制度,十分,参加,友達,反対,収入,場面,大切,子供,存在,完全,定着,家族,対応,小学校,就労,平等,年生,弱者,心配,必要,意味,意識,態度,支援,文学,方法,日本,時間,様子,権利,漢字,現在,理解,生活,目線,直面,相手,知識,社会,立場,管理,経験,結果,給付,職業,肯定,自分,自己,自然,自立,苦境,苦戦,補足,言葉,訓練,責任,過程,部分,重要,金銭,障害,
■表現語彙 125種 206個 (種類率61%) 85点
確か,いくつ,こと,ごと,さ,そのため,たくさん,たち,とき,どちら,まま,もと,よう,アパート,アメリカ,イギリス,サトクリフ,ビジネスライク,プラス,マリ,ローズ,一,下,中学,主,二,人,人前,人生,人間,今,他人,以前,何,作家,価値,保護,側,先生,児童,分,制度,力,十分,参加,友達,反対,収入,場面,大切,子供,字,存在,完全,定着,家族,対応,小学校,就労,平等,年,年生,度,弟,弱者,心配,必要,意味,意識,感,態度,手,手助け,支援,文学,方,方法,日本,時間,書き方,様々,様子,権利,歳,漢字,狙い,現在,理解,生活,皆,目線,直面,相手,知識,社会,私,立場,管理,経験,結果,給付,者,職業,肯定,自ら,自分,自己,自然,自立,苦境,苦戦,街,補足,覚えるため,言葉,訓練,誰,責任,過程,部分,重要,金銭,障害,面,頼り,
■経験語彙 44種 71個 (種類率62%) 85点
いける,おく,きる,させる,しまう,できる,で考える,もらう,られる,れる,与える,使う,促す,借りる,傷つける,働く,入る,出る,助ける,受ける,合う,向き合う,呼ぶ,噛み締める,始める,差し伸べる,得る,感じる,成し遂げる,持つ,支える,教える,書く,生きる,示す,立つ,行う,覚える,費やす,走る,進める,違う,離れる,高める,
■総合点 86点
■均衡点 4点
弱者への向き合い方
中2 あきかは(akikaha)
2025年7月3日
アメリカのユージーンは、障害者と自然に向き合う街である。アパートを借りるときの管理人はの態度は、「障害者に理解を示す」というより、極めてビジネスライクな対応だった。また、イギリスの児童文学作家、ローズマリ・サトクリフは、自分の責任で苦境に直面することを、「傷つけられる権利」と呼んだ。私たち人間には誰しも、他人よりも弱い部分があり、他人に助けてもらう必要のある場面が出てくる。例えば、私はまだ、中学二年生という子供で、家族、友達、先生などに助けてもらうことが今まで何度もある。反対に、子供としては大きい方なので、一人前にできることもいくつかあった。
弱者には手を差し伸べていくべきだ。私には弟がいるのだが、その弟とは7歳も離れている。私目線で考えると、7年分も生きている時間が違う弟は、頼りなく感じたり、心配になったりしてしまうことが多い。そのため、私が今までしてきた経験や、得てきた知識を使い、「差し伸べる」側に立っている。以前、弟が小学校一年生の漢字を覚えるために苦戦していたことがあった。完全に覚えるために、たくさん書くなどはしていたようだったが、それでも十分に定着していない様子があった。だから私は、その字の書き方だけではなく、何という言葉に使われている字なのか、どういった意味を主に持っているのかなども、補足して覚えるように教えた。そして現在、弟は小学校一年生の漢字を覚えきり、二年生の漢字に入り始めることができている。
しかし、弱者にも自らの力で成し遂げてもらうことも重要だ。日本には、生活保護を受けている人に対して、単なる金銭給付だけではなく、職業訓練や就労支援を行ってもらうという制度がある。金銭面での支援だけではなかなか自立を促すことができない。そのため、自らの力で収入を得るという経験をしておくことで、自己肯定感や社会への参加意識を高めるという狙いのもと、この制度が進められた。つまり、「金銭」という、結果のみを与えるのではなく、「働く」という、金銭を得る過程ごと与えた方が、生活保護を受ける側の人にとっても、生活保護を受けさせる側にとってもプラスなのである。
確かに、弱者に手を差し伸べることも、自らの力で成し遂げてもらうことも、どちらにも良い面が存在する。しかし、最も大切なことは、自分よりも弱い部分を持っている人のことも、平等に見ることである。もし、強い立場の人が相手を下に見ていたら、優しさを持つことができず、手助けをすることも、自走させることもできないままになってしまう。「私たちの人生は、私たちが費やしただけの価値がある」という言葉があるように、強い人も弱い人も、様々な方法で支え合って生きていれば、皆がその価値を噛み締めていけるようになるのである。