生きた体験
   中3 あききの(akikino)  2025年8月1日

 家庭の中にはかつてのランプの焔の周りに広がっていた闇のしじまは消え失せて、いたるところに真昼のような人工照明の空間が出現してしまった。人類は火を制御可能なものにするためにさまざまな知恵を発明してきたのだと言える。皮肉なことに、火の機能の代替物は、正体のはっきりしないブラックポストとして、生活の隅々にまで侵入し始めている。社会化されてしまった現在の火は、やがて個人の手に負えないものになる。こうしていまや熱の機能としての火は、柔順なしもべであると同時にいつどこで暴走するかしれない不気味なダモクレスの剣と化してしまっている。私は、便利さに流されることなく、生きるための知識や知恵を自らの身をもって習得していきたい。

 そのための方法としてまず、便利なものに頼らず、自分の手足を使うことだ。去年、林間学校の飯盒炊飯でカレーを作った。飯盒炊飯なので、もちろん炊飯器を使わずに一から米を炊く。私の家には薪ストーブがあるので、火の扱いには慣れていると思っていた。しかし、飯盒炊飯で使う火は薪ストーブよりも強い火で炊かなければ行けなかった。なので、先生やスタッフさんの力を借りて、なんとか火を強くしようとしたが、どんどん弱くなってしまい、米がきちんと炊きあがらなかった。普段は炊飯器を使っているから知らなかったけれど、自分で火の管理をして、いつも使わない大きな鍋で炊くのは大変だった。

 また第二の方法として学校教育においても、机上の勉強だけではなく、実体験にもとづく学習を取り入れるべきである。学校の校外学習でKGGに行った。KGGとは北九州グローバルゲートウェイの略で、簡単に言うと、英語しか使えないキッザニアのようなものだ。私はそこでSDGsについて学んだ。普段、テレビやネットでよく目にするし、学校でもSDGsについて学ぶことがたくさんあるので、知っていることはたくさんある。しかし、いろんな場面で登場しすぎて、私の中でSDGsが身近なものに思えなくなってしまっていた。だが、KGGではクイズ形式で、私の学校がある北九州で行われているSDGsについて学ぶのだ。私は今まで、地球温暖化や水が安全に飲めていない人についてなど、私の生活とは少し離れたことについてしかSDGsに触れていなかった。なので、自分の身近な地域について紹介してくれたKGGで、よりSDGsへの関心が高まった。

 確かに、一度便利になってしまった生活を変えることは難しい。しかし、「寒さに震えた者ほど太陽の温かさを感じる」という名言があるように、私は、便利さに流されることなく、生きるための知識や知恵を自らの身をもって習得していくという生き方をしていきたい。