すでにみたように(感)
高2 あいらう(airau)
2025年7月3日
人間関係はあくまでも個人の成長のための跳躍台だ。さまざまな人間関係を通じてわれわれはかわってゆく。よい人間関係とは、相互に可能性を開花させうる関係なのだ。様々な人間関係の中で我々人間の精神は形作られていくのに、現代ではその人間関係をうまく構築できない人々が増えているのは問題だろう。
その原因としては第一に、過剰な競争否定による切磋琢磨の敬遠だ。私は中学生まで、地元のテニススクールに通っていた。小学2年生からテニスを始め、小学5年生の時に育成クラスに入った。初めのうちは一緒に練習している年上の先輩に全く勝てていなかったが、練習を重ねるにつれてそのスクールには敵なしになるまで成長した。私は試合で負けても、スクールでは一番強かったので悔やまず、満足していた。しかし、今後の進路について考えた時、このままでは昔から続けてきたテニスが中途半端な結果で終わってしまうと考え、テニスの強豪校に入学することを決めた。高校からはスクールではなくほとんど部活で練習をしていたが、同学年に同じレベルの人が多く在籍していた。その結果、あいつには絶対負けたくないという対抗心から、熱心に練習をし、部全体で強くなることができた。こうして他者との競争を嫌がらず、共に成長していこうとする意思を持つべきだろう。
その原因としては第二に、社会が豊かになり、実生活上で我慢することが減ったことだろう。19世紀後半、日本は明治維新と呼ばれる近代国家への改革が起きた。この改革は、列強の圧力に対し、日本が植民地化を免れるため政府主体で行われた。明治維新が起こってから、地租改正により税収が安定し、鉄道や工場などのインフラ整備が進んだ。これにより産業革命が起こり、日本は近代国家へと成長した。さらに、民間企業の発展によって財閥が作られ、資本主義経済が拡大した。日本はこの変革により、一気に列強の一員となり、経済が安定した。結果として、国民の生活には余裕が生まれ、向上意欲を失い、経済の成長が止まってしまった。このように私たちは、社会が豊かになっても満足せず努めていくべきだろう。
確かに、周りとは波風を立てず、妥協して楽な人生を歩む方が楽しい。しかし、人間とは、1人で生きるのではなく、多くの他人との関わりで生きているのだ。私たちは互いに高め合える人間関係を築こうとするべきだ。