りこちゃん、こんにちは。思考点の高い、よく考えた作品になっています。本の読み方は読者の数だけあります。読書とは機械的な作業ではなく、(わたし)たちの内側に何かをつくりあげていく作業ですね。
 りこちゃんには、文字が読めない(ころ)の読書の体験として、小さい(ころ)にお母さんから読み聞かせをそてもらったことがありました。しかも、英語の本です。繰り返し(くりかえし)聞いているうちに、りこちゃんは暗記して言えるようになったのですね。そして、英語を読む力も身に付けました。耳から入った英語の世界ですね。
 お母さんからは、ひとつの作品が読む年齢(ねんれい)によって変化してくることを聞きました。出会うタイミングで、本から得るものが違っ(ちがっ)てくるのですね。夏目漱石は文豪(ぶんごう)と言われる作家ですから、一度は読むようにすすめられますが「こころ」をすっかりわかるのは大人になってからかもしれません。
 本は、いろいろな面を持つ不思議なものですから、たくさん出会いたいですね。そして、存在(そんざい)感ある紙の本がいいですね。

<<え2005/164jみ>>


あきりりさん、作文の内容が非常に興味深く読ませていただきました。
特に、自分自身の経験を基にして、本の読み方や感じ方が時間と共にどのように変わっていくかを描い(えがい)ている点が素晴らしいです。
あなたが小さい(ころ)に英語の本を覚えたエピソードや、お母さんが中学生の(ころ)に読んだ「こころ」の話など、家族の話を取り入れているため、文章がより立体的に感じられます。

また、読書体験を通じて「本は人間にとって色々な面を持つ不思議な存在(そんざい)」とする考察は、一般(いっぱん)化の主題がしっかりと書けていて、読む人にとって考えさせる内容となっています。
文章の終わりに、初めに述べた本の力について再び触れる(ふれる)ことで、書き出しの結びがよく書けています。
全体を通して、あなたの文からは読書に対する深い洞察(どうさつ)と愛情が感じられ、とても印象的でした。

項目(こうもく)評価:
-前の話聞いた話がよく書けています
-一般(いっぱん)化の主題がよく書けています
-書き出しの結びがよく書けています

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1091字/800字
思考点:87点
知識点:66点
表現点:70点
経験点:63点
総合点:72点
均衡(きんこう)点:1点

 


■思考語彙 24種 31個 (種類率77%) 87点
、なぜ,。しかし,。たとえば,「確か,からこそ,くれるから,ことによって,これこそ,そう思う,たから,だろう,できるので,とおもい,と思う,ないから,に思う,のため,よると,わたしにとって,人間にとって,感じるから,持たざる,聞けば,言えば,

■知識語彙 42種 57個 (種類率74%) 66点
一番,不思議,中学生,人間,体験,全部,場面,夏目,大人,大切,奇妙,子供,存在,実用,年齢,強烈,意識,手法,暗記,本来,正解,毎日,満足,漫画,漱石,物語,理由,疑問,目的,簡単,経験,絵本,絶対,自分,自殺,英語,読者,通常,鑑賞,音階,順番,高校生,

■表現語彙 92種 166個 (種類率55%) 70点
「確か,お母さん,ここ,こころ,こと,これ,さ,そう,それ,とき,のため,もの,よう,わたし,われわれ,インターネット,セリフ,ページ,一,一つ,一番,不思議,中学生,人,人間,今,体験,何,兄,全部,前,力,印,回,場面,夏目,夜,大人,大切,奇妙,子供,字,存在,実用,家,年齢,強烈,後,意識,手法,数,方,日,暗記,本,本来,横,歌,正解,毎日,満足,漫画,漱石,物語,理由,用,疑問,目的,私,答え,簡単,紙,経験,絵,絵本,絶対,自分,自殺,色々,英語,話,読み方,読者,謎,通り,通常,鑑賞,面,音階,頃,順番,高校生,

■経験語彙 29種 57個 (種類率51%) 63点
くれる,しまう,そう思う,つく,できる,とおもい,と思う,に思う,のる,めくる,よる,られる,わかる,出会う,変わる,寝る,対す,感じる,持つ,描く,書く,歩く,満ちる,置く,聞く,覚える,読む,読める,違う,

■総合点 72点

■均衡点 1点
 

不思議な本
   小6 あきりり(akiriri)  2025年8月2日

「字が読めないことを意識しつつページをめくり「ここには何が書いてあるのだろう」とおもったことはあるだろうか。わたしにはある。とにかく兄の本だ。「漫画の描き方」のようなものがのっていた。字が読めないからこそ面白かった。わたしが一番強烈に覚えているのは古い漫画の手法では人が歩いた後に、マシュルームを横にしたような印が次々についてくる場面である。何とも奇妙な絵でした。さて、「漫画の描き方」は、本来の目的から言えば、鑑賞のためにあるのではなく、実用のためにある。しかし、わたしにとって、それは謎に満ちた物語、通常の音階を持たぬ歌だったのだ。これこそ、本というものの持つ力ではないだろうか。たとえば、夏目漱石の読み方に、これという絶対の正解があるのなら、われわれは、その答えを人から聞けばいい。しかし漱石への対し方は読者の数だけある。」

私は小さい頃「この英語の本読めたらな」と思ったことがない。毎日お母さんが夜、寝る前に英語の本を読んでくれるからだ。たまに同じ本を読んでくれたり、違う新しい本を読んでくれたり色々だ。小さい頃は簡単な子供用の絵本だった。今もその本が家にある。お母さんによると、その本を一日置きに読んでいたそうだ。そんなある夜私はその本のセリフを全部覚えてしまったのだ。「I love when you hug me tight」「I love when you sing a song 」

「I love when you say I love you」などまだあるが順番もきちんと覚えて書いてある通りに全部暗記したそうだ。私は今は英語も読めるようになってしまったから暗記するのは難しいと思う。「小さい頃の自分すごいなー」でも今も英語の歌を何回も聞いたら暗記できるので満足だ。 

お母さんもそんな体験がある。中学生のときに夏目漱石の「こころ」という本を読んだそうだ。そのとき自殺する場面があったそうで、なぜ自殺するのか疑問に思ったそうだ。けれど、もう少し大人になってから読んでみたら理由がわかったそうだ。お母さんの話はもう一つある。中学生のときに面白い本に出会ったそうだ。そうして高校生になってからもう一回読んでみたら中学生のときに感じた「面白さ」が感じられなくなったそうだ。このことから、年齢や経験したことによって感じ方が変わるのではないかと思ったそうだ。「確かに」私もそう思う。本は人間にとって色々な面を持つ不思議な存在だと思った。これからもインターネットとかで本を読むときには感じられないものが紙の本には感じるからこれからも紙の本を大切にしたい。