ユーモアの力
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 イギリス人は『ユーモアのセンス』というものには特別のプライドを持っているし、また、それについて敏感である。他国では、人の悪口を言うとき、ばか、臆病者、極悪人などと呼ぶが、イギリスでは『ユーモアのセンスが無いね』と言うのである。日本では、ユーモア感覚は、それほどまでには高く評価されていないように感じる。「お互いにもっとユーモア感覚をみがこう」というより「人間マジメに、一生懸命に働くのが一番だ」という言葉のほうが、説得力を持つのではないだろうか。

 僕がユーモアを感じたのは夕ご飯のとき、母がカレーを作ってくれたときだ。そのとき父が「今日のカレーはレストランより美味しいな」と言ったときその言葉のおかげでまるで太陽が照ったかのように食卓が一気に明るくなった。このように、ユーモアがあるだけで、その場の空気をやわらげ、人と人との関係を暖かくする力を持っているのだと感じた。

逆に、真面目くさっていて冗談の通じない人や、ふざけると怒る人にもし自分が会ったとき、最初は「近寄りたくない」と感じるかもしれない。しかし、それはその人が悪いわけではない。その人は何の悪気もなく、ただユーモアを持っていないだけだと思う。

それでも、そんな人と接する時、僕は少しでも自分の気持ちを明るく保ちたいと思う。たとえば無理に笑わせようとせず、自分の楽しい気持ちを言葉や表情で伝えるだけでも、空気はやわらぐことがある。学校でも、友だちや先生がちょっとした冗談を言うと、クラス全体の雰囲気がぐっと明るくなる。もし人と人がみんな真面目に構えてばかりいたら、毎日の生活は味気なくなってしまう。ユーモアは、ただの笑いではなく、心や人間関係を豊かにする力だと思う。

 人間にとってユーモアとは人と人をつなぐ大切なかけ橋だ。初対面で緊張している場合でも、ちょっとした冗談や軽い笑いがあると、空気が一気にやわらぎ、一気に親しみやすさが生まれる。逆にどれほど立派で豊富な知識があっても冗談の一つも通じない人とは、心の距離を縮めにくい。笑う門には福来るということわざがあるように人間、ユーモアがあった方が心の距離を縮めやすい。だから僕はユーモアもたくさんあり、真面目な面もたくさんあるような人になって、多くの人とつながっていきたい。