今あるものから創り出す
   中3 みさと(aetami)  2025年8月4日



 最近、料理を趣味とする人が増えたが、初心者とプロとで1つ大きく違っていることがある。初心者の場合は本自や分のレパートリーの中から、まず自分のつくりたいものを決め、必要な材料を買いに行く。これに対してプロの料理人は、まず市場をのぞきにゆくという。つまり、初心者の場合は技術からの発想で、プロのほうは、資源からの発想というべきであろう。これまでの近代産業技術は、つねに技術からの発想だったといえる。その結果、石油やウランなど地域的に偏在のはげしい資源への過度の依存が起こり、それをめぐって国際的な政情の変化に一国の経済基盤が揺り動かされるようになった。今日、人類が直面している機器を乗り越え、新しい文明への道を拓くためには、発想を180度転換して、技術からではなく、資源からの発想に切り替え得るかどうかが鍵となることであろう。

 私は、目的を定めてから、それに必要なものを集めるのではなく、今あるものを活かして新しいものを作り出すような生き方をしていきたい。





 そのための方法としては第一に、今あるものを無駄なく使うように創意工夫することだ。

 例えば、私が中学1年生の時、長期旅行として海外に行った。つまり、家を長い間あけることになるということで、旅行に出発する直前には、冷蔵庫にあるものをできるだけ多く使うことを意識していた。今までは母が「今日食べたいものある?」などと聞いてくれて、それにあわせて買い物に行っていたことも多かったのだが、この経験を通して、たくさんの新しくおいしいメニューや栄養価に偏りのないメニューを知ることができた。収納に関しても同じことがいえる。新しく棚を買うのではなく、親戚から譲り受けたものなどを多く使うことが多いため、リユースなどの活動は、本人のためにもなり、環境のためにもなるということを知った。





 また第二の方法としては、消費に重きが置かれている社会を見直し、物の再利用を進めていく事だ。

 高度経済成長期では、大量生産・大量消費が可能となったため、100円均一などの店も生まれ、私たちの生活は豊か?になった。だが、今となっては資源の枯渇や環境問題への配慮が課題となり、企業単位で活動が見直されている。例えば、大手衣料品メーカーのユニクロでは、全国の店舗に使用済みの服を回収するボックスを設置しており、リユースできるものは難民キャンプや被災地へ、その他の服は独自の技術でリサイクルを行い、服以外のまったく異なる素材にも変えて、未来に役立たせている。

 また、他にも電子機器メーカーのAppleはiphoneやMacbookといったデバイスにリサイクル素材と再生可能素材を組み合わせているらしい。これにより、製品が長持ちすることに加え、将来的にも製品を回収してリサイクルできるようになっている。また、「都市鉱山」といって、レアメタルなどを都市の中で再利用する取り組みも行われているらしい。





 確かに、今あるものを活かそうとする方が手間や活力のかかる場合もある。しかし、古代ギリシャの哲学者ソクラテスが「今あるものに満たされない者はこれから欲しいものにも満たされない」という言葉をのこしたように、大昔のことを考えてみれば十分満たされているかもしれない今の状況の中で、さらに新しく便利なものを追い求め続けるのではなく、身の回りにあふれる便利なものの有効な活用方法を考え直すべきだと思う。また、環境問題についても、排気ガスやプラスチックの問題が多く言われているが、実例として、カフェ・スターバックスでは、一度紙ストローが実用化されたものの、すぐに不便だという声が多くなり、プラスチック製に変わった。確かに、一度知ってしまった便利から、自ら身を引くことは難しい。しかし、こう考えてみてほしい。私達生き物が生まれ、生活してきた地球を、私達人間によって壊すのはとても愚かなことではないか。だから私は、今あるものを活かして、使い、時には新しいものを創り出すような生き方をしていきたいと思った。