正解がない勉強
   小4 はるまき(akoruka)  2025年9月2日

    正解がない勉強

              はるまき

 「はい、ネコちゃん」

今日も、音楽検定カードにスタンプを押してもらう。

「今日は検定終わり!じゃあ、ルィコォダーを出してくださぁ〜い」

そう、今は音楽の授業。リコーダーをルィコォダーと言うのは、音楽教師、成田理紗子先生のクセだ。

「シシシドラララ〜ドドドレシシシ〜」

やっぱり、音楽の授業は楽しい。さっきのように、歌やリコーダー、鍵盤ハーモニカの音楽検定をしてランクごとにスタンプを押してもらうのは毎日のこと。しかも、審査員はクラスメイト全員だ。

「じゃあ、ユーチューブ見よっか!」

「やったー!!」

音楽の授業は、楽しめるように工夫がほどこされている、自由な授業なのである。私も、成田先生のように、たくさんの人を楽しませられる人間になりたい。

 そんな音楽の授業では、不定期で大きなイベントがある。クラスメイトに加えて、成田先生が審査員長の「音楽免許試験」だ。半音でもずれたら、一発で終わり。でも、この最難関試験に合格したら、プレゼントが待っている。自分の顔写真が入ったカードをもらえるのだ。実は、私もリコーダーの音楽免許試験を受けたことがある。

「ラ〜ソ〜ファ〜ミ〜⋯」

全員の視線が自分に向くので、思わず音が震えてしまいそうになる。でも、緊張しすぎて一瞬のようだった。

「みなさん、合格でいいですか!?」

「はーい!」

なんと、合格だった。自分だけの演奏が褒められたのはとっても嬉しかったし、一瞬だったのが残念な気もした。

 母は、私のように自由な授業が好きだったのだろうか。早速聞いてみる。

「私はねー、算数かなぁ。必ず正解があって迷わないから。国語とかさ、正解がないから迷っちゃうんだよねー。」

予想と違い、私とは正反対だったらしい。確かに、正解がないと迷ってしまうかもしれないが、私は自由に考えたいタイプだ。

 やっぱり私は、正解がない授業、勉強が好きだと思う。決まりに縛られるのが苦手なのかもしれない。だからこそ、勉強を通して自由な発想をどんどん生み出していきたいし、楽しんで学ぶことが一番大切なんだなと心の中で感じた。