高齢化と私たち
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 高齢化現象というのは日本社会が成し遂げた素晴らしい大成果である。平均寿命が世界で一番長いのは経済成長の成果だ。しかし高齢化が進むにつれ様々な問題が起きてくるが、これは調整問題であると言える。この問題の中で負担のあり方をめぐる世代間の対立など出てくるだろう。これは高齢者は若い頃頑張った分、若者は将来受け取る分を今頑張っているので人生のどの時期にいい思いをするかという対立に落ち着くだろう。人口構造が安定してくればこれらの問題も落ち着くだろう。私たちは高齢化社会をプラスに捉えるべきだ。

 第一の方法は、高齢者から積極的に知恵を聞き、学ぶことだ。例えば戦争体験である。近年、核家族の家庭が増えたり戦争から時間が経ち、戦争体験を直接体験者から聞ける機会が減った。そこで親戚に体験者がいたらどんな様子だったかを体験者の口から聞くことで学校の教科書を使って学ぶ時よりも印象に残るだろう。もし身近にいなくてもYouTubeで探してみたり学校で話を聞ける機会があったら積極的に質問してみたりすることで高齢者から多くを学ぶことができるだろう。

 第二の方法は、自治体が高齢者といつでも交流できる施設を作っていくべきだ。例えば、高齢者が店員として勤めているカフェを作り、高齢者は各ブースに座っている状態にする。客が来たら好きなブースを選んでもらってお話をしながら食事や軽食を楽しむことができるようにする。高齢者も毎日多くの人と関わることができ生きることの活力になるかもしれないし、若い世代は知らなかったことを発見できるかもしれないし、中高年世代は親と同じくらいの年齢の人と関わることができ安心できるかもしれない。このカフェを作ることでどの世代にとっても嬉しいことがあるのではないだろうか。こうすることにより気軽に高齢者と交流することができるようになるのではないだろうか。最近オレンジカフェという認知症の人や介護者、地域住民が交流できる場があるが、常にやっているわけではないのでその日に行けなかったり認知症の人と介護者で人数枠が埋まってしまっていたりして参加が難しいケースもある。だからいつでも高齢者と他の世代が交流できる場を用意するべきだと考える。

 確かに、高齢化社会はそれを支える若い世代の経済的な負担を増加させるといったマイナス面もある。しかし、高齢者は弱者ではなく人生の先輩である。高齢化のマイナス面だけを見つめても社会を変えることはできないだろう。だからこそプラスに考えることが必要となってくる。人生の先輩である高齢者が多い社会である特権をもっと生かすべきである。私は今まであまり高齢な方と話す機会が親戚であってもなかった。これからは積極的に祖父母が何を経験して生きてきたかを聞いてみたいと思う。