あけみおさんの作文は、アイデンティティについての深い考えがよく伝わってきます。
まず、「自分は~でない」という否定的な形ではなく、他者との関係を通して自分を見つけることの大切さを主題に据え(すえ)、はっきりと意見を述べている点が素晴らしいです。
理由も二つに分けて具体的に説明しており、説得力があります。
特に、吹奏楽(すいそうがく)部での先輩(せんぱい)とのやりとりやピアノの発表会での体験を通じて、自分の成長や自信につながったことを詳しく(くわしく)書いているので、読者に実感が伝わります。
これらの体験実例が意見を支える役割をしっかり果たしているのがよいですね。
また、「一人で生きる人は強いかもしれないが、他人と関わる人はより豊かになる」という名言を引用し、文章に深みを加えているのも効果的です。
文章全体が論理的にまとまっていて、読みやすく、あけみおさんの考えがしっかり伝わる内容になっています。
今後もこの調子で、自分の意見を具体的な体験や名言と結びつけて表現していくと、さらに説得力のある文章が書けるでしょう。

項目(こうもく)評価】
是非(ぜひ)の主題がよく書けています。
理由がよく書けています。
体験実例がよく書けています。
名言がよく書けています。
 

森リン評価 否定せずアイデンティティを築く mi 09月3週 あけみお
字数/基準字数:
1352字/800字
思考点:69点
知識点:75点
表現点:75点
経験点:82点
総合点:80点
均衡点:5点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
1200字換算
 
思考点:点
知識点:点
表現点:点
経験点:点
総合点:点
均衡点:5点
●換算語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙17種23個74%69点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙55種105個52%75点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙104種203個51%75点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
経験語彙42種65個65%82点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1352字
 69点
 75点
 75点
 82点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 経験語彙

 


■思考語彙 17種 23個 (種類率74%) 69点
 確か,、つまり,。しかし,あるから,がんばろう,しよう,するいわゆる,すると,そう考える,だろう,つくから,できるから,と思う,吹けざる,強いかも,築こう,自分らしい,

■知識語彙 55種 105個 (種類率52%) 75点
一緒,中間,今後,他人,他者,仲間,体験,先生,先輩,具体,努力,名言,否定,吹奏楽,回避,境界,大丈夫,大切,存在,実感,工夫,当日,徹底,意見,意識,感覚,成長,接触,最初,最後,清潔,演奏,物的,理由,生徒,異物,発表,皮膚,確立,簡単,素直,経験,緊張,練習,自信,自分,自己,舞台,過剰,部分,関係,防壁,防衛,集中,順番,

■表現語彙 104種 203個 (種類率51%) 75点
 確か,おかげ,こと,この間,さ,ため息,つながり,とき,ぼく,よう,ら,ん,アイデンティティ,アドバイス,クラリネット,ショパン,シンドローム,チーム,パート,ピアノ,フレーズ,リハーサル,ワルツ,一,一つ,一緒,中,中間,二つ,人,今後,他,他人,他者,仲間,会,体験,先生,先輩,具体,助け,努力,名言,否定,吹奏楽,周り,回避,境界,声,大丈夫,大切,存在,実感,工夫,当日,形,役,徹底,意見,意識,感覚,成長,指,接触,教え,方,最初,最後,横,清潔,演奏,物的,理由,生徒,異物,発表,的,皮膚,目,確立,私,簡単,素直,経験,緊張,練習,者,自信,自分,自己,舞台,袖,豊か,過剰,部,部分,関わり,関係,防壁,防衛,隣,集中,音,順番,

■経験語彙 42種 65個 (種類率65%) 82点
かける,がんばる,くれる,こだわる,しまう,しれる,そう考える,だす,つく,できる,と思う,なれる,もらう,やる,られる,助ける,励ます,受け入れる,合う,向ける,吹ける,弾く,弾ける,待つ,思い出す,思い直せる,感じる,揺れる,教える,気付く,生きる,知る,立てる,笑う,築く,置く,聴く,見える,見出す,認める,述べる,関わる,

■総合点 80点

■均衡点 5点
 

否定せずアイデンティティを築く
   中2 あけみお(akemio)  2025年9月3日

 自分が誰かということがよくわからなくなるとき、自分の中に本当に自分だけのもの、独自のものがあるのかどうか確信が持てなくなるとき、ぼくらは自分になじみのないもの、異質なもの、それに少しでも接触することをすごく怖がる。自分でないものに感染することで自分が崩れてしまう、そういう恐ろしさにがんじがらめになるのだ。他者の他者としての自分を意識できないとき、ぼくらの自己意識はぐらぐら揺れる。そういうとき、ぼくらは皮膚感覚という、あまりにも即物的な境界にこだわりだすのではないだろうか。そしてそのバリヤー、つまり自分の最後の防壁を、過剰に防衛しようというのが、異物との接触を徹底して回避しようとするいわゆる清潔シンドロームだったのではないか。「自分は~でない。」という否定的な形でアイデンティティを築くよりも他者との関係を通してアイデンティティを見出していく方が望ましいと思う。そう考えた理由を二つ述べる。

 一つ目の理由は、他者との関係の中でアイデンティティを築こうとすることで、自分に自信がつくからだ。吹奏楽部の練習で、私はなかなかフレーズがうまく吹けず、「はぁ」と大きなため息をついてしまった。すると同じパートの先輩が笑って「大丈夫?一緒に練習しよう」と声をかけてくれた。隣にいたクラリネットの先輩も「私も最初は同じだったよ、がんばろう」と言ってくれた。そのおかげで少しずつ吹けるようになり、「自分もチームの役に立てるんだ」と実感できた。仲間と励まし合い、アドバイスをもらう中で、努力する自分だというアイデンティティも少しずつ見えてきた。人との関わりを通して自分を知り、認められる体験はとても大切だと感じた。こうして、他人との関係の中でアイデンティティを確立することで、自分に自信がつくことを実感した。

 二つ目の理由は、他者との関係の中でアイデンティティを築こうとすると自分が成長できるからだ。この間、ピアノの発表会があった。私は発表会に向けて練習していたが、ショパンのワルツの中間部分がどうしても弾けなかった。そこで横にいた先生が「指をこうやって置くと弾きやすいよ。」と具体的に教えてくれた。リハーサルで他の生徒の演奏も聴いて自分なりに工夫をして弾くことにした。発表当日、舞台袖で他の演奏者の音を聴きながら順番を待つと緊張したが、「自分もちゃんと弾ける」と思い直せた。演奏中、先生の教えや他の演奏者の存在を思い出しながら集中できた。この経験を通して、他者との関わりの中でアイデンティティを築こうとすると、自分は努力できる人だと気付き、成長できるのだと感じた。

 確かに、否定的な形でアイデンティティを築く方が簡単である。しかし、「一人で生きる人は強いかもしれないが、他人と関わる人はより豊かになる」という名言があるように、周りの人とのつながりを大切にして、自分らしさを築いていきたいと思う。ピアノの発表会で他の演奏者の存在に助けられ、工夫して練習することで成長できた経験があるからだ。今後も、人の助けや意見を素直に受け入れながら努力し、自分のアイデンティティを築いていきたい。そして、他者との関わりを通して、自分も周りの人もより豊かになれるようにしていきたい。