成長へ
中2 あおらえ(aorae)
2025年9月3日
ヨーロッパでは、人間は市民として互いに対等の存在である。個人としてのその在り方が独立的で、強く頼もしい。日本では、このことはいまなお全く欠けているのである。前述のヨーロッパの長所は、同時に短所を伴っている。強い市民意識は、利己的なにおいを発散させる。外的な立派さの陰に、空虚がのぞいている。それは愛に乏しい生活である。現代の日本人が、やがて彼らの文化の長所を身に着けるときがあるにせよ、この短所までも一緒に取り入れるのではつまらない。しかし、分離することは不可能ではないか。現代日本人が、現在における自分自身の生活の基盤から、自力をもって追及していかねばならない。日本人自身の内部からの力が湧いて、なされねばならぬのである。
個人が自立することは大切であると思う。社会は個人個人が責任を持つことを前提に成り立っているし、自立することで自分の生き方や歩みたい道を選択できる。例えば、私は学校でグループの活動をすることがしばしばある。そのようなときは、自らが積極的に意見を言うようにしている。小学校の時にはあまり意見は言わなかったが、いうことで議論が進み、全体の雰囲気も良くなり、また成果も大きくなると考えたからだ。同時に、自分の思考力を、想像力が成長し、様々な人の意見との違いも分かるようになった。さらに、自分の考えを明確にすることもできる。だからこそ、自立することは自分のためだけでなく、仲間や社会にとっても価値があるといえる。
しかし、相互で助け合うことも大切だ。アリストテレスは「人はポリス的動物だ」といった。ポリスとは、古代ギリシャの都市国家を指す。イソップ童話には「ねずみの恩返し」という話がある。ねずみがライオンにつかまってしまったが、ライオンはねずみから頼まれたとおりにねずみを逃がす。ライオンはそれを忘れていたが、ある日ライオンが捕まった時、ライオンを縛っていた網をねずみが食いちぎり恩返しをする。ライオンはねずみに感謝する、という話だ。この話からわかるように、助け合いは単なる親切だけでなく、互いに支え合うことで困難を乗り越えられる力になる。よって、相互の助け合いは社会を豊かにし、人々の信頼関係を深める大切な行動である。助け合いの精神を持つことは、誰にとっても成長と幸福につながるのだ。
自立すること、個人の独立が必要な時もあれば、相互で助け合うことが必要な時もある。それを使い分けることは大切であるし、どちらも欠かせないものだとおもう。しかしながら「成長し続けよ。木が成長を止めたとき、それは死んでいる。」というブルース・リーの言葉がある。その通り、自立する時には自立をし、助け合うときには助け合うことは重要だが、最終的には成長するという目的に向かって進んでゆくことが最も大切なことであるはずで、そうあるべきだとも思っている。自分の成長へとつながるように、自立をしながら助け合うことが肝要だ。