◆〔要約〕はOKです。 【当為(とうい)の主題】は『私たちは、本当の知識をつくりだす方法を身につけるべきだ』という意見。
◆【複数の方法一】『情報を過信せず、自分で考える習慣をつけることだ』。 情報を入手しやすい時代になったけれど、一度に完璧(かんぺき)に覚えることは難しい。本当にわかるということは、実体験があってこそなんですね。私も、公式の丸暗記は苦手でした。しかし自分なりに試行錯誤(さくご)して導き出したことは、確かに忘れないものですね。
◆【複数の方法二】『情報化社会の利点をうまく使いこなせるような人材をつくっていくことだ』。時代に逆行するのではなく、情報化社会だというのなら、それを生かせるように努力することに意義があるんですね。
◆『確かに情報化社会に対応し、格差を生まないように情報を得ることも大切だ』しかし……「知識は情報より優る」という言葉はここに入れてもよいでしょう。『私たちは、本当の知識をつくりだす方法を身につけるべきだ』。【当為(とうい)の主題】でしめくくれました。

       <<え2017/331pみ>>


あおにまさんの作文は、情報化社会における知識の重要性とその獲得(かくとく)方法について、論理的に深く考察している点がとても素晴らしいです。
特に、知識の二重性に触れ(ふれ)冒頭(ぼうとう)の部分は、抽象(ちゅうしょう)的なテーマをしっかりと捉え(とらえ)ていることが伝わってきます。
また、方法論として「自分で考える習慣をつけること」と「情報化社会の利点を活かせる人材を育てること」という二つの具体的な提案が明確に示されている点も評価できます。
自分の体験に基づく例や、丸暗記と自分で導き出すことの違い(ちがい)を説明している部分は、説得力があり、読者にわかりやすく伝わっています。
さらに、「経験は知識より優る」という名言を引用し、それを自分の主張に結びつけているところも効果的です。
文章全体を通して、主題が一貫(いっかん)しており、論旨(ろんし)が明確で読みやすい構成となっているのも良い点です。
最後に、書き出しの「本当の知識をつくりだす方法を身につけるべきだ」という主題を結びでも再度強調しているため、説得力が増しています。
この調子で、今後も自分の考えを具体的に示しながら、論理的に展開する力を磨い(みがい)ていってください。

項目(こうもく)評価】
当為(とうい)の主題がよく書けています。
方法がよく書けています。
体験実例がよく書けています。
名言がよく書けています。
書き出しの結びがよく書けています。

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1088字/800字
思考点:92点
知識点:84点
表現点:77点
経験点:76点
総合点:86点
均衡(きんこう)点:4点

 


■思考語彙 26種 34個 (種類率76%) 92点
 確か, 第,、しかし,、考える,。しかし,。だから,。なぜ,。一方,あるので,いくべき,が可能,せざる,そのため,たいはず,だろう,つけるべき,できるから,でしょう,ですから,で考える,と思う,なければ,に考える,の単なる,やはり単に,難しいかも,

■知識語彙 67種 117個 (種類率57%) 84点
一定,世界,主役,主観,人材,人間,人類,作用,個人,入手,公式,内面,出生,利点,利用,制度,努力,名言,問題,大切,大学,存在,学校,完璧,実感,客観,容易,対応,工業,左右,形成,心配,思索,情報,意見,排除,方法,普及,暗記,最大限,最近,有能,期間,本当,本質,杞憂,格差,状況,理解,生産,産物,知識,研究,研究所,社会,立場,経験,習慣,能力,自分,苦労,要因,解法,説明,過信,過程,適応,

■表現語彙 109種 199個 (種類率55%) 77点
 確か,いろいろ,が可能,こと,さ,そのため,そのもの,たいはず,たくさん,たち,つまり,とき,ところ,ほんとう,もの,よう,インターネット,パソコン,ポスト,一,一定,世界,丸,主役,主観,二,二つ,人,人材,人間,人類,他,作用,使い方,個人,入手,公式,内面,出生,利点,利用,制度,力,努力,化,受け渡し,口,名言,問題,場,大切,大学,存在,学校,完璧,実感,客観,容易,対応,工業,左右,度,形成,心配,思索,性,情報,意見,担い手,排除,新々,方法,昔,普及,暗記,最大限,最近,有能,期間,本当,本質,杞憂,格差,状況,理解,生産,産物,的,知識,研究,研究所,社会,私,立場,答え,経験,習慣,能力,自分,苦労,要因,解法,説明,身,過信,過程,適応,重,間,

■経験語彙 38種 58個 (種類率66%) 76点
、考える,おく,かかわる,しれる,つくりだす,つくる,つける,できる,で考える,と思う,に考える,やる,られる,れる,わかる,与える,使いこなす,使いこなせる,使う,優る,分かる,失う,妨げる,導き出す,役に立つ,得る,忘れる,持つ,教える,生む,目指す,立つ,続ける,育つ,育てる,覚える,超える,違う,

■総合点 86点

■均衡点 4点
 

知識の生産過程が(感)
   高1 あおにま(aonima)  2025年9月2日

 知識の生産過程が人間の主観的内面世界での思索にかかわるということは、しかしその産物としての知識が個人の主観を超えた客観的存在であることを妨げないし、またその形成過程に客観的な要因が作用することを排除するものではない。一方で、情報にはこのような二重性はないということだ。出生いらいパソコンとともに育った「新々人類」が「ポスト工業社会」の制度的担い手たる大学や研究所の主役になったとき、その大学や研究所そのものが知識を生産する能力を失っていくことを心配するのは、私だけの単なる杞憂でしょうか。だから、私たちは、本当の知識をつくりだす方法を身につけるべきだ。そのために考えられる方法は二つある。

 第一の方法としては、情報を過信せず、自分で考える習慣をつけることだ。最近ではインターネットが普及して昔より容易にいろいろな情報を入手しやすくなった。しかしこのような意見もある。人間は得た情報はある一定の期間の間は覚えておくことができるが、人間は忘れるという習慣があるので、一度に完璧に覚えることは難しいかもしれない。しかし、ほんとうにわかっているのか。実際に自分でやってみたら、考えていたのと違った、あるいはやっと実感できたといったことはたくさんある。使い方のわからないものは、覚えても役に立たない。また、丸暗記の公式は忘れても自分で導き出した問題の解法は決して忘れない。なぜなら自分の口で自分なりの説明ができるからだ。

 第二の方法としては、情報化社会の利点をうまく使いこなせるような人材をつくっていくことだ。情報を与えられて覚えるだけでは情報化社会の利点をうまく使いこなせていないと思う。情報化社会をうまく使いこなすということは、丸覚えするのではなく、自分でそのことを研究して自分が理解するまで努力し続けることだと思う。そうすることで、自分なりの説明を他の人にうまく説明することが可能になってくる。場への適応力が、人間の有能さの本質だろう。学校は、人の有能さを育てるところですから、その場に与えられた状況を最大限に利用するにはどうしたらいいかが苦労せずに分かる適応力を目指したいはずだ。つまり経験から答えを導き出すような方法を教える場にしていくべきでしょう。経験は知識より優るという名言もある。

 確かに、情報化社会に対応し、格差を生まないように情報を得ることも大切だ。しかし、私たちは、やはり単に受け渡しされる情報に左右されるのではなく、知識を持って情報を使う立場に立っていかなければならない。だから、私たちは、本当の知識をつくりだす方法を身につけるべきだ。