美しい心になるチャンス
小4 はるまき(akoruka)
2025年9月3日
美しい心になるチャンス
はるまき
かしらは、あんまり笑ったので、こんどは涙が出てきた。子どもも仔牛も、じぶんを信用しているのだ。こんなことは、盗人のじぶんには、はじめてのことである。そこで、かしらはいま、美しい心になっているのであった。私がこの長文を読んで、一番よかったなぁと思ったところは、かしらが子どもと仔牛に信用されて美しい心になった場面だ。
「かしらなんて信用しんよー!」
と冷たい眼を向けられてきたかしらがやっと信用されて、美しい心になる。このように、生き物は、褒められたり信用されたりすると、良い気分になるのだ。これは、私たちの日常生活にも当てはまると思う。
私が通っている小学校では、終業式に、クラスで一人代表を決めて、校長先生に賞状をもらうという時間がある。このときには、優等生が一目でわかる。自慢話になってしまうが、私は、二年生と三年生でクラス代表に選ばれた。つまり、二年連続というわけだ。
「今年のクラス代表は、もちろん全員が頑張っていて僅差のところもありましたが、三浦さんです!」
このような口調で先生に名前を呼ばれるときの嬉しさ、気分の良さ。今まで信用されなかったからというわけではないが、思わず口角が上がってしまった。
母には、信用されなかったり怒られたりして、やる気をなくしてしまったことがあるそうだ。
「小学生のときに行ってたバレエ教室で、毎月一回体重を測るっていうのがあったんだけど、規定をこえたらアウト!みたいな決まりがあったんだよね。それで、私はけっこう規定をこえちゃってて、他の生徒にはシラーって感じで見られたり、先生にはあーあ⋯ってがっかりされたりして、やる気がなくなっちゃったんだ。」
そりゃあ、やる気はなくなるだろう。私だったら、そのバレエ教室をやめてしまう。でも、昭和ではこれが普通だったのかもしれない。
「でも、こえてなくて先生に褒められたら、やったー!ってなったな。」
やっぱり、褒められたら気分が良くなって、怒られたらやる気をなくすという仕組みがどこかにあるのだと思う。
生き物には、汚くて悪い心になっても、美しい心に戻ることができるチャンスが必ずある。どんなに悪い心の人でも、胸の奥深くに美しい心があるのだ。褒められたり信用されたりして怒る人なんて、見たことがない。だから、そのチャンスを逃さずに、どんどん美しい心が大きくなっていくといいなと心の中で思った。