みおさんの作文は、自分の存在や他者との関わりについて深く考え、自分の体験を通してその考えを具体的に示しているところがとてもよいです。
特に、数学が苦手だった経験を英語の得意さと結びつけて、ポジティブに自分を規定し直す過程を丁寧(ていねい)に書いているため、説得力があります。
校長先生の言葉を引用して、自分の考えを補強している点も素晴らしいです。
また、新しい友達とのコミュニケーションの実例を挙げて、他者との関わりが自己肯定(こうてい)感や新たな関係を生むことを具体的に説明しているのもよくできています。
意見の主題がはっきりしていて、「ネガティブに自分を規定するよりもポジティブに考えるべきだ」という主張が明確です。
理由も二つに分けてわかりやすく述べられており、論理的な構成ができています。
名言を使って自分の意見を強めている点も印象的で、文章に深みを与え(あたえ)ています。
みおさんの体験を通した具体例があることで、読者に伝わりやすい文章になっています。
これからも自分の考えをしっかり持ち、体験や名言を活用して論じる力を伸ばし(のばし)ていってください。

項目(こうもく)評価】
是非(ぜひ)の主題がよく書けています。
理由がよく書けています。
名言がよく書けています。
体験実例がよく書けています。

 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1553字/800字
思考点:95点
知識点:70点
表現点:73点
経験点:94点
総合点:80点
均衡(きんこう)点:-2点

 


■思考語彙 27種 35個 (種類率77%) 95点
 確か, 第,。しかし,。だから,」可能,いくべき,いこう,こう思う,ことによって,すべき,それによって,だから,できるから,できるはず,で考える,とおもい,と思う,と考える,ないから,なるから,に考える,のため,の可能,られるため,わかると,積み重ねによって,頑張ろう,

■知識語彙 48種 76個 (種類率63%) 70点
一番,一般,中学校,他人,先生,入学,写真,努力,勉強,友達,名言,大切,存在,学校,得意,復習,意味,才能,掃除,授業,教科,数学,整理,方法,時間,最初,板書,校長,機会,特性,理由,理解,生活,疑問,目的,相手,短所,確認,経験,能力,自信,自分,英語,行動,言葉,質問,長所,関係,

■表現語彙 99種 170個 (種類率58%) 73点
 確か,」可能,うえ,ここ,こと,そこ,それ,たち,たま,つけ,できるはず,とき,ところ,なに,のため,の可能,まま,もの,よう,られるため,コミュニケーション,ノート,ポジティブ,一,一番,一般,中,中学校,二,今,他人,先生,入学,写真,前,前向き,努力,勉強,友達,名言,回,声,大切,子,存在,学校,得意,復習,性,意味,才,才能,掃除,授業,教科,数学,整理,新た,方,方法,時間,最初,板書,校長,様々,機会,次,気,気持ち,決め,点,特性,理由,理解,生活,疑問,目的,相手,短所,確認,私,積み重ね,経験,縄跳び,能力,自信,自分,英語,行動,言葉,話,質問,長所,間,間違い,関わり,関係,面,頭,

■経験語彙 50種 90個 (種類率56%) 94点
あきらめる,おっしゃる,くれる,こう思う,しまう,つながる,つぶす,できる,で考える,とおもい,と思う,と考える,なくす,なす,に考える,のばす,もつ,られる,れる,わかる,会う,使う,優れる,出る,取り組む,合う,増える,広がる,広げる,思い込む,感じる,戻れる,持つ,捨てる,気が付く,現れる,生まれつく,生まれる,積む,結び付ける,続ける,聞く,見つける,見返す,話す,認める,返す,進む,過ごす,頑張る,

■総合点 80点

■均衡点 -2点
 

できることを見つける
   中1 みお(aemio)  2025年9月3日

 人は自分とは異質なもの、それにちょっとでも接触することをすごく怖がり、何の根拠もないのに自分は「~ではない」と規定することで同一性を自分で確保しようとする。しかし、人は一人では自分の存在は確認できず、「他者の他者」という、自分の行動が他者に及ぼす「効果」によって、自分を経験できるのだ。気をつけねばならないのは他者との交流で「~してあげる」という意識が芽生え、他者との関係を待たなくても「わたし」でありうるという錯覚にとらわれてしまい、他者が自分から遠のいてしまうことだ。そして人は自分の境界の最後のバリヤーとして異物との接触を回避しようとするのだ。私はネガティブに自分を規定するよりも他人との関わりの中で自分の存在を実感すべきだと考える。その理由は二つある。

 第一の理由として、ポジティブに規定することで自分の可能性を広げることができるからだ。私は学校の授業の数学が難しく、「数学ができない子」だとおもっていた。しかし英語は少しできるから頑張ろうと前向きに取り組んでいた。私は英語のように数学も「できない」と思ってばかりだとなにも進まないから「ここはできる」というようにできることを見つけていくようにした。するとできないと思っていたこともできることと結び付けたらできるようになったり、復習のためにノートや板書の写真を見返す機会が増えたりした。それによって頭の中が整理され新たな疑問や質問を先生に聞きにいって理解することができ、できないと思い込んでいたのが間違いだったことに気が付いた。だから最初からできないという決めつけをするのではなくポジティブに考えて「できる」ところを見つけ、自分が「できる」可能性を広げていこうと思う。私の学校の校長先生は、「才能という言葉は一般には生まれつきもっている能力と理解されることが多いが、先生たちの間では勉強や努力の積み重ねによって現れる優れた特性または能力という意味で使っている。「私には~の才能がない」、「この教科は捨てた」そういう声もたまに聞くが、まだ13、14、15才とかで、これから様々な新しい経験を積んでいくのだからあきらめるのはもったいない、できることを自信に持つのが大切ですね」とおっしゃった。私はこのように、一回あきらめてしまったらもう戻れないから、自分の「本当はできるはずのこと」をつぶさないように、できる、という面で考えていきたいと思う。

 第二の理由として、新しい関係が生まれ、またコミュニケーションとなるからだ。私が中学校に入学したとき、はじめて会った子に得意なものやできることについてはなすときがあった。そこで、縄跳びが得意だと話したら相手が「すごい、いいね!」と返してくれて、この子は自分を認めてくれたと思いうれしい気持ちになった。また、そこから話が広がっていき、友達になることができた。私は他人との関わりのうえで自分の存在を確認することによって互いに認め合い、新たな関係が生まれることはとても大切なことなのだなと感じた。

 確かに先生の前だけで掃除をするような、他人に認められるためだけを目的として行動するのは良くない。しかし、他人に認められてそれが自信につながるのならよいことであり、さらに自分が他人からこう思われているのだなとわかると今までの過ごし方の中から「次はこうすべき」や「このまま続けていくべき」などという点が出てきて、これからの生活をより良いものにすることができると思う。また、「短所をなくす一番よい方法は今ある長所をのばすことである」という名言がある。この名言のように、短所を気にすることに時間を使うのではなく、小さくてもよいから自分のできることや長所を見つけてそれを自信に持つことが大切だと考える。