仕事とは
   小4 みきひさ(mikimiki)  2025年10月1日

 「これから授業を始めます。」

母の仕事は、医療系大学の教員だ。母の専門は、生化学である。生化学とは、人の体を化学的に見る学問だ。母は、人の体を構成する物質がどのような役割を持っているか、それらの物質は人の体の中でどのように作られるのか教えている。なぜ母は生化学の教員になったかというと、生きている中で、病気になった時に人の体を詳しく知っていたほうが誰かの役に立てると思ったからだそうだ。



 医療や科学は日々進歩するので、常に新しいことを知ることができるところに母はやりがいを感じている。そして、そのことを学生さんに伝えることができるのだ。しかも、授業中の発言から学生さんからも学ぶことができる。このようなやりがいがあるからこそ、母はたぶん大学の教員を続けているのだろう。僕は、毎日が学びだと知り、楽しく、面白そうだと思った。もし、僕が母だったら、生化学が大好きになるだろう。なぜかというと、常に新しいことが知れるし、学生さんから学ぶこともできるからだ。



 一方、大学教員の大変なところは、常に予想していないことが急に起こるところだ。授業も研究も予想通りになることはないのだ。その時の乗り越え方は、母は持っている百二十パーセントの力を使うことだと張り切って言っていた。話をする母の目はキラリと輝いていた。



 母の話を聞いて、一番強く心の中に残ったことは、大変なところが常に予想していないことになることだ。なぜかというと、母は、

「八年前の四月、自分の選択授業で、学部の一年生五百人中四百三十人が自分のクラスに来てしまった。教員は他に十人もいたのに。」

と笑いながら言っていた。そして、学生さんが教室に入りきれなくて、教室だけでなく、廊下と廊下に続く階段も人でいっぱいになったことがあるらしい。僕は、

「えーっ、すごい!」

と叫んだ。まるで、草原の羊の大群のようだったらしい。母の家の様子と大学の様子がとても違っていて驚いた。家での母は寝ているか食べているかしかない。母は大学でちゃんとやっているか不安だったが、話を聞いて安心した。

 

 人間にとって、仕事とはお金のようなものだ。お金は必要なものを表している。だから、人間にとって、仕事は必要であり、なくなってはいけないものだ。仕事を続けるために大事なことが二つある。一つ目は、やりがいだ。なぜかというと、やりがいがなければ、やる気が起きないからだ。二つ目は、興味である。なぜかというと、興味がないと、やりたくないと思うからだ。今、僕にとっての仕事は、勉強だ。なぜなら、勉強することで難しいことをやり遂げられるようになりたいからだ。これから、「不撓不屈」という四字熟語のように勉強を頑張って難しいことをやり遂げることで、どんな困難にも負けずに頑張れる人になりたい。

 今日もたくさんの学生さんが母の授業を聴講している。