読書の秋
   小3 あけいと(akeito)  2025年10月1日

「敬ちゃん、最近本をスラスラ読めるようになったし、たくさん本を読むようになったよね。」

ママは感慨深そうに頷いた。言葉の森に入ってちょうど一年が経った。この一年で一番頑張ったのは本読みだ。

 一年前、僕にとって本はママが読んでくれるものであって、自分で読むものではなかった。寝る前の本読みの時間はママとの特別な時間で、お話を聞くとワクワクしたし、まるでお話の世界に入ったような気がした。自分で本を読む時は読むのに精一杯でお話の世界を楽しむ余裕はなかった。それでも頑張って毎日読書を続けたら、少しずつ本を読むのが楽になったし、楽しくなった。

 ママは子どもの頃あまり本を読まなかったそうだ。そして、そのことをとても後悔しているそうだ。

「敬ちゃん、本読みはとっても大切だし、君にとって将来の財産になるよ。」

ママは口が酸っぱくなるくらい同じことを繰り返す。自分は子どもの頃あまり本を読まなかったくせに、僕たちにばかり本を読ませてずるいと思ったが、

「いつかママの言っていることの意味が分かる日が来るから。」

と言い負かされて読書を続けているし、今では本が好きだと言えるまでになった。

 「最近の敬斗は読書の秋だね!!」

秋にはいろいろな秋があるらしい。スポーツの秋、芸術の秋、実りの秋・・・。

「ママは食欲の秋だね!!」

僕はママをニヤリと見た。