なんでもよく知っていて
   中2 あこうあ(akoua)  2025年10月2日

 情報や知識よりも知恵が大切だ。知恵があるかないかは、自分の頭で考えているかいないかの違いだ。ファーストフードの店員のマニュアル化した応対なども笑い話とは言えない。今の教育でも、知恵を育てるようなゆとりが必要だ。考える訓練をしなければいけないのは子供ばかりではない。教師も大人も同様である。先生が教室の中で話したことの中で子供が成人した後もいつまでも覚えているのは、たいてい「知恵」の言葉である。

 確かに知恵は大事だ。太古の時代、猿たちは生き残るための知恵として二足歩行という歩き方を始めた。そこから様々な枝分かれをしてきたがヒト以外はほとんど絶滅してしまったのだそうだ。私もサッカーをしている時、味方と協力して相手を抜いたり、相手の攻撃からゴールを守ったりする。練習したことをその通りにそのまま使うよりも、自分たちの知恵で編み出した攻撃の戦術や守備の守りかたを活かす方が良い。練習した戦術だけのワンパターンではその戦術と相性の悪い相手が来たときに太刀打ちできなくなってしまう。だからこそ、相手に合わせて戦い方を変えていくような知恵が必要なのである。

 しかし、その基盤となる知識も大切だ。戦術した猿の話の続きだが、おそらく猿人たちは二足歩行になるまでの過程で天敵に襲われることや両手を使えると便利であることを知識としてインプットしたのだと思う。出なければその知識を活かして天敵の肉食動物から逃げるためにより移動が容易で、両手が使えるため逃げるだけではなく武器を持って戦うためにも二足歩行になることができるように進化したのだと思う。私は高校の授業体験に行った時、県内でトップスリーに入る勉強に力を入れている高校に行った。そこで、歴史の授業を受けたのだが、その授業では中学校までに培った「知識」を広げていく授業だった。そもそも中学校までの「知識」がないと話にならないのだ。例えば、主に縄文時代に設けられた貝塚はただのゴミ捨て場ではなくて、「また自分たちのもとに帰ってきて欲しいという願いを込めて、そこに埋めていた可能性がある。」ということや、日本からよく化石が見つかる理由は特に歴史の教科書などでは触れられていないが、「日本の土壌はアルカリ性であるから。」また、「米が育ちやすい土壌は弱アルカリ性。つまり稲作と化石。この関係なさそうなふたつには実は関係があった。」という発見ができるというものだ。つまり、人は知識がないとそれを応用した知恵を築くことは難しいのだ。

 確かに、知恵も知識も大切だ。しかし、最も大切なことは「知識がはしごを作ったのではなく、2階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ。」という名言もあるようにどちらか一方を意識するのではなくその知恵や知識をどのように活かすのかである。今年のノーベル賞は坂口志文氏と北川進氏が受賞されたが、彼らはおそらく熱意を持って社会への貢献や世界問題の解決への歩みを進めたのだと思う。だから、私も、物事に取り組むときは熱意を持ってその問題と面と向かって取り組みたい。