沸き起こるもの
   高1 あかぬり(akanuri)  2025年10月2日

 自分のしたいことだと思える活動や達成を選び、そこでの自己向上が実感されて、真の効力感は獲得される。子どもの生活の中には効力感を伸ばすのにかっこうの題材がたえずころがっている。子どもの技能が繰り返しによって進歩していくと、子どもは内発的に難しい課題に興味をもつようになる。そして、子どもの生活の中には様々な熟達のお手本がある。その中から、自分の発達の水準と生活の必要性からいって、適切と考えられる課題を自ら選びとっていくのだ。親がすべきことは、環境条件を整えてやるとともに、子どもの内部にある知識や価値基準を明瞭化し、それが子どもの行動を導くものになるのを助けることだろう。

効力感を行動の原動力になるようにすべきだ。  

第一の方法は、小さな成功を順序を追って積み重ねていくことだ。僕が釣りを始めたのは、小学校低学年頃だった。最初はキス釣りから始めた。そして、カタクチイワシ、タチウオ、イカという順番で狙っていった。おそらく、釣りで一番始めやすいのがキスだと思う。仕掛けも比較的簡単で、投げ釣りのため、投げる動作も練習できる。僕はキスから始め、それから自分がやりたい魚を狙っていったから、順序よく上達できたのだと思う。しかし僕は、中学三年の頃、僕の学年であった釣りブームで、友達にイカから初めて教えてしまった。イカ釣りは、待つ動作と動かす動作を繰り返すことで、疑似餌を本物の魚のように泳がせて、イカを誘わなければならないため、釣りの中では難しい部類に入ると思う。釣りが得意な友達からも、「初心者にいきなりイカは難しいやろ。」と言われてしまった。たしかにその通りであった。順序を追って、難易度ごとに挑戦していくことの大切さを改めて大切だと思った経験だった。

第二の方法は、少し興味がわいたことを、自分からやってみることだ。江戸時代の国学者である本居宣長は、元々家は、木綿などを扱う商人だったそうだ。しかし、商売には興味がなく、十代後半に母の勧めで医者を目指し、京都へ行った。そこで、まず儒学を堀景山から学んだそうだ。医者でもある堀景山は、朱子学の名門に生まれたが、特に歴史書への関心があり、日本古典も好んでいた。それに影響され、百人一首改観抄という書物を読み「さっそくに目覚めた」と回想している。ここから、国学の道へつながっていったそうだ。本居宣長は、職業は町医者として働いていたが、その中で、自分が興味のわいた国学について学び続けていた。勝海舟の名言に「天命を信じて人事を尽くす。」という言葉があるが、本居宣長の場合「好きを信じて好きを尽くす。」とも言えると思う。こう変えてみると、僕の学校の教育方針と重なるから、もしも、同年代だったら同じ学校に来ていたかもしれないなと思った。

 確かに、効力感が得られないときは、自分の中で褒美を設定して、挑戦することも大切だ。しかし、行動の強いエネルギーとなるのは、外からのものではなく、内から沸き起こるものだ。だから、効力感を人々の行動の原動力になるようにしていくべきだ。