あかぬりさん、今回の作文は「効力感」というテーマについて、自分の考えをしっかりとまとめていて、とてもよく書けています。
まず、効力感を得るための具体的な方法が二つ挙げられており、それぞれに自分の体験や歴史上の人物の例を用いて説明している点が素晴らしいです。
特に、釣り(つり)の経験を通して「小さな成功を積み重ねること」の大切さを実感していることが伝わり、体験実例がよく書けています。
また、本居宣長の話を取り入れて、興味を持ったことに自ら挑戦(ちょうせん)する重要性を示しているところは、歴史実例がよく書けています。
さらに、勝海(ふね)の名言を自分なりにアレンジして「好きを信じて好きを尽くす(つくす)」と表現した部分は、名言がよく書けています。
文章全体を通して、効力感を内から湧き(わき)起こるものとして捉え(とらえ)、行動の原動力にすべきだという意見が一貫(いっかん)しており、当為(とうい)の主題がよく書けています。
また、書き出しで述べた効力感の意味や子どもの成長に関する話が、結びの部分で再び効力感の重要性としてまとめられているので、書き出しの結びがよく書けています。
全体的に論理の流れが明確で、説得力のある文章に仕上がっています。

項目(こうもく)評価】
体験実例がよく書けています。
歴史実例がよく書けています。
名言がよく書けています。
当為(とうい)の主題がよく書けています。
書き出しの結びがよく書けています。
 

森リン評価 沸き起こるもの wapu 10月2週 あかぬり
字数/基準字数:
1270字/1000字
思考点:85点
知識点:92点
表現点:94点
経験点:86点
総合点:95点
均衡点:6点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
1200字換算
 
思考点:点
知識点:点
表現点:点
経験点:点
総合点:点
均衡点:6点
●換算語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙23種32個72%85点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙79種109個72%92点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙145種225個64%94点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
経験語彙45種64個70%86点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1270字
 85点
 92点
 94点
 86点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 経験語彙

 


■思考語彙 23種 32個 (種類率72%) 85点
n第, 確か,、もしも,。おそらく,。しかし,。たしかに,。だから,いくと,いくべき,すべき,たかも,たから,だろう,と思う,と考える,ないため,なければ,のため,の場合,みると,も言える,繰り返しによって,重なるから,

■知識語彙 79種 109個 (種類率72%) 92点
一番,上達,中学,京都,人事,価値,儒学,内部,初心者,効力,動作,勝海,医者,原動力,友達,古典,同年代,名言,名門,商人,商売,回想,国学,基準,大切,天命,学年,学校,宣長,小学校,影響,後半,得意,必要,成功,技能,挑戦,教育,方法,方針,日本,明瞭,時代,景山,書物,最初,木綿,本物,朱子学,条件,歴史,水準,江戸,熟達,環境,生活,町医者,疑似,発達,知識,簡単,経験,練習,職業,自分,興味,行動,褒美,言葉,設定,課題,進歩,適切,部類,関心,難易,順序,順番,題材,

■表現語彙 145種 225個 (種類率64%) 94点
 確か,お手本,ここ,こと,ごと,さ,そう,それ,とき,ないため,のため,の場合,もの,よう,イカ,エネルギー,カタクチイワシ,キス,タチウオ,ブーム,一,一番,三,上達,中,中学,二,京都,人,人々,人事,仕掛け,代,価値,僕,儒学,内,内部,初心者,効力,動作,勝海,勧め,化,医者,十,原動力,友達,古典,同年代,名言,名門,商人,商売,回想,国学,基準,堀,外,大切,天命,好き,始め,子ども,学年,学校,宣,宣長,家,小学校,居,年,度,影響,後半,得意,必要,性,感,成功,技能,挑戦,改,教育,方法,方針,日本,明瞭,時代,景山,書,書物,最初,木綿,本物,朱子学,条件,様々,歴史,母,水準,江戸,熟達,環境,生活,町医者,疑似,発,発達,百,的,知識,簡単,経験,練習,繰り返し,者,職業,自ら,自分,興味,舟,行動,褒美,親,観,言葉,設定,課題,通り,進歩,道,適切,部類,釣り,長,関心,難易,頃,順序,順番,題材,餌,首,魚,

■経験語彙 45種 64個 (種類率70%) 86点
く,ころがる,しまう,しれる,つながる,できる,とる,と思う,と考える,もつ,も言える,やる,られる,れる,わく,信じる,働く,入る,助ける,動かす,変える,好む,始める,学ぶ,導く,尽くす,待つ,得る,扱う,投げる,教える,整える,沸き起こる,泳がせる,狙う,生まれる,目指す,目覚める,積み重ねる,続ける,繰り返す,誘う,読む,選ぶ,重なる,

■総合点 95点

■均衡点 6点
 

沸き起こるもの
   高1 あかぬり(akanuri)  2025年10月2日

 自分のしたいことだと思える活動や達成を選び、そこでの自己向上が実感されて、真の効力感は獲得される。子どもの生活の中には効力感を伸ばすのにかっこうの題材がたえずころがっている。子どもの技能が繰り返しによって進歩していくと、子どもは内発的に難しい課題に興味をもつようになる。そして、子どもの生活の中には様々な熟達のお手本がある。その中から、自分の発達の水準と生活の必要性からいって、適切と考えられる課題を自ら選びとっていくのだ。親がすべきことは、環境条件を整えてやるとともに、子どもの内部にある知識や価値基準を明瞭化し、それが子どもの行動を導くものになるのを助けることだろう。

効力感を行動の原動力になるようにすべきだ。  

第一の方法は、小さな成功を順序を追って積み重ねていくことだ。僕が釣りを始めたのは、小学校低学年頃だった。最初はキス釣りから始めた。そして、カタクチイワシ、タチウオ、イカという順番で狙っていった。おそらく、釣りで一番始めやすいのがキスだと思う。仕掛けも比較的簡単で、投げ釣りのため、投げる動作も練習できる。僕はキスから始め、それから自分がやりたい魚を狙っていったから、順序よく上達できたのだと思う。しかし僕は、中学三年の頃、僕の学年であった釣りブームで、友達にイカから初めて教えてしまった。イカ釣りは、待つ動作と動かす動作を繰り返すことで、疑似餌を本物の魚のように泳がせて、イカを誘わなければならないため、釣りの中では難しい部類に入ると思う。釣りが得意な友達からも、「初心者にいきなりイカは難しいやろ。」と言われてしまった。たしかにその通りであった。順序を追って、難易度ごとに挑戦していくことの大切さを改めて大切だと思った経験だった。

第二の方法は、少し興味がわいたことを、自分からやってみることだ。江戸時代の国学者である本居宣長は、元々家は、木綿などを扱う商人だったそうだ。しかし、商売には興味がなく、十代後半に母の勧めで医者を目指し、京都へ行った。そこで、まず儒学を堀景山から学んだそうだ。医者でもある堀景山は、朱子学の名門に生まれたが、特に歴史書への関心があり、日本古典も好んでいた。それに影響され、百人一首改観抄という書物を読み「さっそくに目覚めた」と回想している。ここから、国学の道へつながっていったそうだ。本居宣長は、職業は町医者として働いていたが、その中で、自分が興味のわいた国学について学び続けていた。勝海舟の名言に「天命を信じて人事を尽くす。」という言葉があるが、本居宣長の場合「好きを信じて好きを尽くす。」とも言えると思う。こう変えてみると、僕の学校の教育方針と重なるから、もしも、同年代だったら同じ学校に来ていたかもしれないなと思った。

 確かに、効力感が得られないときは、自分の中で褒美を設定して、挑戦することも大切だ。しかし、行動の強いエネルギーとなるのは、外からのものではなく、内から沸き起こるものだ。だから、効力感を人々の行動の原動力になるようにしていくべきだ。