<<え2013/102み>>
 第一段落の結びで、意見を明確に書いているところがいい。
「私は他人を思いやる気持ちを大事にする生き方をしていきたい」
 こういう全体の主題をひとことで書くことが大事。

 「クラスのリーダーや応援(おうえん)団長を務める」は、いい体験だね(笑)。
 こういうことをこれからも生かしていくといいよ。

 ソフトバンクの孫正義さんの伝記もいい引用。
 こういう身近な(でもないけど)の人の実際の話を知ると、参考になるよね。

 受験は、(だれ)にとっても大変な思い出だけど、それを生かしていくことが大事。
 こういう経験は、自分のものの見方の(はば)を広げるからね。

 結びの段落も、しっかりまとまっている。

 ことわざの引用もいいのだけど、ありきたりになってしまう可能性がある。
 それよりも自作名言で表現を工夫していくといいよ。
 考えてみよう。

かののんさんの作文は、他人を思いやる気持ちの大切さを自分の経験や具体例を交えて丁寧(ていねい)に伝えている点が素晴らしいです。
幼稚園(ようちえん)での体験から思いやりの心が育まれることをしっかりと捉え(とらえ)、自分の生き方に結びつけているところに、かののんさんの深い考えが感じられます。
また、コミュニケーションの力を見直すという方法が具体的に書かれており、自分の性格の変化や努力の過程も素直に表現できています。
孫正義さんのエピソードを引用して、勇気を持つことの重要性を説いているのも説得力があり、名言のような力強さを感じました。
さらに、偏差(へんさ)値社会の問題点を挙げ、多様な個性を認め合う社会のあり方についても自分の体験を踏まえ(ふまえ)て考察している点はとても良いです。
最後に、「情けは人のためならず」ということわざを用いて、思いやりが巡り(めぐり)巡っ(めぐっ)て自分を支える力になるという結びも、文章全体を美しく締めくくっ(しめくくっ)ています。
全体を通して、かののんさんの考えが一貫(いっかん)しており、読み手に伝わりやすい構成となっています。

項目(こうもく)評価】
方法がよく書けています。
生き方の主題がよく書けています。
名言がよく書けています。
体験実例がよく書けています。

内容★ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1576字/1000字
思考点:92点
知識点:83点
表現点:84点
経験点:101点
総合点:93点
均衡(きんこう)点:3点

 


■思考語彙 26種 33個 (種類率79%) 92点
 確か,。しかし,。たとえば,。だからこそ,。もちろん,いいから,いま考える,いれば,せざる,たため,だろう,て考える,で思う,ならざる,のため,の場合,また第,も思う,れると,人によって,人に対して,自身に対して,行くべき,諦めざる,近づこう,避けざる,

■知識語彙 66種 93個 (種類率71%) 83点
一言,不安,不得意,世界,中学,人生,人間,他人,余裕,個性,偏差,優劣,公立,共存,内気,初対面,判断,創業,努力,勇気,勉学,勉強,受験,大切,大半,姿勢,学年,学校,対話,専門,小学生,年頃,当時,得意,必要,志望校,性格,感覚,成功,新聞,方法,日本,時代,最終,模試,正義,物事,現在,相手,社会,社長,立場,経験,結果,美術,臆病,自分,自身,芸術,言葉,記事,間近,電話,面会,頂点,高校生,

■表現語彙 123種 213個 (種類率58%) 84点
 確か,いま,きっかけ,こと,さ,さん,そう,それぞれ,たため,とき,のため,の場合,まま,もと,もの,よう,ソフトバンク,マクドナルド,一,一言,不安,不得意,世界,中,中学,二,互い,人,人生,人間,今,他,他人,何,余裕,個々,個性,値,偏差,優劣,公立,共存,内気,分,初対面,判断,創業,力,努力,勇気,勉学,勉強,受験,周り,大切,大半,姿勢,学年,学校,孫,対話,専門,小,小学生,常,年頃,度,当時,彼,得意,心,必要,志望校,思いやり,性格,情け,感覚,成功,新聞,方,方法,日本,時代,最終,模試,歌,正義,歩,気,気持ち,焦り,物事,物差し,現在,的,相手,社会,社長,私,立場,経験,結果,絵,美術,考え方,者,臆病,自ら,自分,自身,芸術,言い訳,言葉,記事,豊か,違い,間近,関わり,電話,面会,頂点,高校生,%,

■経験語彙 55種 71個 (種類率77%) 101点
いま考える,かける,させる,しまう,つながる,て考える,できる,で思う,めぐる,も思う,られる,れる,わかる,上がる,会う,出る,出来る,動かす,受け入れる,合う,問いかける,変える,尋ねる,思いやる,持つ,接す,支える,改める,断る,果たす,生きる,生まれる,異なる,直す,立つ,続ける,聞く,見える,見つける,見つめる,話しかける,認める,諦める,負ける,足りる,踏み出す,込む,近づく,通う,過ごす,達す,違う,避ける,関わる,頼む,

■総合点 93点

■均衡点 3点
 

思いやりの循環
   中3 かののん(kanonon)  2025年10月2日

 幼稚園じゃお歌とお遊戯会ばかりだったのに、学校に上がるとお歌とお遊戯が授業から外されてしまう。幼稚園では、一緒に歌い、お遊戯をすることだけでなく、一緒におやつやお弁当も食べる。体に想像力を蓄えさせることで、他人を思いやる気持ちを、共存の条件となるものを、育んできたのである。私は他人を思いやる気持ちを大事にする生き方をしていきたい。

 そのための方法は第一に、コミュニケーションの力を見直すことだ。現在はマシになってきたものの、やはり私は初対面の人に対して臆病になってしまう性格だ。その場ではそうなってしまうものの、よく考えてみると今後の関係性なども反射的に考えてしまっているのかもしれない。シャイは決して悪いこととは言えないが、他人を思いやるのも交流をしなければ難しい。今でこそクラスのリーダーや応援団長を務めるなどの経験を通して人前に出ることや、初対面の人に対して話しかけるということも出来る。もちろん人によって考え方も人との接し方も異なるが、私の場合、幼いときのままの感覚でずっと過ごしていたら対話すらできない人間になってしまっていたのでは無いのだろうかと、自分でも思う。たとえば、ソフトバンクの創業者である孫正義さんも、もとは内気な性格だったという。けれども高校生のとき、新聞で見た当時の日本マクドナルドの社長の記事に強く心を動かされ、自ら電話をかけて「一分でいいから会ってほしい」と頼み続けたそうだ。何度も断られても諦めず、ついに面会を果たした彼は、その一言がきっかけで人生を大きく変えた。もし恥ずかしさや怖さの気持ちに負けていたら、今の彼の成功はなかっただろう。人と関わることには勇気がいるが、その一歩を踏み出すことでしか見えない世界がある。私も、臆病さを言い訳にせず、相手の心に近づこうとする姿勢を持ち続けたい。

 また第二の方法としては、今までの偏差値社会を改めることだ。実際、私の小学生時代にそのようなことが多かった。私が公立小に通っていたということもあり、学年の90%程の人が中学受験を経験した。やはり他の人の結果が気になるお年頃だったため、大半の人が他人の志望校や偏差値を尋ねるのが常であった。当然私も、そのように尋ねられることも多々あった。しかし受験間近になっても、模試で思うような結果が出ることはなく、私の焦りは頂点に達した。そんな中で模試の結果や偏差値を聞かれると、当然恥ずかしくなる。偏差値を尋ねてくる人というのは自分の結果が良い人が多いというのもあり、焦りや不安も込み上がった。もちろんいま考えて見ても当時の私は努力が足りなかったことが痛いほどわかる。しかし、人には物事の得意不得意というものがあり、勉強が得意な人もいれば絵や歌など、芸術的なものが得意な人もいる。現在私の周りには、美術の専門学校に通っている人もいる。やはりそれぞれの個性というものがある。勉学だけで物事を判断してしまっては、その人、その人の個性を認め合うことは難しい。優劣を生まれさせるのではなく、個々の良さを見つけ合うことでより良い社会が生まれるのではないだろうか。

 確かに、人間は自分自身に対して問いかけることも必要だ。しかし、『情けは人のためならず』という言葉もあるように、思いやりの心はめぐりめぐって自分自身を支える力になる。人との関わりを避けず、相手の立場に立って考えることで、互いの違いを受け入れられるようになるのだ。社会の中では、人それぞれ違う物差しで生きている。だからこそ、相手の良さを認め、自分を見つめ直す心の余裕を持っていたい。他人を思いやる気持ちは、最終的には自分を豊かにし、より良い共存社会につながるのではないだろうか。だからこそ、他人を思いやる気持ちを大切にして生きて行くべきだ。