楽しむことの大切さ
   中2 あかさほ(akasaho)  2025年10月3日

 ある朝、私は一冊の本と、一切れのパンをポケットに入れて、思い出の家の庭を散歩した。不思議な、ある密かな不安を感じながら、庭のなじみの場所を見渡した。そして、昔のようにトカゲを捕まえたが、少年時代の喜びは感じられなかった。汽車が走ってくるのを見た時、自分の本当の喜びはここでは得られないと思い、その列車に乗って世の中に出てみたいと思った。

 確かに、人間には無邪気な子供時代も必要だ。なぜなら、子供時代には色々なことに興味を持てるからだ。子供の頃にたくさんのことに興味を持った経験はその後の人生の役に立つと思う。私は、やりたいと思ったことを比較的自由に試す機会をくれるような幼稚園に通っていた。そこで、毎日のように泥遊びをしていた。泥遊びにぴったりなとても広い砂場があった。そこにせっせと水を運び泥のプールのようにして泥だらけになりながら遊んでいた。服は全て茶色くなって母は落とすのが大変だっただろう。今なら、わざわざ大量の水を運んで、服を汚してまでそんなことはしない。でも、まだ小さかったから、たくさんのことに興味を持てたのかなと感じた。この経験は、少しは役に立っていると思う。一つの目標のために努力することなどがあげられる。つまり、泥のプールを作るために一生懸命水を運んだということだ。私はよく努力ができると褒められるが、そのこともこのおかげだと思う。このように、人間には興味津々な子供時代も必要なのだ。

 しかし、人間には、親や自然や友達から離れて、自分を見つめるような時代も必要だ。例えば留学だ。生活面の自立では、食事・洗濯・学習計画・時間管理など、日常生活の多くを自分で行う必要がある。ルームメイトやホストファミリーとの生活で、コミュニケーション力や協調性も同時に養われる。このことにより、家庭に依存せず自分で判断し行動する力(自己管理能力)が身につく。学習・思考面での成長という面では、異文化や異なる教育制度に触れることで、自分の価値観や考え方を相対化して考える機会が増える。言語学習だけでなく、自分の強み・弱み、興味・関心を見つめ直すきっかけにもなるそうだ。データによると、留学生の多くは、帰国後に学習意欲が高まったり、自己表現力や柔軟な思考力が向上する傾向があるらしい。また、最初は孤独感やホームシックを感じることも多いが、それを乗り越える経験が「精神的な強さ」につながり、問題が起きたとき、自分で解決策を考え行動する力が育つ。これにより、帰国後も自分で目標を立て挑戦する力がつきやすくなる。実際の効果として、実例があげられる。文部科学省の報告では、留学経験のある高校生の約80%が「自分の考えや価値観を見つめ直す機会になった」と回答している。「日本にいたときは周りの評価を気にしていたが、海外では自分で考えて行動する必要があった」「困った時に誰かに頼るより、自分で考えるようになった」といった意見が多く見られるようだ。このように、知り合いから離れて生活してみることは自分の成長につながる。

 無邪気な子供時代も、自立の時代もどちらも大切だ。しかし、一番大切なことは、「人生は一度きり。だから今を楽しめ。」という名言があるように、その瞬間をめいいっぱい楽しむことだと考えた。この先、留学などの機会があれば挑戦してみたい。そして、今の学生生活を思いっきり楽しんで、思い出をたくさん残していきたい。