<<え2016/624pみ>>
 表面上の物事だけを見るのではなく、その裏側で何が起きているかを
考えることはとても素晴らしく、勇気の必要なことです。
常に考え続けているこたつさんだから出てくる信念ですね。

 こたつさん、あなたの作文は、物事の表面だけでなく、
その裏側にある本質を見ようとする姿勢がとても
よく伝わってきます。
 AIを使ったフェイク動画の体験を具体的に挙げているところは、
現代の問題を自分の経験として捉え(とらえ)、考えを深めている点が
素晴らしいです。
 方法として「鵜呑みにせず自分で考えること」と
「教育の場で原理や理由を考える力を養うこと」を
挙げているのも、説得力があり、論理的にまとまっています。
 松尾(まつお)芭蕉の句を引用して、表面と裏側の両方に目を向けることの
大切さを説明している部分は、文学的な深みを感じさせ、
文章に彩り(いろどり)添え(そえ)ています。
 最後に、自分の生き方として「裏側を考え続けたい」という
決意を述べているところも、主題がしっかりしていて印象的です。
全体を通して、具体例や名言の引用を交えながら、自分の考えを
丁寧(ていねい)に展開できている点がとても良いですね。

項目(こうもく)評価
方法がよく書けています。
生き方の主題がよく書けています。
名言がよく書けています。
体験実例がよく書けています。

内容◎ 構成◎ 題材  表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1112字/1000字
思考点:90点
知識点:82点
表現点:85点
経験点:92点
総合点:93点
均衡(きんこう)点:6点

 


■思考語彙 25種 32個 (種類率78%) 90点
 確か, 第,、いわゆる,、もしも,、単に,。しかし,。たとえば,からこそ,しまえば,しよう,すませば,そのため,たかも,たから,だろう,てこそ,で考える,と思う,ないと,は思う,みると,ゆくと,を考える,疑わざる,見よう,

■知識語彙 65種 85個 (種類率76%) 82点
一見,両方,中学生,人間,以上,作品,共有,内容,出来事,努力,動物,動画,原理,友人,子供,学校,差別,形態,思考,急速,情報,意味,技術,授業,探求,教育,文学,方法,映像,最初,最近,本人,本当,本物,松尾,柔軟,格段,様子,段階,物事,物心,特徴,理由,理解,生息,生態,発展,発言,矛盾,知識,研究,科学,簡単,素朴,背後,自分,自然,興味,芭蕉,表面,裏側,要素,調和,進化,道筋,

■表現語彙 125種 178個 (種類率70%) 85点
 確か,こと,さ,そう,そこ,そのため,それ,それら,たち,つもり,とき,ところ,ほう,もの,よう,インターネット,キリン,トランプ,ニュース,ライオン,一,一つ,一見,上,両方,中,中学生,二,二つ,人,人間,仕組み,以上,何,作品,偽,共有,内容,出来事,力,努力,動物,動画,原理,友人,句,味わい,命,営み,園,地,場,声,奥,姿,子供,学校,岩,差別,形,形態,思考,急速,情報,意味,技術,授業,探求,教育,文学,方法,映像,最初,最近,本人,本当,本物,松尾,柔軟,格段,様子,段階,物事,物心,特徴,理由,理解,生息,生態,発展,発言,的,目,矛盾,知識,研究,私,科学,簡単,素朴,考え方,耳,背後,自分,自然,興味,色,芭蕉,蝉,表,表面,裏,裏側,要素,話,誰,調和,豊か,象,身の回り,進化,道筋,静けさ,驚き,鵜呑み,

■経験語彙 49種 59個 (種類率83%) 92点
いける,しまう,しむ,しれる,すます,たどる,つく,できる,で考える,とどまる,と思う,は思う,ふるまう,ゆく,られる,れる,わかる,を考える,作る,使う,信じる,偏る,分かる,合わせる,向ける,増える,始める,学ぶ,広める,感じる,持ち合わせる,持つ,探る,映る,気づく,深まる,疑う,眺める,研ぎ澄ます,示す,続ける,聞く,表す,見える,覚える,調べる,起きる,連れる,養う,

■総合点 93点

■均衡点 6点
 

表面と裏面
   中3 こたつ(akiriyo)  2025年10月3日

 物心のついた子供を動物園に連れてゆくと、たいていの子供は初めて見る動物の姿に素朴な驚きと興味を示す。子供たちの目にまず映るのは、象やキリンやライオンなどの珍しい動物の形や色だ。それらの動物の生息地や生態、進化などに興味を持ち始めるのは中学生以上になってからの話である。科学の発展段階は、まさにそれと同じ道筋をたどる。ある物事に興味を持ち、それを研究しようとするとき、まず誰しもが悪モクするのはその形態やふるまいだ。次いで、その特徴について探求する。

 私は、表面上の物事だけを見るのではなく、その裏側で何が起きているのかを考えられる人間になりたい。

そのためには二つの方法があるだろう。

 一つ目は、聞いたことをただ、鵜呑みにするのではなく、本当にそうなのかと自分で考えてみることだ。最近、インターネット上ではAIを使った偽情報、いわゆるフェイクが急速に増えている。たとえば、私がSNSで見たある映像には、トランプが差別的なことをを言っている様子が映っていた。最初は本物のニュース映像のように見え、思わず信じそうになった。しかし、よく調べてみると、それはAIで作られた「ディープフェイク動画」で、実際には本人が発言していないことが分かった。AIを使ったフェイク動画の酷いところは、もしも、このときに私が内容を疑わずに友人などに共有していたら、偽の情報を広める一人になっていたかもしれないというところだ。技術が発展してきたからこそ、それに合わせた思考を持ち合わせないといけないと私は思う。

 第二に、学校などの教育の場で、単に知識を覚えるだけでなく、その裏にある原理や理由を考える力を養うことだ。たとえば、文学の授業で「閑さや岩にしみいる蝉の声」という松尾芭蕉の句を学ぶときも、「静けさ」と「蝉の声」という一見矛盾する要素が、実は深い自然の調和を表していることに気づく。表面的な静けさの中にも、よく耳をすませば命の営みが感じられる。このように、表と裏の両方に目を向けることで、作品の味わいは格段に深まる。

 確かに、表面だけを見て理解したつもりになるほうが、裏側を探るよりも簡単でわかりやすい。しかし、そこにとどまってしまえば、私たちの思考は浅く、偏ったものになってしまうだろう。物事の裏側を見ようとする努力を続けることで、私たちの考え方はより鋭く、柔軟で豊かなものになっていく。見えているものの奥にある「本当の姿」を理解できるようになってこそ、真に思考は研ぎ澄まされていくのだろう。私はこれからも、身の回りの出来事をただ眺めるだけでなく、その背後にある意味や仕組みを考え続けていきたいと思う。