あえさたさん、今回の作文はとても深くて考えさせられる内容でした。
まず、ヒノキの強さが時間とともに変わる話から始まり、自然のものと人工のものの違い(ちがい)について自分の考えをしっかりと述べているところが素晴らしいです。
また、手書きの文字と印刷の文字を比べるたとえがうまく使われていて、読んでいてイメージがわきやすかったです。
さらに、お父さんとの会話を取り入れているので、文章に立体感が出ていて説得力が増しています。
自然のものと人工のものの関係について、自分の考えだけでなく、家族の意見も交えて書けているのはとても良いですね。
「人間にとって自然とは…」という部分では、一般(いっぱん)的な視点(してん)からの主題もきちんと示されていて、文章全体が深みを増しています。
最後に、「急がば回れ」ということわざを使って自然のリズムの大切さを伝えているところも、とても効果的です。
書き出しのヒノキの話と結びの自然のリズムの話がつながっていて、文章のまとまりもよく感じました。
これからも、自分の考えを具体的な例や家族の話と組み合わせて、わかりやすく伝えていってくださいね。

項目(こうもく)評価】
・たとえがうまく使われています
・前の話聞いた話がよく書けています
一般(いっぱん)化の主題がよく書けています
・ことわざがよく書けています
・書き出しの結びがよく書けています
 

森リン評価 自然のぬくもり、人口の知恵 hu 11月2週 あえさた
字数/基準字数:
1306字/1000字
思考点:95点
知識点:67点
表現点:70点
経験点:106点
総合点:76点
均衡点:-7点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
1200字換算
 
思考点:点
知識点:点
表現点:点
経験点:点
総合点:点
均衡点:-7点
●換算語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙27種33個82%95点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙43種87個49%67点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙93種202個46%70点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
経験語彙58種83個70%106点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1306字
 95点
 67点
 70点
 106点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 経験語彙

 


■思考語彙 27種 33個 (種類率82%) 95点
、確か,。たとえば,。つまり,。一方,あるはず,からこそ,たずねると,だから,だろう,と思う,なければ,にこそ,について考える,に思える,に第,のに対し,れると,人間にとって,例えると,僕にとって,再び第,姿勢こそ,忘れざる,急がば,比べると,求むべき,生きるため,

■知識語彙 43種 87個 (種類率49%) 67点
不完全,人工,人間,便利,側面,利用,印刷,原理,呼吸,大切,姿勢,存在,完璧,対象,建築,循環,感性,数量,文字,時代,時間,木目,機能,正確,歳月,理由,生命,生活,用材,相手,真理,知恵,科学,素材,背景,自然,解明,言葉,証明,道具,長文,関係,魅力,

■表現語彙 93種 202個 (種類率46%) 70点
、確か,あるはず,こと,ことわざ,さ,そこ,その後,たち,たび,とき,どちら,ぬくもり,はるか,もの,ゆるやか,よう,わけ,リズム,一,一つひとつ,不完全,中,二,人,人工,人間,何,便利,側面,僕,利用,力,動き,印刷,原理,呼吸,命,大切,姿勢,存在,完璧,対象,年,建築,形,循環,心,息づかい,感性,手,手書き,数量,文字,方,時,時代,時間,暮らし,木,木目,机,機能,正確,歳月,流れ,温かさ,父,理由,生,生きるため,生命,生活,用材,百,的,相手,真理,知恵,私,科学,素材,線,背景,自然,解明,言葉,証明,豊か,跡,道具,長文,関係,魅力,

■経験語彙 58種 83個 (種類率70%) 106点
くれる,すぎる,せる,たずねる,ちがう,つくる,できる,と思う,にじむ,について考える,に思える,もつ,られる,れる,伝える,作り出す,作り出せる,使う,例える,信じる,働かせる,優れる,切る,動かす,受け入れる,回る,始まる,宿る,待つ,忘れる,急ぐ,感じる,扱う,支える,教える,整う,断つ,書く,歪む,比べる,気づく,求む,沿う,生かす,生きる,生み出す,生み出せる,磨く,築ける,続ける,聞く,育てる,補い合う,見いだす,見つける,触れる,読む,迷う,

■総合点 76点

■均衡点 -7点
 

自然のぬくもり、人口の知恵
   小6 あえさた(aesata)  2025年11月2日

 ヒノキは、切られてから二、三百年の間は、強さや剛性がじわじわと増して二、三割も上昇し、その時期を過ぎた後、ゆるやかに下降する。その下がりカーブのところに法隆寺の柱が位置していて、新しい柱とほぼ同じくらいの強さになっている。つまり、木は切られた時に第一の生を断つが、建築の用材として使われると再び第二の生が始まって、その後、何百年もの長い歳月を生き続ける力をもっているのである。私たちは数量的に証明できるものにのみ真理があると信じすぎてきたが、木のような自然の素材には、科学では解明できない側面がある。

 この長文を読んで、僕は「自然のもの」と「人工のもの」の関係について考えた。たとえば、手書きの文字と印刷された文字を比べると、どちらも同じ言葉を伝えることができるが、感じられる温かさは全くちがう。印刷の文字は整っていて読みやすいが、そこに人の息づかいはない。一方、手書きの文字には書いた人の心の動きや、迷い、優しさまでもがにじんでいるように思える。まっすぐではない線や、少し歪んだ形にこそ、人間らしさが宿るのだ。人工のものは、正確さと美しさを生み出す力をもっているが、自然のものは不完全だからこそ、より深い魅力をもっているのではないだろうか。

 そこで僕は、父に「自然のものと人工のもの、どちらが良いと思う?」と聞いてみた。父はすぐに、「自然の方が良い」と言った。その理由をたずねると、「人工のものは便利だけど、自然のものは人間では作り出せないものがあるよね。」と言った。その言葉を聞いたとき、僕ははっとした。机で例えると、確かに人工素材のものは軽くて扱いやすいが、自然の木などでつくられた机には木目の一つひとつに命の跡があり、手を触れるたびにぬくもりを感じる。人工のものが“機能の便利さ”をもっているのに対し、自然のものは“心を動かす力”をもっているのだと思った。父の言葉を通して、僕は人の心が求むべきものは完璧さではなく、生命を感じる温かさなのだと気づいた。

 僕にとって、自然とはただ利用する対象ではなく、共に呼吸し、生きる相手のような存在だと思う。自然は人間よりもはるかに長い時間を生き、その中で僕たちに「待つこと」や「受け入れること」の大切さを教えてくれる。一方、人工のものは人間が知恵を働かせて作り出したもので、生活を支える便利な道具である。どちらが優れているというわけではなく、互いに補い合う関係にあるはずだ。僕たちは自然の中に人間の知恵を見つけ、人工の中に自然の原理を生かしていくことで、はじめて豊かな暮らしを築けるのだと思う。

 人間にとって自然とは、ただ生きるための背景ではなく、心を育て、感性を磨かせてくれる存在である。自然の中には、人間の力では生み出せない時間の流れや、ゆるやかな生命の循環がある。僕たちはその中で生かされているということを忘れずに、便利さの中にも自然の知恵を見いだしていかなければならない。「急がば回れ」ということわざがあるように、自然のリズムに沿ってゆっくりと生きる姿勢こそ、これからの時代をより豊かに生きるために、最も大切なことだと思う。