昔話から得られるもの
中3 こたつ(akiriyo)
2025年11月3日
昔話の研究をすることは、そこに隠された民衆の知恵のようなものを感じ取ることになり、現代に生きる我々に対しても思いがけない示唆を与えてくれる。
私は昔話から様々なことを学び、それをこれからの人生に生かして生きていきたいと考えている。なぜなら、昔話は単なる子供向けの読み物ではなく、人が長い歴史の中で積み重ねてきた知恵や価値観が詰まった物語であり、成長してから読むことで初めて気づく深い教訓が数多くあるからだ。
一つ目は、昔話を「小さい子どもが読むもの」だと決めつけず、物語の背景や登場人物の行動の意味をくみ取りながら読むことだ。私は最近、「ウサギと亀」という有名なグリム童話を読み返した。この話は子供のころにも読んでいたが、今になって読み直すと、幼い頃には見落としていた部分がいくつもあることに気づいた。才能を持ち、速く走れるウサギであっても油断をすれば負けてしまうし、逆にどれほど不利な状況であっても亀のように努力を続ければ結果をつかめるという深い教訓がそこにはあった。私はこの教訓を自分の生活に取り入れ、特にテスト勉強では日々コツコツと積み重ねることを意識した。前は点数で勝てなかった友人がいたが、その友人に点数で勝つことができた。
二つ目は、学校などで、昔話についての知見を広げることだ。昔話は国や地域によって背景や文化が異なり、比喩や象徴も多く含まれているため、一人で読んでいるだけでは気づけない解釈や価値観がある。学校の授業や図書館での調べ学習、先生や友人との意見交換を通して学ぶことで、物語の理解がより深まり、そこから得られる教訓も豊かになるだろう。また、昔話は単なる娯楽ではなく、それぞれの時代を生きた人々の価値観や、社会が大切にしてきた道徳観を伝える役割も担っている。その背景を知ることで、物語がより立体的に感じられ、自分の考えを広げるきっかけにもなるだろう。
確かに、現代の知識や最新の情報のほうが生活に近く、役に立つことも多いだろう。しかし、「悪書を読まないことは、良書を読むための最初の条件である」という名言があるように、良い物語に触れることは今でも大切だ。昔から伝えられてきた昔話には、人が悩みながら生きていくうえで普遍的に必要とされる価値が込められている。そうした物語を丁寧に読み、そこから学びを得る姿勢を持つことは、現代を生きる私たちにとっても大きな意味があるはずだ。私はこれからも昔話を読み、そこに隠れた知恵や教訓を自分の人生に役立てていきたいと考えている。