あこまきさん、今回の作文は「里山」というテーマを通して、自然と人間の関わりについて深く考えられていて、とても立派(りっぱ)です。
まず、桃太郎(ももたろう)の物語から始めて、日本人の原風景としての里山の説明がわかりやすく、読み手に親しみやすい印象を与え(あたえ)ています。
また、自分自身の草刈り(くさかり)の体験を具体的に書いているので、文章に説得力があり、読んでいるとその場の様子が目に浮かび(うかび)ました。
(あせ)が手に滲み出る」「空気がおいしく、心も洗い流さ(あらいながさ)れてしまいそう」という表現は、自然の中での体験が生き生きと伝わってきます。
さらに、「千里の道も一歩から」ということわざを使って、身近な行動の大切さを伝えている点も素晴らしいです。
崎野(さきの)隆一郎(りゅういちろう)さんの話を引用して、伐採(ばっさい)の意味や森の仕組みを説明しているところは、文章に深みが出ていて、前の話や聞いた話がよく書けています。
最後に、「人間にとって自然を守ることは生存(せいぞん)につながる」という一般(いっぱん)的な主題をしっかりとまとめているので、文章全体に力強いメッセージが感じられます。
書き出しの桃太郎(ももたろう)の情景に戻っ(もどっ)て結ぶことで、文章のまとまりもよくできています。
これからも、体験や調べたことを上手に組み合わせて、わかりやすく伝える力を伸ばし(のばし)ていってください。

項目(こうもく)評価】
・たとえ表現:なし(今回は使われていません)
・前の話聞いた話:よく書けています
・ことわざ:よく書けています
一般(いっぱん)化の主題:よく書けています
・書き出しの結び:よく書けています
 

森リン評価 里山の生存 hu 11月3週 あこまき
字数/基準字数:
1221字/1000字
思考点:62点
知識点:78点
表現点:84点
経験点:88点
総合点:77点
均衡点:0点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
1200字換算
 
思考点:点
知識点:点
表現点:点
経験点:点
総合点:点
均衡点:0点
●換算語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙14種21個67%62点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙58種88個66%78点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙124種198個63%84点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
経験語彙46種76個61%88点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1221字
 62点
 78点
 84点
 88点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 経験語彙

 


■思考語彙 14種 21個 (種類率67%) 62点
。しかし,。だからこそ,しまうと,すると,だろう,できると,と思う,ないと,みると,ゆくため,人間にとって,人間によって,取りによって,日本人にとって,

■知識語彙 58種 88個 (種類率66%) 78点
一斉,世界,人事,人間,今後,今日,伐採,休憩,光景,利用,動物,千里,危機,問題,地面,大変,小川,崎野,広葉樹,底流,成長,日本人,明日,景色,暗闇,栄養,森林,植物,機械,洗濯,消滅,特色,生存,生活,生物,畏敬,移動,空気,管理,素朴,絶滅,維持,背丈,自然,花畑,草刈,草木,身近,農耕,連鎖,里山,重心,野原,針葉樹,隆一郎,集約,集落,風景,

■表現語彙 124種 198個 (種類率63%) 84点
あん,きれい,こと,これ,さまざま,そう,そば,たこ,たち,ところ,ほう,もの,ゆくため,よう,クヌギ,ナラ,一,一つ,一斉,下,世界,人,人々,人事,人間,今後,今日,伐採,休憩,体,何,働きかけ,先,光,光景,刈り取り,利用,力,動物,千里,危機,取り,命,問題,国,地面,大変,家,小川,山,崎野,広葉樹,床,底流,度,影,心,成長,手,手入れ,摘み,日本人,明日,時,景色,暗闇,木,木々,松,柱,栄養,森,森林,植物,様々,機,機械,次,歩,汗,洗濯,消滅,特色,生き物,生存,生活,生物,畏敬,的,私,移動,空,空気,管理,素朴,絶滅,維持,緑,背,背丈,自然,花畑,草,草刈,草刈り,草木,薪,虫,行い,身近,農耕,連鎖,道,里山,重心,野原,針葉樹,間,隆一郎,集約,集落,静か,面,風景,

■経験語彙 46種 76個 (種類率61%) 88点
おちいる,おる,かかる,こむ,しまう,せる,つながる,できる,と思う,へばる,もらう,やる,ゆく,れる,上がる,倒れる,入る,入れる,出る,出来る,切る,合う,合わさる,呼ぶ,増える,始める,守る,広がる,成り立つ,戻る,手伝う,掘り返す,支える,洗い流す,流れる,消える,滲む,生きる,育つ,行き届く,見える,見上げる,起こる,這う,過ぎる,隠れる,

■総合点 77点

■均衡点 0点
 

里山の生存
   小6 あこまき(akomaki)  2025年11月3日

 桃太郎という物語は年寄りがすぐ行けるような身近なところに薪取りのできる柱があったり、家のすぐそばには洗濯の出来るのできるきれいな小川が流れていたりといった素朴な集落の光景は日本人にとって一つの原風景と言っても良いだろう。人間の身近にあって生活の様々な面で利用されるような森林を日本人は里山と呼んできた。この里山の特色は、人間によって極めて高い集約的に利用されながら、決して消滅することなく、長く維持されてきたこにある。この国では長い間、農耕力の刈り取りと里山から摘み取りによって人々の生活が成り立ってきたのである。こうした里山への働きかけの底流には、自然への畏敬があったのだ。

 私は何度か里山の手入れを手伝ったことがある。よくやるのは草刈りだ。背丈よりも高い草を草刈機という重たい機械で切っていくのである。体の重心を移動し次から次にと草木が倒れてゆく。汗が手に滲み出る。とても重い。しかし、休憩がかかり空を見上げた時にはたまらないのだ。あんだけ背が高かった草も床にへばりこんでおり、隠れていた景色が一斉に見える。野原の先は木や山、花畑といった光景が広がっている。虫たちが掘り返された地面から這い上がってまた戻ってゆく。空気がおいしく、何かざらざらしていた心も洗い流されてしまいそうなぐらいだ。千里の道も一歩から。どのようなことも身近な手入れからでも始めてゆくのが良いのである。

 伐採をすることで森を明るくすることができると崎野隆一郎は言っていた。針葉樹は松など、背が高い木が多い。そのような木が増えてしまうと、影ができてしまい、下からみると暗い世界になってしまう。すると、クヌギやナラなどといった広葉樹、背の低い木々が育たなくなってしまう。そうして栄養をもらった針葉樹が成長してしまうといった不の連鎖が起こってしまう。そこで人間たちが山に入り、成長し過ぎてしまった木々を伐採し、森に成長の光を地面に入れるのである。自然を管理するということは大変なことであると思う。人間たちがこの手で手入れをしてゆかないと自然というものであったり、生物、もしかしたら私たちまで絶滅という危機におちいってしまうのではないのだろうか。だからこそ今後とも里山を手入れして光を入れて行ったほうが良いと思う。

 人間にとって自然を守る、手入れするということは人間であったり里山を生存させてゆくことである。伐採、草刈りであったりさまざまなことをして里山に緑を入れてゆくことで明日に動物や植物の何かの生きていることにつながるのではないのだろうか。もし、人の手入れが行き届かなくなってしまうと、暗闇の世界になり一つ一つ静かに命が消えてしまいそうになってゆくのだと思う。これは他人事という問題ではない。だからこそ里山や生き物を生存させてゆくために小さな行いをしてみてはどうだろうか。一つ一つという行いが合わさってゆき、命というものを今日も支え合っている。