昔話に込め(こめ)られた知恵(ちえ)や価値を現代に活かそうとする姿勢がとても立派で、読み応えのある意見文でした。

<<え2015/139pみ>>

【総評】
 「昔話と老人の知恵(ちえ)」というテーマに対して、単なる懐かし(なつかし)さではなく、「発想の転換(てんかん)」や「初心に学ぶ姿勢」「団結力」といった現代にも通じる教訓として再発見している点がとてもすばらしいです。エジソンや三(ひき)の子(ぶた)、自分自身の経験を交えた具体的な事例が説得力を高めており、段落ごとの構成も明確で、読みやすさも兼ね備え(かねそなえ)た文章です。最後のまとめも含意(がんい)があり、全体としてよく練られた意見文に仕上がっています。

【段落ごとの講評】
第1段落:「昔話に老人が登場する」ことをきっかけに、自分の考えを「発想の転換(てんかん)」「思考の柔軟(じゅうなん)さ」と結びつけて展開しています。「昔話に生き方を学ぶ」という主題が明確に打ち出されており、導入として非常に良いです。

第2段落:エジソンの話を引用し、「幼稚(ようち)なものを馬鹿(ばか)にせず、自分にとっての学びを探す」という視点で論を展開。自分の解釈(かいしゃく)も交えて、人物の例を効果的に活用できています。「最初から成功を求めない」という気づきが、自身の成長につながる視点になっていて優れています。

第3段落:「団結力」という価値を「三(ひき)の子(ぶた)」と自分の学習経験の両面から語っており、昔話の教訓を実生活に応用しようとする意識が伝わってきます。過去の自分の失敗に向き合いながら前向きな学びに変えている点も評価できます。

第4段落:現代の知識や技術の前提に「基本」があるという指摘(してき)は非常に的確で、読者に思考を促す(うながす)まとめとなっています。「良書・悪書」の引用も印象的で、主題への理解を深めています。

【特に優れていた点】
・昔話から現代的な教訓を引き出すという主題が一貫(いっかん)して明確
・エジソンや昔話、自分の経験を交えた具体例が豊富で説得力がある
・昔話に内在する価値を自分自身の成長に結びつけて論じている
・文章構成が四段落で整理され、論の流れが非常に自然

【考えを深めるための質問】
 これからの時代、昔話に学ぶべき新しい価値は何だと思いますか? それは、どんな理由からですか?

字数/基準字数:1031字/1000字
思考点:85点
知識点:80点
表現点:80点
経験点:80点
総合点:89点
均衡(きんこう)点:8点

 


■思考語彙 23種 34個 (種類率68%) 85点
 確か, 第,。しかし,。例えば,あろう,しまうと,しよう,すると,せざる,と思う,と考える,ないと,なかろう,なると,に考える,のため,やろう,を考える,幼いから,忘れざる,求めよう,発想こそ,読むため,

■知識語彙 61種 101個 (種類率60%) 80点
一番,一緒,仲間,保存,偉大,内外,初心,周囲,問題,団結,基本,大事,大切,失敗,姿勢,学校,実験,幼稚,必要,思考,悪書,意味,成功,成長,技術,指摘,文章,方法,日本,昔話,最初,最後,最新,有名,条件,活用,物事,特徴,現代,理解,生活,発展,発想,発明,登場,知恵,知識,研究,結局,老人,自分,自力,良書,言葉,試行,説明,逆転,過去,電気,首都,馬鹿,

■表現語彙 116種 195個 (種類率59%) 80点
 確か,こと,これ,ころ,さ,そう,それ,たち,とき,ところ,のため,ひとつ,もの,よう,わが国,われわれ,トーマス,プロジェクト,一,一番,一緒,三,二,人,人々,今,仲間,何,保存,偉大,元,全て,内外,初心,前,力,匹,周囲,問,問題,回,団結,圏,基本,壁,多く,大事,大切,失敗,姿勢,子ども,学び,学校,実験,家,幼稚,度,彼,必要,思考,性,悪書,意味,成功,成長,技術,指摘,文章,方,方法,日本,昔,昔話,時,最初,最後,最新,有名,条件,活用,父,物事,特徴,現代,理解,生活,発展,発想,発明,登場,的,知恵,知識,研究,私,積み重ね,笑い,結局,老人,者,自分,自力,良書,言葉,試行,話,説明,読むため,豚,身,身の回り,逆転,過去,電気,首都,馬鹿,

■経験語彙 41種 58個 (種類率71%) 80点
くれる,しまう,せる,つく,つける,つながる,と思う,と考える,に考える,ぶつかる,やる,れる,わかる,を考える,伝える,例える,分かる,助ける,学ぶ,役立てる,得る,忘れる,思い切る,探す,欠く,気づく,求める,溢れる,生きる,示す,立ち上がる,笑う,終わる,続ける,繰り返す,耐える,見かける,解く,言い張る,読む,諦める,

■総合点 89点

■均衡点 8点
 

昔話から学んだことは
   中3 あおてね(aotene)  2025年11月3日

  昔話と老人ということになると、まずわが国の昔話にはよく老人が登場することに気づかれるであろう。実はこのことは日本の昔話のひとつの特徴であり、内外の昔話研究者の指摘しているところである。老人の知恵は思考の逆転の必要性を示している。実は、思い切った発想こそ、われわれが老人のことを考える時に必要なことではなかろうか。私は、 昔話に生き方を学んでいきたい。

 第一の方法として、幼稚だと馬鹿にせず自分のためになるものは無いかと考えること。例えば、発明家、トーマス・エジソンの話がある。エジソンは子どものころ、周囲から幼稚だと笑われるような実験を何度も繰り返した。しかし彼は、人々からの笑いを耐え、「自分のためになるものは無いか」と考え続け、その積み重ねがやがて大きな発明につながった。現代の電気技術などの基本となり、それの発展としたものが今私たちの身の回りに溢れている。また、多くの説明的文章で彼を例えにする文章も良く見かける。偉大の人ほど常に初心を忘れず、最初から大きいプロジェクトを試行しようとせず、最初から成功を求めようとしていないのだと思った。このように、幼いからといって物事を馬鹿にせず、学びを探す姿勢が成長には欠かせないと分かる。

 第二の方法として、昔話の技術や知識を保存し、伝えていく。私が一番最初に昔話から学んだことは、団結力はとても大事だということを学んだ。三匹の子豚という有名な昔話から学んだ。何回か失敗してしまっても、最後の最後には仲間が助けてくれる。一人で何か全てやろうとすると一回大きな壁にぶつかってしまうともう一度立ち上がることは難しい。私も昔、首都圏の有名学校の過去問を一人自力で解くと言い張ったが、問題を読むだけで意味がわからなくなり結局諦めてしまったことがあった。最後には父と一緒に考えながら解いた。団結力の大切さを昔話から学んだとき、これはこれからの生活に役立てそうだと思った。これからも、昔話から得た知識を、理解しただけで終わらせず、自分のためになるように実際に活用していきたいと思った。

 確かに、最新の技術や知識も必要だ。しかし、「悪書を読まないことは、良書を読むための最初の条件である。」という言葉があるように、ほとんどの知識や技術の基本は昔話や昔の人からのものを元にしている。発展的なことを学ぶ前に基本的なことを学び、身につけることで知識や技術がより身につきやすいと考える。