古い物とは

   小6 あさくさ(asakusa)  2025年11月4日

 「ぐーー…バッタン!」

 僕にとって一番古いものは、お兄ちゃんがくれたぬいぐるみだ。お兄ちゃんは学校の修学旅行のような行事でアメフトの試合を観に行った。その日は母の誕生日だった。母はお兄ちゃんにおこづかいを渡し、こう言った。

「自分のために何か一つ記念になるものを買っておいで。」

 お兄ちゃんは母のために誕生日プレゼントを買い、さらに僕にもぬいぐるみを買ってきてくれた。僕はそれを受け取ったとき、嬉しくて笑うことしかできなかった。

 二年前にその話を聞いたけれど、まだお礼を言っていない。だから今度こそ伝えようと思っている。僕はそのぬいぐるみに「ミミちゃん」と名前をつけた。本当は逆だと思う。耳がないからミミちゃんと名付けたらしいが、僕は思わず「逆じゃない?」と言ってしまった。でもまあ、そういうものだろう。

 ミミちゃんは今も僕のそばにいて、いつも一緒に寝ている。ただ、朝になるといつもいなくなっている。寝相が悪すぎて蹴飛ばしてしまうからだ。

 僕が初めてアメリカに来たとき、不安でいっぱいだった。でもミミちゃんがそばにいてくれたおかげで安心できた。アメリカの学校にもなかなかなじめず、すぐ泣いてしまったこともあった。でもミミちゃんを一緒に連れて行ったときは、勇気を出すことができた。

 人間にとって「古いもの」とは、記憶に残っている大事なものなのだと思う。お兄ちゃんがぬいぐるみをくれたのは、僕が一歳前後のころ。僕にとって一番古いものだけれど、絶対に忘れられない。だから「古いもの」とは、記憶に残る大切なものなのだ。

「あー、またミミちゃん蹴飛ばしてる!」

 今日も寝相の悪さで、ミミちゃんを蹴飛ばしてしまったようだ。