言葉による影響

   中2 りょう(akataro)  2025年12月1日

 スポーツなどの専門分野で使われる特別な言葉は、実際に経験しないと言葉の意味に従って体を動かすことができない。逆に、「失敗するかもしれない」と思ってしまうとそれが過去の失敗の経験と結びつき本当に失敗してしまう。以前に成功した経験が脳の働きと結びつき、成功を重ねることになる。人間は常に自己暗示によって行動しているのである。

 まず初めに、言葉は行動にプラスの影響を与える。僕も、野球の試合中などでマウンド上でバッターと対峙しているときに、チームメイトからのアドバイスをもらうとそのバッターを抑えられる。改めてアドバイスが与える影響を知ることができる。アドバイスによって自分のパフォーマンスについて見直すことができ、更に良いパフォーマンスができるようになるのである。「成績は出ているから今の自分でいいんだ、という評価を自分でしてしまっていたら、今の自分はない。」というイチローの言及からも読み取れるが、自分で今の自分に満足していてはいけない。常に他人からのアドバイスに耳を傾けて、更に良いものを目指すことが大切なのである。

 しかし、言葉が行動にマイナスの影響を与えることもある。「鶴の恩返し」という昔話があるが、これは鶴が助けてもらったお礼として恩返しをするという昔話である。しかし、鶴が「決して見ないでください」と言っても、見てしまったのである。これは、「決して見ないでください」と言っても見てしまうという、「人間の弱さ」を暗示している。人間は弱いのである。初めは罠にかかった鶴を助けるという「良心」があったものの、後に自らの内に潜む「好奇心」や「欲望」などの弱さがさらけ出し、最も大切な存在を失ってしまうという教訓である。これらの教訓は、今も私たち人間が見習うべき非常に大切な教訓だと思う。

 総じて、言葉は大きな力を秘めている。しかし、「思考に気をつけなさい、それは、いつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それは、いつか行動になるから。」というラルフ・ワルド・エマーソンの名言があるように、最も大切なことは一言の重みを十分に理解し、より良い人格を形成していくことである。勿論言葉が全てではないが、言葉による行動の変化というのは絶大である。そんな大きな要因となる言葉は、私たちの日常生活においても非常に大切なことである。私たちは日頃の日常会話から話す一言一言に注意し、気にかけなければならないのである。