交話機能というのは
中2 あこうあ(akoua)
2025年11月4日
交話機能とは、ことばがもつ、人と人の気持ちを結びつける作用を指すものである。見知らぬ人に出会ったとき、私たちはなんとなく不安な気持ちになり、緊張することがある。そんなとき、思いがけなく相手が一言「こんばんは」とか「いい天気ですね」などと声をかけてくれると、急に気が楽になって思わず弾んだ声で挨拶を返してしまう人は多いと思う。このように、他人に出会うと、心の中に警戒、不安、恐れなどの気持ちが多少なりとも生まれるものである。交話機能とは人々が本格的な対話関係に入るための心の波長を合わせるために行うものである。
確かに言葉には潤滑油としての役割があり、それを活かしていくことが大切だ。私も、最近英検を受けた。今までは自分の通っている塾で試験を受けていたので、初めて他の地域の会場に行ったとき、とても緊張していた。しかし、会場に入った途端会場にいるスタッフの方が、すぐに挨拶をしてくれ、今までの緊張が少しやわらいだ。また、中学校2年生になった今年、新しいクラスで、元々別の小学校から来て、一年生の時に違うクラスだった人と、近くの席になった時、話したことがないので、気まずさがあったが、その人と挨拶をしてみると、意外と話が合い、今ではとても仲の良い親友の一人になった。
しかし、潤滑油としても機能だけで、中身のない話ばかりというのも困る。幕末に鹿児島の薩摩藩と、山口の長州藩は土佐藩の坂本龍馬を仲介して同盟を結んだが、同盟を結ぶことになる集まりの前、薩摩藩と長州藩は同盟を結ぶために以前にも集まっていたそうだ。しかし、薩摩藩は一向に同盟を結ぶ本題に入らず、結局酒を飲むだけで同盟を結ぶことには至らなかったという。潤滑油は、相手に踏みよるための第一歩にはなるが、この場合は、お互いのプライドを捨てずに、ただ酒を飲んだだけだから、潤滑油としての役割である相手に踏みよるための第一歩にもならなかったことだろう。私も、先述したように、英検の会場で挨拶をしてもらった時は、すごく安心したが、飲食店などで、マニュアルに沿い、商品の棚を整理しながら「いらっしゃいませー」と言われても特に何も思わない。もちろん、「いらっしゃいませー」と言われないよりかはマニュアル通りに「いらっしゃいませー」と言われる方が嬉しいが、潤滑油としての役割を果たすには気持ちを込めた言葉が必要なのだ。
このように、言葉には、潤滑油としての働きと、内容を伝える働きの両方がある。しかし、大事なことはその二つの働きが対立しているのではなく、お互いに助け合っているということである。「トランプが生きているのは、それが実際のプレーに使われているときである。」という言葉もあるように、いくらいい中身を持っていても、それが使われなければ、役割を果たしたことにはならない。私も、今度職場体験で近くの小学校に行くため、しっかりと潤滑油と中身を使い分け、自分も相手の小学生や先生も緊張している最初は、軽く笑顔で挨拶をし、少しずつ距離を縮め、挨拶をするだけではなく、先生たちに、どのような思いで仕事をしているのかを聞いたり、生徒たちに自分の背中を見せることで職業体験を有意義な時間にし、自分らしさを表現したい。