遅刻(ちこく)して教室に入るときの恥ずかし(はずかし)さや、周囲に迷惑(めいわく)をかけたことへのいたたまれなさが情景描写(びょうしゃ)からつたわり、社会における遅刻(ちこく)弊害(へいがい)とあわせて考えたことがうまく書けました。(講評途中(とちゅう))

★書き出しの結び 書き出しの【家を飛び出した】という動作に対応し、よしたかさん、あなたの作文はとても丁寧(ていねい)に気持ちが伝わってきます。まず、遅刻(ちこく)した朝の緊張(きんちょう)感や焦り(あせり)を具体的に描写(びょうしゃ)しているところが素晴らしいです。靴音(くつおと)や先生のため息など、細かい表現が情景を生き生きと感じさせてくれます。時間に遅れる(おくれる)ことが周囲にどんな影響(えいきょう)与える(あたえる)のか、学校の小さな世界から大人の社会まで広げて考えている点もよくできています。ニュースの話を取り入れて、時間の大切さを深く理解していることが伝わりました。さらに、遅刻(ちこく)を単なる失敗ではなく、自分を成長させるきっかけとして前向きにとらえている姿勢(しせい)がとても立派(りっぱ)です。最後に「油断大敵」という言葉を心に置くという決意も、作文に力強い締めくくり(しめくくり)与え(あたえ)ています。全体を通して、時間を守ることの意味をしっかり考え、自分の言葉で表現できていることがよかったです。これからも、感じたことや考えたことを大切にして、文章を書き続けてください。

項目(こうもく)評価】
是非(ぜひ)の主題がよく書けています。
理由がよく書けています。
体験実例がよく書けています。
反対意見の理解がよく書けています。

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1088字/1200字
思考点:69点
知識点:81点
表現点:83点
経験点:116点
総合点:79点
均衡(きんこう)点:-7点

 


■思考語彙 17種 17個 (種類率100%) 69点
。もちろん,いこう,が思う,せざる,だから,つなげるため,と思う,ないため,は単なる,下りると,忘れざる,整えるため,明日こそ,深いため,落ち着かざる,行為こそ,遅れれば,

■知識語彙 63種 91個 (種類率69%) 81点
丁寧,不注意,世界,予定,予感,以上,信頼,先生,全体,努力,医療,周囲,呼吸,坂道,大事,大人,大切,失敗,姿勢,学校,小学生,年齢,影響,意味,意外,意識,態度,成長,救急,教室,方法,明日,昨日,時間,普段,枕元,校門,歩幅,歯車,油断大敵,活動,準備,独特,現場,生活,痛感,瞬間,確実,社会,空気,結果,自分,行為,視線,言葉,計算,誠実,遅刻,遅延,関係,集団,電車,靴音,

■表現語彙 121種 185個 (種類率65%) 83点
きっかけ,こと,さ,ずれ,たち,つなげるため,とき,ないため,みたい,よう,クラス,チャイム,ニュース,ミス,ランドセル,リズム,丁寧,不注意,世界,中,予定,予感,二,人,今,以上,会,係,信頼,僕,先生,全体,分,分の,前,力,努力,医療,印,友だち,周り,周囲,呼吸,命,坂道,多く,大事,大人,大切,失敗,奥,姿勢,子ども,学校,家,小学生,年齢,度,張り,当たり前,影響,心,思いやり,息,意味,意外,意識,態度,成長,手,救急,教室,数,整えるため,方法,明日,昨日,時間,普段,朝,枕元,校門,歩幅,歯車,残り,気持ち,油断大敵,活動,流れ,深いため,準備,点,焦り,独特,現場,生活,痛み,痛感,真ん中,瞬間,確実,社会,空,空気,結果,胸,自分,行為,視線,言葉,計算,誠実,遅れ,遅刻,遅延,関係,集団,電車,霧,静か,靴音,

■経験語彙 65種 75個 (種類率87%) 116点
かかる,が思う,くぐれる,くれる,ざわつく,しまう,す,ずれる,せる,つなげる,と思う,のしかかる,られる,れる,下りる,与える,乱す,似る,信じる,分かる,切らす,刻み込む,取り組める,受け止める,向かう,向ける,変わる,守る,寝る,崩す,張り詰める,張る,強まる,忘れる,急かす,急ぐ,悔やむ,感じる,支える,整える,止まる,気づく,決める,消える,澄む,狂わせる,生む,知る,積み重ねる,築く,終わる,続ける,置く,落ち着く,返す,迫る,進む,進める,遅れる,関わる,響く,飛び出す,飛び込む,駆ける,驚く,

■総合点 79点

■均衡点 -7点
 

遅刻
   小6 よしたか(yositaka)  2025年12月1日

  ランドセルがいつもより重たく感じられたあの朝、僕は普段より少し速い歩幅で家を飛び出した。空はやけに澄んでいるのに、胸の奥だけはざわついて落ち着かず、気持ちの中に薄い霧がかかっているようだった。チャイムまでの残り時間を急いで計算するほど焦りは強まり、枕元で二度寝した自分をいくら悔やんでも、迫ってくる遅刻の予感は消えてくれない。校門へ向かう坂道を駆け下りると、自分の靴音が「早くしろ」と急かしてくるみたいに響き、息を切らしながら教室へ飛び込む瞬間、クラスの視線が一気に僕へ向けられるあの独特な空気が胸にのしかかった。先生の深いため息は、小学生の僕でもはっきり分かるくらい重く、時間に遅れるという行為が、人の気持ちや流れにどれほど影響するのかを痛感させた。あの朝の張り詰めた空気は、子どもである僕にも「時間の厳しさ」を静かに刻み込んでいった。 学校という小さな世界でも、時間に遅れることの影響は意外なほど広い。朝の会が少しだけずれただけで教室の空気の張りが変わり、係活動に遅れれば準備を進めていた友だちの手が止まってしまう。わずかな遅れが全体の流れを乱すという意味では、大人の社会と驚くほど似ている。電車の数分の遅延が多くの人の予定を狂わせることや、医療や救急の現場で数分が大きな結果を生むことをニュースで知ったとき、僕は「時間を守る」という行為の重さを今まで以上に意識するようになった。もちろん、僕たち小学生の生活に命が関わるようなことはない。それでも、集団のリズムを乱すきっかけになるという点は決して軽くなく、遅刻は単なる不注意ではなく、周囲との呼吸を崩す小さな歯車のずれなのだと気づかされた。自分が思っているよりも、時間への態度は人との関係に静かに影響を与えているのだ。

だから僕は、遅刻を「よくあるミス」で終わらせず、自分を整えるための大事な印として受け止めたいと思うようになった。昨日の失敗を明日へつなげるためにも、そして周りの人への思いやりを忘れないためにも、時間を守る姿勢を丁寧に積み重ねていこうと心に決めている。時間に誠実であることは、年齢に関係なく信頼を築く最も分かりやすい方法だし、小学生の僕でも確実に取り組めることだ。遅刻したときの胸の痛みを忘れぬよう、少しずつでも自分を前に進ませる努力を続けていきたい。そして同じ失敗をくり返さないよう、油断大敵という言葉を心の真ん中に置き、明日こそは胸を張って校門をくぐれるようにしたい。時間を大切にするという、一見当たり前のようでいて実は難しい行為こそ、これからの僕の成長を支えてくれる力になると信じている。