言葉の力とは

   中3 あおてね(aotene)  2025年12月1日

  「国際化」とは一体何だろうか。わけもわからずこの言葉を合言葉にように振り回して、日本を一定の方角へ闇雲に駆り立ててしまう前に、いま冷静に踏み止まって言葉の意味を問い直し、その用法を吟味し、他国との比較を試み、その上で進むべき方向を模索しても遅くはないのではなかろうか。私は、言葉に愛を込められるような生き方をしたい。

 第一の方法として、相手の情報などを覚え、失礼のないようにする。車の会社、ホンダをつくった本田宗一郎という人は、社長という立場でありながら、工場で働く若い作業員の名前までよく覚えていたのだ。そして、ただ名前を知っているだけでなく、会えば「○○くん、どうだい?」と必ず名前で声をかけていたそうだ。さらに、本田さんは作業員たちの意見にも真剣に耳を傾けたのだ。立場に関係なく一人ひとりを大切にする姿勢が、社員との信頼関係を強め、ホンダのものづくりの力を支える大きな原動力になったと言われている。確かに、声をかける時上司や社長から「さん」付けで呼ばれると緊張してしまうが、「くん」と呼ぶことで距離を縮め、社員からより本音を聞き出しやすくなるように工夫しているのだとわかった。私も、彼に見習いこのことからも、相手の名前を覚え、失礼のないようにし、良い人間関係をつくっていきたいと思った。

 第二の方法として、国同士の間でも言葉を尊重する。ある日、英語が嫌いな友達と学校の廊下を歩いていると学校のAETの先生とすれ違った。AETの先生にすれ違うと必ず英語で「ハロー」という。ハローと言われた生徒は、また「ハロー」と返す。すると英語が嫌いな友達が「ここ日本だから英語じゃなくて日本語を話せよ」と言った。私は少し微笑んだが、心の中では、いいたいことや気持ちはわかるが、言い過ぎじゃないかと私はその時思った。後々考えてみたら、その友達の口調は強いが、言っていることは納得するようになった。自分の国の言語でこんにちは、と言われるよりも日本語で「こんにちは。」と言われた方がうれしく感じる。また、AETの先生が日本語を使いこなしていたり、少し引っ掛かりはあるが日本語を話していると、日本に興味があるのかなと感じる。言語はただただ使うのではなく、工夫することで相手に対する伝わり方も全然違うことに気づいた。これぐらい言語には力があるのだなと改めて気づいた。私も使う相手に対して工夫していきたいと思った。

 確かに、言葉だけではなく記号や数字などを使うことも大切だ。しかし、「家とは、外から見るためのものではなく、中で住むためのものである。」という言葉があるように、言葉には、記号や数字だけでは言い表せられない特徴がある。また、勉強していろいろな言語を習得することで世界各地の人々とコミュニケーションができる力もある。だから、私は言葉に愛を込めてこれからの生活に役立てていきたい。