「言葉に愛を込める」という姿勢が文章全体にしっかり表れていて、とても心に残りました。進級試験合格です
＜＜え2005/54み＞＞
【総評】
「国際化」や「言葉の力」という広いテーマを、身近な体験から丁寧に掘り下げ、深く考察しているすばらしい意見文です。冒頭で問題提起を明確にし、具体例として本田宗一郎氏やAETとのやりとりを取り上げながら論を展開する構成は、説得力と読みやすさを兼ね備えています。特に、相手の名前を覚える大切さや、言語選びの工夫にまで視点を広げた点に、他者への思いやりと観察力が感じられました。
【段落ごとの講評】
第1段落:「国際化」という抽象的な主題を自分の言葉で疑問として提示し、「言葉に愛を込められるような生き方」という主張にうまくつなげています。問題提起の姿勢が大変よく、読み手を引き込む導入になっています。
第2段落:本田宗一郎の具体例を取り上げ、「名前を覚える」ことの意味を深く掘り下げています。人物名を出すことで説得力が増し、ビジネスの現場でも通用するような内容になっています。自分の気づきも丁寧に述べられており、単なる例示にとどまらない深みがあります。
第3段落:自分の友達とのやりとりを題材に、言葉選びの大切さを考察しています。相手の意見を一度否定するのではなく、自分の中で再解釈し、共感と批判をまじえながら冷静に捉え直す姿勢がすばらしいです。また、「言語の工夫が伝わり方を変える」という洞察には、国際的な感覚が育っていることがうかがえます。
△少し微笑んだ→少し苦笑したが でもいいですね。
第4段落:結論として、「言葉」と「記号や数字」とのちがいを対比させながら、「言葉の特別な力」を再確認するまとめ方が見事です。「家」のたとえを通じて、読者に印象的なイメージを与え、主張を印象深く伝えることに成功しています。
【特に優れていた点】
・冒頭で問題提起を行い、論理的に展開している
・具体的な事例を用いて説得力を持たせている
・他者の意見を尊重しつつ、自分の視点をしっかり持っている
・たとえを使った表現で、抽象的な主張を具体的に伝えている
【考えを深めるための質問】
これから「言葉に愛を込めて生きる」ために、日常の中でどんな言葉をどんなふうに使っていきたいですか?
字数/基準字数:1209字/1000字
思考点:74点
知識点:80点
表現点:81点
経験点:82点
総合点:86点
均衡点:7点
■思考語彙 19種 22個 （種類率86%） 74点
確か, 第,。しかし,。だから,。確か,いると,すれ違うと,だから,だろう,と思う,なかろう,わからざる,会えば,住むため,後々考える,時思う,相手に対して,見るため,進むべき,
■知識語彙 62種 105個 （種類率59%） 80点
一定,一郎,上司,世界,人間,他国,会社,作業,信頼,先生,冷静,勉強,原動力,友達,口調,各地,合言葉,同士,名前,吟味,大切,失礼,姿勢,学校,尊重,工場,工夫,廊下,情報,意味,意見,数字,方向,方法,方角,日本,日本語,本田,本音,模索,比較,特徴,生徒,生活,用法,相手,真剣,社員,社長,立場,納得,緊張,習得,自分,興味,英語,言葉,言語,記号,距離,関係,闇雲,
■表現語彙 117種 195個 （種類率60%） 81点
確か,。確か,いま,いろいろ,くん,ここ,こと,これ,さん,そう,たち,だい,づくり,もの,よう,わけ,コミュニケーション,ハロー,ホンダ,一,一人ひとり,一定,一郎,上,上司,世界,中,二,人,人々,人間,他国,付け,会社,住むため,何,作業,信頼,先生,冷静,前,力,勉強,原動力,友達,口調,各地,合言葉,同士,名前,吟味,員,問い直し,国,声,外,大切,失礼,姿勢,嫌い,学校,宗,家,尊重,工場,工夫,廊下,引っ掛かり,彼,後々,心,情報,意味,意見,愛,数字,方,方向,方法,方角,日,日本,日本語,時,本田,本音,模索,比較,気持ち,特徴,生き方,生徒,生活,用法,相手,真剣,社員,社長,私,立場,納得,緊張,習得,耳,自分,興味,英語,見るため,言い過ぎ,言葉,言語,記号,距離,車,間,関係,闇雲,
■経験語彙 42種 62個 （種類率68%） 82点
かける,しまう,すれ違う,つくる,できる,と思う,られる,れる,わかる,会う,伝わる,住む,使いこなす,使う,傾ける,働く,呼ぶ,強める,役立てる,後々考える,微笑む,感じる,振り回す,支える,時思う,歩く,気づく,知る,縮める,聞き出す,見習う,覚える,言い表せる,試みる,話す,話せる,踏み止まる,込める,返す,進む,違う,駆り立てる,
■総合点 86点
■均衡点 7点
言葉の力とは
中3 あおてね（aotene）
2025年12月1日
「国際化」とは一体何だろうか。わけもわからずこの言葉を合言葉にように振り回して、日本を一定の方角へ闇雲に駆り立ててしまう前に、いま冷静に踏み止まって言葉の意味を問い直し、その用法を吟味し、他国との比較を試み、その上で進むべき方向を模索しても遅くはないのではなかろうか。私は、言葉に愛を込められるような生き方をしたい。
第一の方法として、相手の情報などを覚え、失礼のないようにする。車の会社、ホンダをつくった本田宗一郎という人は、社長という立場でありながら、工場で働く若い作業員の名前までよく覚えていたのだ。そして、ただ名前を知っているだけでなく、会えば「○○くん、どうだい？」と必ず名前で声をかけていたそうだ。さらに、本田さんは作業員たちの意見にも真剣に耳を傾けたのだ。立場に関係なく一人ひとりを大切にする姿勢が、社員との信頼関係を強め、ホンダのものづくりの力を支える大きな原動力になったと言われている。確かに、声をかける時上司や社長から「さん」付けで呼ばれると緊張してしまうが、「くん」と呼ぶことで距離を縮め、社員からより本音を聞き出しやすくなるように工夫しているのだとわかった。私も、彼に見習いこのことからも、相手の名前を覚え、失礼のないようにし、良い人間関係をつくっていきたいと思った。
第二の方法として、国同士の間でも言葉を尊重する。ある日、英語が嫌いな友達と学校の廊下を歩いていると学校のＡＥＴの先生とすれ違った。ＡＥＴの先生にすれ違うと必ず英語で「ハロー」という。ハローと言われた生徒は、また「ハロー」と返す。すると英語が嫌いな友達が「ここ日本だから英語じゃなくて日本語を話せよ」と言った。私は少し微笑んだが、心の中では、いいたいことや気持ちはわかるが、言い過ぎじゃないかと私はその時思った。後々考えてみたら、その友達の口調は強いが、言っていることは納得するようになった。自分の国の言語でこんにちは、と言われるよりも日本語で「こんにちは。」と言われた方がうれしく感じる。また、ＡＥＴの先生が日本語を使いこなしていたり、少し引っ掛かりはあるが日本語を話していると、日本に興味があるのかなと感じる。言語はただただ使うのではなく、工夫することで相手に対する伝わり方も全然違うことに気づいた。これぐらい言語には力があるのだなと改めて気づいた。私も使う相手に対して工夫していきたいと思った。
確かに、言葉だけではなく記号や数字などを使うことも大切だ。しかし、「家とは、外から見るためのものではなく、中で住むためのものである。」という言葉があるように、言葉には、記号や数字だけでは言い表せられない特徴がある。また、勉強していろいろな言語を習得することで世界各地の人々とコミュニケーションができる力もある。だから、私は言葉に愛を込めてこれからの生活に役立てていきたい。