言葉に影響する行動

   中2 あけみお(akemio)  2025年12月1日

 私たちは「手を上げよう」と思えば手が上げられる。同じことをするときに「失敗するかもしれない」と思うと本当に失敗してしまう。これが前よりひどく失敗することもある。私たちは自己暗示によって行動している。また、成功する人が「失敗する気がしない」と自信満々なのは、成功した経験があると、そのときの脳のはたらきがひとりでに進行して、成功を重ねることができるからだ。

 確かに、言葉が行動にプラスの影響を与える面はある。例えば、野球の選手とコーチの間では「もっと腰を入れろ」というアドバイスですぐにポイントが伝わるだろう。そういう言葉の役割を生かしていくことが必要だ。私にも、こんな経験がある。この前、高校でピアノのワンポイントレッスンを受けた。モーツァルトのピアノソナタを弾いていて、その中の左手のオクターブを弾いていたときに、先生から「指先だけで押さないで少しだけ腕の重みを使って落とす」とアドバイスをいただいた。この曲は、左手のオクターブに重みが欲しいが、軽やかさや透明な感じを失いたくない曲だと感じる。私はその先生の一言で音の作り方が理解できた。そのおかげで響き方が変わったと思う。このように、言葉で行動にプラスの影響を与えることができる。

 しかし、言葉が行動のブレーキになることもある。例えば、失敗したらどうしようと思うと失敗しやすくなる。昔話の桃太郎は、犬や猿やキジにキビ団子をあげるときに次のように歌っている。「あーげましょう。あげましょう。これから鬼の征伐についてくるならあげましょう。」既にこのときに、桃太郎の頭の中には、「鬼の征伐」という成功イメージが言葉として定着していたのである。これがもし、「これから、鬼との勝つか負けるかわからない厳しい戦いに着いてくるならあげましょう」などと歌っていたら、だれも着いてこなかっただろう。私も似たようなことがある。先ほどの高校でのピアノのワンポイントレッスンの話だが、知らない先生に教えていただくので緊張で私が「やだ、やりたくない!」と言っていた。すると母に「否定的なことを言っていると本当にダメになるよ」と注意されてしまった。そこで私は気持ちを切り替えて「楽しもう!」と思ってレッスンを受けた。終わってみると、とても楽しく有意義な時間を過ごすことができた。このように、言葉に出すと行動がそれに伴うのだと実感した。

 確かに言葉には大きな力がある。しかし、大切なのは、言葉自体にあるのではなく、その言葉を実感できるような体験をしていくことだと私は思う。そのためには、小さなところから成功体験を積み重ねていくことが必要だ。「短所をなくすいちばんよい方法は、今ある長所を伸ばすことである」という言葉があるように、言葉の持つプラス面を生かしていけば、そのマイナス面も自然になっていくはずである。これから私は、「失敗したらどうしよう」などのマイナスな考えはあまりしないようにし、失敗を恐れずに何ごとにもとらわれずに行動していきたいと思う。