もうすぐ、下がるよ
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年月日
何をするにしろ、どうしたら失敗するのかということを知っていて、失敗することはほとんどないであろうが、どういうわけか失敗してしまう。「失敗は成功の母」ということわざもあるように、失敗を続けていくことによって、脳も成長していくのが自然の働きである。ところが失敗を恐れていると、脳も人間も成長しない。
「言葉に出すことと現実は関係がある」という意見がある。わたしは、「就学旅行に行けなかったらスキンヘッドにする」とみんなに公言していた。結果は行けなかった。否、行かなかった。こういうのも小さな反抗心だ。実際スキンヘッドにはしなかったが、ショートカットにした。さらに三回目の入院をした。そして現在入院中である。そして、もうひとつ。わたしは、テンションがものすごく高い日がよくある。そういうとき、病棟のみんなにこう言う。「もうすぐ(テンション)下がるよ」と、天気の子風にいう。そしてもちろん下がって自傷行為をしてしまうのがお決まりである。筆記用具はナースステーションに預けているのに、手の甲を嚙んだりしてしまう。そして看護師さんに詰められる。
「言葉と現実は関係ない」という意見もある。「人間無情」という東北地方のむかしばなしがある。この話は、ある人に背かって洪水から旅人、狐、蛇を助けた元々医者だった人が、その助けた狐と蛇と旅をすることになる。その男のことをねたんだ旅人が、よくない噂を流したが狐と蛇がそれを守る。結局、人間よりも動物の方が言葉の通りなのだ。
「言葉に出すことと現実は関係がある」ということもあるし、「言葉と現実は関係ない」こともある。だがしかし一番大切なことは、悩みを言葉に出すことだ。「心の風通しを良くしておきましょう。誰にも悩みを聞いてもらえずうつむいていると病気になります。信頼できる人に相談して、心をすっとさせましょう。」という小説家・瀬戸内寂聴さんの名言もあるように、悩み相談を必要に応じてすることが大切だ。