朝寝坊
小6 あこりお(akorio)
2025年12月1日
「理央ー!」
下の階から母の焦った声がする。まだ大丈夫、まだ大丈夫。だって今は、まだ七時十分。今起きればギリギリ余裕で学校に間に合う。
「理央ー!」
まだ大丈夫、まだ大丈夫。念のため、時計を確認する。七時二十分だった。これが、私の一日の始まりだ。
私は最近、よく寝坊をする。委員会の集まりがある金曜日以外は、毎日二度寝、三度寝の誘惑にかられ、遅刻ギリギリで学校に行っている。特に最近、冬になると、布団が私を飲み込み、意地でも離さない。目覚まし時計がなると、私は目が覚める。正確には、「目が覚めても起きない」のだが。一ヶ月ほど前にいつも通り寝坊した時は、学校に初めて遅刻し、愛想を尽かした母に学校に電話させられた。これにはとても驚いた。私は校区外の学校に通っていて、いつもは父に車で途中まで送っていってもらっている。しかしその日は、起きたのはほとんどいつも通りの時刻だったのに、父の仕事の都合があり、寝坊してはいけない日だったのだ。私は学校まで歩いて行くことになり、遅刻の電話を学校にかける羽目になった。これは苦い経験だった。もう二度と電話をかけなくて済むように、それから一週間ぐらいは早起きを心がけた。それから「一週間ぐらいは」。喉元過ぎれば暑さ忘れるというのだろうか。私はすっかり、元の寝坊体質に戻ってしまった。そして最近、まるで真冬のように寒い朝が到来し、私はすっかり布団とお友達になってしまった。私が今起きられない理由は、目が覚めないというわけではなく、寒いからだ。冬のみかんも、私の住んでいる地方では降らない雪も、重ね着をすれば暖かい冬も大好きなのだが、朝の寒さには勝てない。どうすれば私は起きられるのだろうか。
母に助言を求めてみた。すると、「条件反射と気合」だと言われた。母の子供の頃を聞くと、祖父母が家に住んでいて、朝早くから活動していたり、家の隣の神社のラジオ体操などに参加していたから起きることが習慣化して体に馴染んでしまったのだそうだ。その話を聞いて、三つ子の魂百までだと思った。そして、今子供のうちに早起きの習慣をつけておかないと、大人になっても寝坊する大人になってしまうのかな、と気づいた。
人間にとって朝とは、一日の質が決まる大切な「時」である。毎朝子供の頃から早起きしていた母は、とても健康だ。私は、「早起きは三文の徳」という諺もあるように、早起きは生活リズムを作り、健康な体を育てるということがわかった。「気合と条件反射」。母に聞いた時は、それは母だからできるのではないかと思ったが、まずは挑戦が大切だ。
よし、寒いけど起きるぞ。私は、母の言っていた「気合」で体を起こし、私は一日を始める。