心のカイロ、ふわふわちゃん
小4 ちぴ(asatihi)
2025年12月1日
「心のカイロ、ふわふわちゃん」
「おやすみなさーいっ。」
私は両親にあいさつすると、おふとんにもぐりこみ、そばにあったタオルケットをなでます。実はこれ、ただのタオルケットではないのです。
私の宝物は、赤ちゃんのころに母の知り合いにもらった、ふわふわタオルケットです。サンリオキャラクターの「ポムポムプリン」が小さく刺繍されています。私は寝相が少し悪く、おふとんから脱出してしまうこともしばしばです。しかし、かぜはひきません。宝物のタオルケット、「ふわふわちゃん」があるからです。どんなに寝相が悪いときでも、ふわふわちゃんは私と一緒に寝ていました。そんなこともあるので、一緒にいると心身ともにあたたまるような気がしてくるのでした。やさしく、ほんわりと私のことを包んでくれます。そう、まるでカイロのように。起きているときも、旅行に行くときも、ふわふわちゃんを抱えていました。
母にインタビューしてみました。
「小さいころから大切にしているものって何?」
私が予習シートに取り組みながら尋ねると、母は一瞬考えこみ、答えを出しました。
「学生時代の写真かなぁ。あれを見ていると、思い出がよみがえってくるんだよ。なんかなつかしくてね、心があったまるの。」
それをきいて、私はふわふわちゃんと同じだと思いました。思い出がよみがえってくる。母はそう言っていました。私のタオルケットも同じかな、と共感する気持ちがあります。赤ちゃんのころ、ふわふわちゃんをにぎり、泣きわめいた時、五歳のころ、ふわふわちゃん、と名前をつけたこと。私も思い出がつまっているものを持っているんだと思うと、とてもうれしくなりました。母の写真は、きっと「思い出の写真」なんだと思います。そして私のタオルケットは「心のカイロ」だと思っています。
宝物とは、思い出のつまるものだと思います。人によって、宝物は違うと思いますが、決して新品である必要などないと思っているのです。一緒にいると安心できる、なつかしい、など持ち主だけが感じられる気持ち、それが宝物です。これからもそんな宝物に出会えるといいな。そんなことを考えながら、ふわふわちゃんをなで、私は静かに眠りに落ちました。