挑戦(ちょうせん)や失敗について、あなた自身の経験や昔話、社会の出来事を使って深く考えられていて、とても感心しました。

<<え2015/139pみ>>

【総評】
 この作文は、「挑戦(ちょうせん)や経験における失敗」をテーマに、2つの異なる意見を丁寧(ていねい)紹介(しょうかい)した上で、最終的に自分の視点をしっかりと提示できていました。特に、野球の失敗体験の描写(びょうしゃ)は生々しくリアルで読み手に強い印象を与え(あたえ)ます。また、「三(ひき)の子(ぶた)」や地震(じしん)の例を使って社会的な広がりをもたせた構成も、中学生らしい視野の広がりを感じさせました。最後の段落では、意見AかBかにとらわれず、別の視点を提示しており、中学二年生の指導項目(こうもく)である「意見の総合化」がしっかりとできています。

【段落ごとの講評】
第1段落:冒頭(ぼうとう)では、行動と感情、意識と無意識の関係について、自分なりの観察をもとに論を展開しており、興味を引く導入となっています。最後に「失敗の感情」「挑戦(ちょうせん)の意義」といった問題提起をする形で、自然に次の段落への導入ができています。

第2段落:自らの野球での失敗体験を使い、挑戦(ちょうせん)による失敗がネガティブ思考につながる例を具体的に描い(えがい)ています。「受け身の姿勢になった」「三日ぐらい引きずった」といった描写(びょうしゃ)は、失敗の心理的影響(えいきょう)をよく表現しています。

第3段落:昔話「三(ひき)の子(ぶた)」や実際の地震(じしん)被害(ひがい)の変化を例に、経験から学ぶ意義をわかりやすく説明しています。異なるスケール(物語→個人→社会)で考察を深めている点は、思考の広がりが感じられ素晴らしいです。

第4段落:意見AとBをふまえた上で、「目的を考えることが大切だ」と新しい観点から結論づけており、主題の「総合化」ができています。やや表現が複雑になっている部分もありますが、伝えたい思いは十分に伝わってきます。

【特に優れていた点】
・自分の失敗体験を正直に描き(えがき)、説得力を持たせている
・昔話や社会的事例を用いて、広い視点から意見を深めている
・対立する2つの意見を公平に扱い(あつかい)、自分の結論へとつなげている

【考えを深めるための質問】
 もし次に大きな失敗をしてしまったとき、あなたはどんな言葉を自分にかけたいと思いますか?

△「大きくやらかした」は口語的すぎるので、「大きなミスをしてしまった」のように書くと良いでしょう。
△最後の一文にねじれが生じているので確認しておきましょう。

字数/基準字数:1181字/1000字
思考点:74点
知識点:75点
表現点:80点
経験点:71点
総合点:82点
均衡(きんこう)点:7点

 


■思考語彙 19種 23個 (種類率83%) 74点
 確か,。しかし,。一方,。確か,あるから,あるべき,からこそ,そのため,たため,だろう,と思う,なければ,について考える,を考える,上げよう,出来ざる,壊れざる,形によって,思うば,

■知識語彙 54種 100個 (種類率54%) 75点
一番,一部,不安,今後,修正,側面,冷静,判断,動作,同点,地震,場面,大事,大切,大変,大震災,失敗,姿勢,対策,後世,思考,意見,意識,感情,成功,成長,挑戦,日本,昔話,最終,最近,機能,淡路,準決勝,無意識,無茶,熊本,発展,目的,簡単,素材,経験,能登半島,自分,自身,表面,被害,試合,課題,過去,野球,関東大震災,阪神,頑丈,

■表現語彙 115種 209個 (種類率55%) 80点
 確か,。確か,いろいろ,うち,こと,ことば,これら,そこ,そのため,その後,それら,たため,たち,とき,ところ,なん,ほか,もの,よう,わけ,わら,チームメート,ネガティブ,レンガ,一,一つ,一番,一部,三,不安,事,二,二つ,人,今後,何,何かしら,例,修正,俺,側面,冷静,判断,前,動作,化,匹,受け身,同点,周り,回,地震,場面,塁,大事,大切,大変,大震災,失敗,姿勢,家,対策,形,後,後世,思考,意見,意識,感情,成功,成長,手,挑戦,数,日,日本,明らか,昔話,最終,最近,木,機能,次,津,淡路,準決勝,点,無意識,無茶,熊本,発展,的,目,目の子,目的,私,簡単,素材,経験,考え,能登半島,脳,自分,自身,表面,被害,試合,誰,課題,豚,過去,野球,関東大震災,阪神,頑丈,

■経験語彙 35種 62個 (種類率56%) 71点
あげる,いける,しまう,できる,と思う,なくなる,について考える,はたらく,やらかす,やる,られる,れる,を考える,上がる,上げる,作る,出る,出来る,含む,壊れる,学ぶ,引きずる,怒る,打てる,抑える,持つ,減る,生かす,直す,知る,終わる,結びつく,繋がる,走る,起きる,

■総合点 82点

■均衡点 7点
 

私たちは、手をあげようと
   中3 まさゆき(akiroma)  2025年12月1日

 私たちは、「手を上げよう」と思えば手が上げられる。実際に手を上げた経験があって、それと「手を上げる」ということばとが結びつく。そこから脳機能が無意識のうちにはたらいて、ひとりでに手が上がる。要するにある動作を意識して、その経験から発展して、無意識のうちにすることができるようになる。一方、何をするにしろ、どうしたら失敗するか、ということを知っていて失敗することはめったにない。しかしどういうわけか失敗してしまう。その失敗から、「やばい」などの不安感情も出てくる。このようにできたことや失敗したことにはいろいろな感情が含まれる。では、失敗したときの感情はどうあるべきなのだろうか。また挑戦や経験は大事なのだろうか?

 一つ目の意見は、経験や挑戦で失敗をすることは、また失敗をしてしまうというネガティブ思考に繋がるという考えである。確かに誰でも何かしらで失敗したときは、「やらかした」や「次失敗したら本当にヤバイ」などの感情を持ったことがあるだろう。実際に私も、野球の準決勝の試合で同点の場面で、冷静な判断が出来ず、無茶な走塁をして大きくやらかした。そのときは、一部のチームメートからも怒られたし、自分でその後も俺のところに何か起きるなと受け身の姿勢で、ずっとネガティブ思考になった。そのことを三日ぐらい引きずったし、今後挑戦とかしたくなくなってしまった。

 二つ目の意見は、挑戦や経験で失敗をすることは、実際にやってみないとできないもので、そこから成長するのだ。失敗から課題点や今後どうしなければいけないかが表面化してくる。そのため、意識して直したりほかの人の失敗から学んで修正できる。例として昔話の「三匹の子豚」があげられる。一人目はわら、二人目は木と、軽くて簡単に津kれる素材で作ったため、簡単に壊れてしまったが、それらの事を学んだ三匹目の子豚はとても作るのに大変だが、レンガで頑丈な家を作った。よって簡単に壊れるどころか、一回も壊れずに終わった。このように、前の人たちや周りの人たち、なんなら自分が過去にやってしまったことの失敗や経験があるからこそ対策や手が打てるのだ。実際に日本では、自身の被害が関東大震災や阪神淡路大震災などの被害は、すさまじかったが、最近の能登半島地震や熊本地震では、被害の数が明らかに減っている。これらの事は、経験から学んで、後世に生かすという形によって、被害を抑えている。

 確かに、失敗をすることは、また失敗をしてしまうというネガティブ思考に繋がるという側面があったり、失敗をすることは、経験しないとできないもので、そこから成長するという意見もある。ただ私が一番大切だと思うのは、これらの事ではなく、最終的な目的について考えたり、失敗もしくは成功した後どうしたいのか何がほかにできるかを考えるのが大切だと思う。