好きこそものの上手なれ

   小6 あこまき(akomaki)  2025年12月2日

 人は生まれながらに持っている資質というものがある。この資質は、ちょうどその人だけの泉のようなもので、誰でもが優れた資質を持っているのに、一生かかっても掘り当てられない人がいる。若い君たちは、自分の素晴らしい泉がどこにあるのか、探している時期だ。大いにいろいろなことをやって、探したらいい。高校や大学の入試という標的を狙ってもいい。しかし、西州の全てをかけるのはもったいない気がする。それは君の資質に合ったものでなければならないのだろう。といっても、まだ資質の泉を模索中なのだから、君の好きなことでいいのだ。好きということは、そこに資質の鉱脈があるのだから。人生を選ぶというのは、自分の資質に合ったことをして、たとえ貧しくても生活ができ、おのずと社会に役立つ生き方になっていることなんだね。生きているという意義が実感でき、他人のではない自分自身のこれが生き方だと、自信を持っている生活が良いのだ。

 私は数ヶ月前からイラストを描くことにハマっている。描き始めたきっかけは家で勉強をしているときに人のイラストを描いていたら、思っていた以上に楽しくなった、ということからだ。その後何度も描いているうちに体には当たりというものがあることを知った。最近は描きたいイラストについて調べて研究してから描くようにしている。イラストを描いていると、十分が五分くらいの感覚におちいっている。描いていると、ペンと体が一体化したような気持ちになり、何もかも忘れて無我夢中になるのだ。毎日に何枚もイラストを描いていたら、私が幼い頃に描いていたイラストの体や人の腕の筋肉や顔のバランスがおかしいことに気づく事ができた。これからも身体について知り、好きという思いがあったからできたのかもしれない。

 君は天地明察というお話を読んだ事があるか。この話は、星と算術が大好きな渋川春海の暦づくりのノンフィクション小説だ。ある日に晴海は会津藩藩主に当時使われていた宣明暦は正確さを失い、ずれを生じ始めたから日本独自の暦を作り上げることを生じられた。暦を変えるということは天に神に逆らうこととなる。国から批判され続けながらも晴海は天の未知の世界を月の観測と算術だけで導き出していったのだ。晴海が星と算術が好きだからこそ暦を作るということを成し遂げる事ができたのだと思う。私であれば何ども月が予測不明の事態を起こしたらそこで諦めてしまっていたと思う。晴海が試行錯誤し、やり通したのは昔から大好きだったかこそなのだと思う。

 人間にとって夢中になれることとは自分を高めてくれることだ。好きこそものの上手なれ。この言葉のように好きなものに熱中し、研究し、頑張ったら素晴らしい結果に導いてくれるのだ。渋川春海は幼少期の頃から月や星を眺めて観測をし、算術を習い、好きという気持ちがあったからこのように暦を作り出す事ができたのだと思う。世界中の誰もが自分らしい資質の鉱脈、いわゆる素質や好みを持っているのだ。その好きという気持ちがあれば自分をより高みへと連れていってくれるに違いないと思う。あなたもまず好きという気持ちを探してそれに熱中してみてはどうだろうか。