ジュンノスケさん、今回の作文は「行列」という身近なテーマを通して、社会の秩序(ちつじょ)や平等について考察している点がとてもよくできています。
まず、文章全体を通して「行列はよいか悪いか」という是非(ぜひ)の主題がはっきりしているので、論じるテーマが明確です。
理由も二つに分けてわかりやすく説明しており、理由がよく書けています。
特に、社会心理学の研究を引用して「順番が明確だと不満が少ない」という点を挙げたことは説得力があり、データがよく書けています。
また、「民主主義とは、違い(ちがい)をもった人々が同じルールのもとで共に生きることである」という名言を引用し、行列の社会的意義を深く考えているところも評価できます。名言がよく書けています。
さらに、自分の体験や身近な例として東京の電車の様子を具体的に挙げているので、体験実例がよく書けています。
反対意見として「行列は待つ必要があり個人の事情を考慮(こうりょ)しないことに問題がある」と認めつつ、それでも行列の意義を支持している点は、反対意見の理解がよく書けています。
全体的に論理がしっかりしていて、社会の仕組みと自分の考えを結びつけている点が素晴らしいです。

項目(こうもく)評価】
是非(ぜひ)の主題がよく書けています。
理由がよく書けています。
名言がよく書けています。
体験実例がよく書けています。
データがよく書けています。
反対意見の理解がよく書けています。
 

森リン評価 社会、行列、民主主義?? mu 12月2週 ジュンノスケ
字数/基準字数:
1393字/1000字
思考点:87点
知識点:92点
表現点:86点
経験点:86点
総合点:96点
均衡点:8点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
1200字換算
 
思考点:点
知識点:点
表現点:点
経験点:点
総合点:点
均衡点:8点
●換算語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙24種29個83%87点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙79種139個57%92点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙128種223個57%86点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
経験語彙45種66個68%86点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1393字
 87点
 92点
 86点
 86点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 経験語彙

 


■思考語彙 24種 29個 (種類率83%) 87点
n確か,。しかし,あるべき,いると,いる場合,するため,だろう,できると,といえ,と思う,と考える,ないはず,なければ,ならば,なるから,なれば,のかも,は単なる,よると,乗り込もう,動かすため,回るから,暮らすため,生まれるから,

■知識語彙 79種 139個 (種類率57%) 92点
不満,主義,主要,事務,事情,位置,個人,先着,入線,公平,円滑,処理,列車,前提,参加,同士,名言,問題,土台,地位,妥協,安心,定着,工業,平等,役割,心理,必要,感情,慣習,我先,整列,文化,文章,方式,日常,明確,時間,東京,柔軟,構造,様式,正式,段階,母胎,民主,混乱,無関係,無駄,状態,現象,理由,用件,発想,発車,監視,直後,相互,研究,確定,礼儀,社会,秩序,納得,考慮,自体,自分,行列,行動,行為,象徴,賛成,身分,近代,遅延,長文,関係,電車,順番,

■表現語彙 128種 223個 (種類率57%) 86点
n確か,いる場合,こと,これ,さ,するため,そこ,それ,それぞれ,たち,ないはず,もと,よう,アメリカ,イギリス,スムーズ,ホーム,ルール,一,一つ,不満,中,主義,主要,事務,事情,二つ,人,人々,仕組み,位置,位置付け,個人,僕,先着,入線,公平,円滑,処理,列,列車,前提,動かすため,化,参加,同士,名言,問題,土台,地位,妥協,学,安心,定着,工業,平等,役割,待ち時間,心理,必要,感情,慣習,我先,損,整列,文化,文章,方式,日常,明確,時,時間,暮らすため,東京,柔軟,構造,様式,正式,段階,母胎,民主,混乱,点,無関係,無駄,状態,現象,理由,生き方,用件,発想,発車,的,監視,目,直後,相互,研究,確定,礼儀,社会,私,秩序,納得,羊,群れ,考慮,者,自体,自分,行,行列,行動,行為,要,視,象徴,賛成,身分,近代,遅延,違い,長文,関係,電車,順,順番,駅,

■経験語彙 45種 66個 (種類率68%) 86点
おる,かかる,しれる,だす,できる,といえ,と思う,と考える,もつ,やってくる,よる,られる,れる,並ぶ,乗り込む,乗り込める,乗る,作る,保つ,働く,分かる,動かす,回る,増える,始まる,始める,守る,待つ,感じる,持つ,支える,暮らす,根ざす,生きる,生まれる,示す,結びつく,行う,見える,読む,近づく,述べる,遅れる,違う,隠す,

■総合点 96点

■均衡点 8点
 

社会、行列、民主主義??
   中1 ジュンノスケ(akasiyu)  2025年12月2日

 行列という形式は古代から存在していたが、モノやサービスを得るために順番を待つ行列は近代工業化社会に特有の現象である。駅の切符売場や食堂、トイレなど都市生活のあらゆる場面で行列は日常化している。行列は需要と供給の不均衡があるところで生じ、難民キャンプでは供給不足が、現代日本の飲食店では需要の高さが強調される。しかし、行列が成立するには身分や地位を問わず「先着優先」という平等の原則が必要であり、この仕組みは近代民主主義的な社会構造と深く結びついている。さらに行列は「用件を一つずつ処理する」という近代的事務処理の発想に根ざしており、柔軟な処理方式を持つ文化では定着しにくい。行列は正式に並ぶ前段階の「半行列」から始まり、列ができると待つ者同士の相互監視や礼儀が働き、待つこと自体が主要な行為となる。イギリスやアメリカでは行列は当然視されるが、工業化が遅れた社会では「羊の群れ」のように見えることもあり、行列という社会現象は工業化社会が近代民主主義の母胎であることを示している。

僕はこの文章を読んで、行列に賛成。行列があることで社会的秩序が保たれて、平等に納得して参加できると思った。その理由は二つある。

一つ目は、行列がないと混乱が生まれるからだ。

東京では行列を作ることは慣習になっており、日常的に行われる。電車が発車した直後から行列が作られる。しかし、ホームの整列位置に並んでいる人はほとんどいない。長文でいう半行列の状態だ。しかし、電車が来る時間が近づいて来た時一人でも並び始めた人がいるとすぐさま次々と人が並びだす。こうしてやってきた電車に乗るのである。行列がなければ順番に列車に乗り込めないか乗り込むのに時間がかかるだろう。我先に列車に乗り込もうとする人が増え混乱になる。そうなれば駅に入線するだけで列車は遅延が確定することになる。これはよくないと思う。

二つ目の理由は、行列があることで社会がスムーズに回るからだ。

行に列は社会の秩序や公平さを保つ役割をもっている。

社会心理学の研究によると、先着順で順番がはっきりしている場合、人は待ち時間が長くても不満を感じにくいことが分かっている。順番が明確であることで、「自分だけが損をしている」という感情が生まれにくくなるからだ。

長文で述べられているように、身分や地位に関係なく順番が守られる行列は、近代社会における平等主義を象徴している。行列は単なる待ち時間ではなく、人々が安心して社会に参加するための仕組みだといえ、社会を円滑に動かすための前提でもあると考えられるのだ。

確かに、行列は待つ必要があり個人の事情を考慮しないことには問題がある。けれども、行列が近代社会の秩序を支える行動様式であるならば、それは私たちの生き方とも無関係ではないはずだ。「民主主義とは、違いをもった人々が同じルールのもとで共に生きることである。」という名言もあるように、問題点はあるがそれぞれ違う人々が同じルールの中で共に暮らすためならば少しは妥協できるのではないだろうか。私たちは待ち時間のある行列がどのような位置付けであるべきなのだろうか。なくてはならないけれど時間が無駄になっているように感じる行列。そこには、民主主義という大きな土台が隠されているのかもしれない。