あえたしさん、今回の作文はとてもよく書けています。
まず、外国の食文化と日本の食文化の違い(ちがい)について、自分の体験を交えながら丁寧(ていねい)に説明しているところが素晴らしい(すばらしい)です。
特に、台湾(たいわん)の給食での出来事やおばあちゃんの家での様子を具体的に書いていて、読んでいる人にその場の雰囲気(ふんいき)がよく伝わってきます。
また、日本の「(ぞく)身具」について調べてまとめた部分は、歴史や文化の背景(はいけい)までしっかり理解(りかい)していることが伝わってきて、とても立派(りっぱ)です。
自分の体験だけでなく、家族の話や歴史の話も取り入れているので、文章に深みが出ています。
さらに、最後に「どちらが良いか悪いかを考えなくてよい」とまとめているところは、物事を多角的に考える力が育っていることが感じられます。
全体を通して、たとえ話や具体例がうまく使われていて、わかりやすく説得力のある作文になっています。
これからも、自分の体験や調べたことを組み合わせて、さらに豊か(ゆたか)な文章を書いていってください。

項目(こうもく)評価(ひょうか)
・たとえがうまく使われています
・前の話聞いた話がよく書けています
・わかったことがよく書けています
・書き出しの結びがよく書けています
 

森リン評価 食べ物と文化の関係 nu 12月4週 あえたし
字数/基準字数:
1705字/800字
思考点:74点
知識点:70点
表現点:72点
経験点:73点
総合点:81点
均衡点:9点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
1200字換算
 
思考点:点
知識点:点
表現点:点
経験点:点
総合点:点
均衡点:9点
●換算語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙19種23個83%74点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙47種80個59%70点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙98種189個52%72点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
経験語彙36種50個72%73点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1705字
 74点
 70点
 72点
 73点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 経験語彙

 


■思考語彙 19種 23個 (種類率83%) 74点
 なぜ,。きっと,。しかし,。一方,あるから,いくと,たから,たので,だから,できるから,と考える,ないから,に思う,に考える,のため,みると,を考える,多いから,考えるので,

■知識語彙 47種 80個 (種類率59%) 70点
一般,不便,不思議,人前,作法,個人,儀式,全部,共有,古来,台湾,合理,外国,大変,宗教,定着,専用,必要,感覚,文化,料理,日本,日本人,明治,時代,歴史,江戸,清潔,準備,理由,用意,神様,神聖,管理,精神,繊細,習慣,自分,自然,自立,茶碗,衛生,観念,重視,食事,食卓,食器,

■表現語彙 98種 189個 (種類率52%) 72点
おかず,お母さん,お父さん,こと,ごはん,ご飯,さ,とき,ところ,どちら,のため,ばあちゃん,ぼく,みんな,もの,よう,よそ,スープ,セット,一,一つ,一般,三つ,不便,不思議,二つ,人,人前,付け,作法,個人,儀式,全部,共有,具,別々,前,口,古来,台湾,合理,味,国,外国,夜,大変,宗教,定着,家,専用,属,必要,感じ,感覚,文化,料理,日本,日本人,明治,時代,椀,歴史,母さん,江戸,洗い物,清潔,準備,理,理由,用,用意,的,皿,盛り,目,神様,神聖,管理,箱,箸,精神,繊細,習慣,膳,自分,自然,自立,茶碗,衛生,観念,誰,身,重視,食,食事,食卓,食器,魂,

■経験語彙 36種 50個 (種類率72%) 73点
おる,かきこむ,かなう,くれる,つける,できる,と考える,に思う,に考える,のせる,よぶ,られる,れる,を考える,使う,信じる,分かる,取る,合う,呼ぶ,困る,宿る,慣れる,持つ,汚れる,決まる,混じる,異なる,置く,行う,認める,調べる,違う,選ぶ,重んじる,食べる,

■総合点 81点

■均衡点 9点
 

食べ物と文化の関係
   小5 あえたし(aetasi)  2025年12月4日

 どの国の食事にも、さまざまな制限や規則が習慣として存在するが、同一の食物の食事全体における価値が、文化によって異なるときに、難しい問題がおきる。筆者が外国人の家庭で、白いご飯を見ておかずも一緒に食べようと思った失敗は、外国の食文化の構造を考慮せず、日本の食文化の構造に従い日本的な価値を与えようとしたことが原因だ。文化の単位をなしている個々の項目は、他の様々な項目との間で相対的に価値が決まっていくものだ。これは食文化だけでなく、外国語を学習する際にも同じである。自国語の構造を自分では気づかずに、外国語に投影して理解するという方法をしていると、色々と食い違いが生じてくるのも当然といえる。

  ぼくが、この話を読んで印象にのこったのは、白いご飯という同じ食物でも国によって意味が異なるのは、それに価値を与える全体の文化の構造が違っているからだということだ。

  台湾の主食は日本と同じでお米だ。台湾の給食では、みんな自分の食器をもっていって、自分でよそって食べる。ある日ぼくが取り皿とお椀をもって、ご飯とおかずを別々に分けてよそった時のことだ。先生に「なぜ分けてよそるのですか。他の子を見てごらん」と注意された。他の子はみんな大きなお椀にご飯とおかずを一緒によそり、どんぶりにしていた。だがぼくは家ではご飯を汚すのはダメだと言われているし、味が混ざるのも嫌だし、どちらに従うかとまどった。

  台湾のおばあちゃんの家へご飯を食べに行ったときのことを思い出した。おばあちゃんの家では大きなお皿から、皆でとりわける。一人一つ大きな皿とお碗が配られて、お茶碗とスープをよそるお椀の区別がない。お母さんは、ご飯とスープをどちらも食べたいのに、お椀が一つしかないのが不便だし、取り皿を一つしかないから、お皿が汚れていくのが困ったと言っていた。台湾人のお父さんは「ご飯にのせたら、うまいな」ともりもりとご飯をかきこんでいた。きっと、台湾の料理は味が濃いし、ご飯に合うおかずが多いから、みんなご飯にのせて食べるのではないかと考えた。一方、日本食は味が繊細だから、別々に味が混じらないようによそる必要があるからではないか。さらに台湾人はよく合理的に考えるので、洗い物を少なくできるから一人一つのお皿とお椀なのだ。しかし日本は、盛り付けや作法をとても重視しているのだ。日本は食事の作法が多いから、外国人が日本に来て慣れるのが大変ではないかと考えた。

  台湾もお箸で食べる国だが、日本とは違うところがある。ぼくはいつもご飯の前にお箸やお椀を準備するが、台湾ではお父さんやお母さんの箸など、誰の箸と決まっていないから、全部同じ箸を置いていくだけだ。

日本のおばあちゃんの家に行ったときのことだ。夜ごはんができたよと食卓へ呼ばれていくと、おばあちゃんがぼく用のお箸とお茶碗を用意してくれていた。ぼくは、初めての自分のお箸とお茶碗を見て、すごく嬉しくなった。なぜなら、ぼくも一人前の人として認められた感じがしたし、おばあちゃんが自分のために選んでくれたからだ。

  なぜ日本は自分だけの箸があるのかと不思議に思い調べてみると、個人専用の箸が決まっていることを「属身具」とよび、日本の歴史と文化に理由があることが分かった。一つ目は、宗教的・精神的な理由だ。古来日本では、お箸には使った人の魂が宿ると信じられていた。また食事は神様と共に行う神聖な儀式と考えられており、個人専用のお箸を使うようになったのだ。二つ目は、日本人の衛生観念の高さだ。日本では古くから口をつけるものを共有しないという感覚があり、清潔さを重んじる日本では個人専用の箸が自然と定着していった。三つ目は、江戸時代から明治にかけて「箱膳」による自立した食習慣があったことだ。一人一人が自分専用の食器セット(箱膳)を持つのが一般的だったので、お箸だけでなくお茶碗など個人の食器を持ち管理する習慣ができたのだ。

  ぼくは、日本と台湾の文化は異なるけれど、どちらも理にかなっていて、どちらが良いか悪いかを考えなくてよいと分かった。