宇宙と社会

   中1 すみひな(sumihina)  2025年12月4日

私は小学生の頃、宇宙服を着て地球を見てみたいという夢があった。今考えてみると、宇宙空間で一人漂うのはとても恐ろしいことなのではないだろうか。真っ暗な真空の宇宙の中で、宇宙服だけを境目にして上下左右も分からないような状況には、私は絶対に置かれたくない。しかし、今まで宇宙に行った飛行士たちは、そのような恐れなどは抱かず「地球そのものへの深い連帯感が生まれた」という体験をしているようだ。このような意識の変化は特別な人だけのものではなく、地球に生きるすべての人が体験することが可能だと宇宙飛行士のひとりのシュワイカートは述べている。だが、私たちの日常生活では、常に「地球に生きる全ての人」を意識して生きることはけして簡単ではない。

私は、自分の利益を考えることは決して悪いことではなく、生きていく上でとても大切だと思う。ある時、家の都合で私がやりたかった部活に行けるかどうか親と話し合いになったことがあった。家計や時間のことを考え、続けるのは難しいのではないかと言われたが、私はどうしても続けたいという自分の気持ちを正直に伝えた。自分の将来や気持ちを考え、勇気を出して意見を言ったことで、私の思いを理解しようとしてくれた。結局、部活に行くことはあきらめることになったが、この経験から、言葉にすることは、自分の人生を守るために必要な姿勢だと気づいた。もし自分の気持ちを押し殺していたら、後悔だけが残っていたと思う。

一方で、みんなの利益を考えることも同じくらい重要だ。昔話の「桃太郎」でそのことがわかるような気がする。桃太郎は自分の力を誇るためではなく、鬼に苦しめられている村の人々を救うために鬼退治に向かった。犬・猿・きじと協力し、個人の力ではなく仲間とともに戦ったからこそ、村に平和を取り戻すことができたのだ。これは昔話だが、現代社会にも通じる教訓だと思う。例えば、災害時に人々が助け合う姿も、「我々」の利益を考える行動の一つだ。地震や豪雨などの大きな災害が起こると、被災地では見知らぬ人同士が声を掛け合い、水や食料を分け合う光景が見られる。そこでは、自分だけが助かればよいという考えよりも、同じ地域で生きる「私たち」全体を守ろうとする意識が強く表れる。社会は、こうした他者を思う行動によって支えられているのではないだろうか。

確かに、みんなの利益を考えることは対立や不公平を減らすことができる。自分の利益を考えることは自分の人生を自分で守り、よりよく生きるために必要な姿勢だと言えるだろう。しかし、一番大切なのは両方に利益がいきわたるよう、行動することだと私は思う。宇宙飛行士が宇宙で感じたような広い視点を、私たちも日常の中で持つことができれば、自分を大切にすることができるはずだ。同時に他者ともつながっていけることだろう。私もこれから、自分の気持ちに正直になるとともに、社会全体のことや周りの人のことを考えられる人間になりたい。