思い出が詰まった大切なもの(清書)
小4 はるまき(akoruka)
2025年12月4日
「おやすみ、ミルクちゃん。」
私は、今日もぬいぐるみを抱いて眠る。その十五個ぐらいのぬいぐるみは、全部小さい頃に買ったもので、それぞれに名前を付けて、ずっと大切に保管している。ぬいぐるみと一緒に眠るこの習慣は、五歳ぐらいからほとんど毎日続いていて、小さい頃からあるものが隣にいると、何だか心がやわらぐような気がするのだ。
私が十五個のぬいぐるみの中で特に大切にしているものは、猫のぬいぐるみのミルクちゃんだ。なぜ大切にしているかというと、五年前からの思い出がたくさん詰まっているからなのである。
「あんまり欲しいのがないなぁ。」
五歳の私は、大阪のデパートの子供服売り場をうろうろしていた。誕生日プレゼントに、祖父母に靴を買ってもらうのだ。しかし好みのものが無く、もう帰ろうかなぁと思っていたその時。
「これかわいい⋯⋯!」
私が走り出したその先には、淡い茶色と橙色が混ざった、ふわふわとした毛なみがとってもリアルな、白い猫のぬいぐるみがあった。まるで私に語りかけているようにまっすぐに見つめる青い瞳に運命を感じて、すぐにレジに持って行き、祖父母に買ってもらった。
「うーん、どうしようかなぁ。」
私は、家のお風呂場で頭をひねっていた。帰りに付けたラズベリーちゃんという名前がしっくりこなかったため、色合いが似ているのでカニクリームちゃんと改名することにしたのである。しかし、翌日には、これも長くて呼びにくくなってきた。そして、「ミルクちゃん」という名前に決定し、今に至る。このように、ミルクちゃんには、運命を感じて買ってもらった思い出、しっくりくるまで名前を三回も変えた思い出など、たくさんの思い出が詰まっている。そして、それらを夜に思い出すと、心があたたまるのである。
中学生で引っ越した母にも、小さい頃から大切にしているものがありそうだ。聞いてみると、手紙を大切に保管しているという答えが返ってきた。その中でも特に大切にしている手紙は、私も年に一回ほど会う、アメリカに住んでいる幼なじみの、真智子ちゃんからもらった手紙らしい。
「私、中学生で引っ越したから、真智子ちゃんとも少し離れちゃったんだ。でも、手紙でずっとやり取りをしていて、読むと、いる場所は離れているけど、何だか近くにいるような、そんな感じがするんだよね。だから、今も読み返してるんだ。」
確かに手紙も、文だけで、書いた時や読んだ時の感情をよみがえらせることができる、あると心がやわらぐものなのかもしれない。
小さい頃からずっと大切にしているものには、色々な思い出や感情が詰まっている。だから、さりげなく隣にいて、その思い出で、私たちの心をあたためてくれるのかなぁと心の中で思った。ベッドに置かれたミルクちゃんの青い瞳は、今日もきらきらと輝いていた。