言葉のはたらき
中2 あけりほ(akeriho)
2025年12月4日
確かに、言葉が行動のブレーキになることはある。普段はクラスでふざけてばかりいて、みんなを笑わせるムードメーカーの友人が、生徒会に挑戦しようと本気になっていたとき、いつもは冗談ばかり言っている彼が、珍しく真剣に頑張ろうとしている姿に、周囲も驚いていた。ところが、いざ立候補を決めようとしていたとき、周りの数人が、不安をあおるような言葉を投げかけてしまった。その言葉は冗談のつもりだったのかもしれないが、彼はその一言が心に引っかかったのか、次第に挑戦する気持ちを弱めていき、結局、生徒会への応募をやめてしまったのだ。そして、立候補する代わりに、他の候補者を支える応援委員として活動することになった。もちろんその役割も大切だが、もし周囲の言葉がもう少し温かいものであれば、普段ふざけている彼だからこそ見せられた新しい一面が、見ることができていたかもしれない。
しかし、ことばが行動にプラスの影響を与える面もある。昔話の『北風と太陽』では、北風が力ずくで旅人のコートを脱がそうとして、冷たい風を何度も吹きつけるが、旅人はむしろ身を縮め、コートをさらに強く押さえつけてしまい、思うようにいかなかった。一方で、太陽は旅人を困らせるのではなく、優しく光を注ぎ、暖かさを届けようとする。その穏やかな姿勢に旅人は心地よさを感じ、やがて自ら進んでコートを脱いだのである。このように相手を動かすためには、力で押しつけたり命令したりするよりも、相手の気持ちに寄り添い、前向きなことばや態度で働きかけるほうが、はるかに大きな力を発揮する。強制よりも、前向きなことばや態度が大きな力を持つのだ。
このように言葉には大きな力がある。しかし、「存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてそれなりの理由がある。」という名言があるように、大事なことは、言葉自体にあるのでははく、その言葉を実感できるような体験を蓄積していくことではないだろうか。