安心できる環境づくり

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 これまでの建築は芸術性と工学的な技術に重点がおかれていた。われわれの生活の大部分は、生物的嗜好しこうでよいわるいのを判断していることのほうが多い。だが従来の工学的立場では、そういうあいまいさは技術とは認められなかった。そこでなんとか数量的にあらわそうとするが、現在の技術の段階ではどうしても割り切れない部分が残ってしまう。だが新しい生物学は、そうしたあいまいさに対して、一つのよりどころを示す可能性を持つようになった。そして同時に、数量的に割り切れるものだけが科学のすべてではない、ということも教えてくれるようになって来たのである。整った外観よりも、なじみのある環境のほうがいいと思う。

 第一の理由はなじみのある環境のほうが、気疲れしなくていいからだ。私はこの春、新中学生になって新しいことにたくさん触れる経験をした。その中でも、新学期の最初のころのなじみにくさが、非常に厄介だった。最初のころは、初めて会う子が多くて変に緊張していて、皆いい子で周りと仲良くなれても、やはり新しい環境は変に疲れやすかった。しかし、今となっては、新しい環境に慣れてきて、周りの子たちと気軽に話せるようになった。そのおかげで、授業で発言したり、皆の前で発表したりしやすくなって、居心地がよくなった。ただ、環境に慣れてしまっているが故に、だらけてしまうようになった。先生からも授業中によく、「新学期のころのように、緊張感を持ってほしい。」といわれるようになってしまった。先生には申し訳ないが、私は行き過ぎないくらいのだらけ方が一番落ち着くし、変に気疲れしなくて過ごしやすいと思うのだ。だが、最近のだらけ方は行き過ぎてしまっているので、少しメリハリをつけることも必要だと感じている。

 第二の理由はごちゃごちゃしているほうが、安心するからだ。私はどちらかといえばきれいな部屋のほうが好きで、勉強するときは必ず机の上をきれいにする。しかし、ベッドの上などの狭い空間はごちゃごちゃしていないと落ち着かず、毎日ベッドの周りにぬいぐるみを置いて寝ている。ぬいぐるみを置いたほうが、様々な生物に包まれているような気分になって、ぐっすり眠れるのだ。文部科学省2002年の子供部屋の保有率の調査には、子供部屋を持っている小学6年生は、男子44.5%、女子47.8%と半分もいかないくらいだ。ところが、高校2年生となってくると、男女ともに80%超えと、極めて高い。高校生になってくると、勉強のしやすい環境や、自立できる環境が必要となってくる。それにしても、小学6年生と、高校2年生はやはりどちらも、過ごしやすい環境が必要だということだ。私も、ベッドの上にぬいぐるみをたくさん置くと、母に引かれるが、自分だけの環境であれば問題ないし、過ごしやすい。皆、自分だけの環境で、周りを気にせず過ごせるほうが、一番安心できるのだ。

 確かに、きれいな外観のほうが清潔感がありいい印象を持たれやすいかもしれない。しかし、「なまけ者であることを批判するよりも、人間とはもともとそうしたものだというところから出発するべきだ。」という名言があるように、外見だけで環境が悪いことと判断するのではなく、それが人間の一番過ごしやすい過ごし方で、なまけものであるということは、自分が安心できる場所にいるということになるのだ。だから私は、整った外観よりも、なじみのある環境のほうがいいと思う。私はこれからも、メリハリをつけつつ、自分だけの環境ではだらけながら生きていきたい。