冬の朝の空気や、家族とのやりとりがとてもていねいに書かれていて、心まで温かくなりました。

<<え2016/142pみ>>

総評(そうひょう)
 全体を通して、冬の寒さとぬくもりが対比(たいひ)されながら描か(えがか)れていて、とても美しい作文になっています。寒い朝の描写(びょうしゃ)、家族とのやさしいやりとり、自然(しぜん)風景(ふうけい)、マラソンのつらさと達成(たっせい)感――どの場面にもあなたの感じたことや思いがしっかりと込め(こめ)られており、読む人の心に残り(のこり)ます。表現(ひょうげん)豊か(ゆたか)で、まるで物語を読んでいるような魅力(みりょく)があります。

段落(だんらく)ごとの講評(こうひょう)
第1段落(だんらく):書き出しに会話と情景(じょうけい)を取り入れており、寒い冬の朝の空気が伝わっ(つたわっ)てきます。「首をパジャマの中に入れ込ん(こん)でいる」など、動作の描写(びょうしゃ)が具体(てき)で、読み手を引き込む(ひきこむ)力があります。

第2段落(だんらく):ストーブのぬくもりと、自然(しぜん)を感じる窓辺(まどべ)情景(じょうけい)がやわらかく描か(えがか)れていて、とても心地よい段落(だんらく)です。「寒さがヒューッと吸い込ま(すいこま)れていく」など、感覚(かんかく)(てき)表現(ひょうげん)が上手に使われています。

第3段落(だんらく):お母さんとのやりとりは、ほほえましく、家族のあたたかさが伝わっ(つたわっ)てきます。会話のテンポも自然(しぜん)で、やさしいユーモアが感じられます。

第4段落(だんらく):お父さんの思い出から話題を広げ、自分の体験(たいけん)と重ねる構成(こうせい)が見事です。マラソンのつらさと、終わった後の「心のあたたかさ」を対比(たいひ)させてまとめているところに、深い気づきがあります。

第5段落(だんらく):最後(さいご)のまとめで「家や心は、ある意味温かくなっている」と表現(ひょうげん)しており、エッセイとしての締めくくり(しめくくり)がとてもきれいです。「リビングのドアを開けると…」という(さい)登場の場面が、作文のはじめとつながっていて、構成(こうせい)工夫(くふう)されています。

特に(とくに)優れ(すぐれ)ていた点】
・書き出しと結び(むすび)呼応(こおう)していて、美しい構成(こうせい)になっている
・動作や風景(ふうけい)描写(びょうしゃ)が具体(てき)で、情景(じょうけい)が目に浮かぶ(うかぶ)
・会話を通じて家族とのあたたかい関係(かんけい)伝わる(つたわる)
体験(たいけん)を通じて感じたことを、自分の言葉でしっかりまとめている

【考えを深めるための質問(しつもん)
あなたが「心が温かくなる」と感じるのは、どんなときがほかにありますか?

字数/基準(きじゅん)字数:1114字/800字
思考点:51点
知識(ちしき)点:55点
表現(ひょうげん)点:60点
経験(けいけん)点:61点
総合(そうごう)点:63点
均衡(きんこう)点:6点

 


■思考語彙 10種 10個 (種類率100%) 51点
お母さんに対して,だから,で思う,なので,みると,入れると,着替えると,見えるので,開けると,陣取ると,

■知識語彙 26種 29個 (種類率90%) 55点
不思議,中学校,中学生,以外,先生,卓球,場所,天国,家族,小学校,得意,意味,愛用,憂鬱,手足,最初,月間,朝練,校庭,毎日,熱気,結局,自然,裏山,許可,軍手,

■表現語彙 71種 115個 (種類率62%) 60点
お母さん,お気に入り,お父さん,ここ,こたつ,こと,そう,たくさん,ひとり占め,もの,よう,ん,ストーブ,ドア,パジャマ,マラソン,リビング,不思議,中,中学校,中学生,二,人,他,以外,体,先生,冬,冷え性,前,卓球,取り合い,場所,声,天国,家,家族,小学校,庭,得意,心,意味,愛用,憂鬱,手,手足,時,最初,月間,朝,朝練,木,校庭,毎日,気持ち,熱気,眉,真っ赤,真ん前,私,窓,結局,者,自然,花,裏山,許可,軍手,部,鳥,鼻,

■経験語彙 28種 35個 (種類率80%) 61点
くれる,しまう,で思う,ひそめる,られる,れる,伸ばす,入る,入れる,凍る,出迎える,吸い込む,始まる,嫌がる,当たる,押す,消える,着替える,終わる,聞く,見える,譲れる,走らす,走る,通う,鍛える,開ける,陣取る,

■総合点 63点

■均衡点 6点
 

心はぽかぽか、冬の朝
   小4 はるまき(akoruka)  2026年1月2日

    心はぽかぽか、冬の朝

              はるまき

 「おぉ、さむ⋯⋯」

階段をトントンと降りる最中にも、一生懸命手をこすり、できるだけ首をパジャマの中に入れ込んでいるが、まだまだ寒い。窓には、カラッとした青空と山が、平気そうにうつっていた。私は、冬休みの朝は、大阪の祖父母の家で迎える。私はマンションで暮らしているけど、ここは一軒家なので、空気が冷たい。

「おはよう、今日は寒いねぇ。」

七時四十分ぐらいにリビングへ向かうと、家族は、眠くはないけど寒そうに着替えている。

 私は、リビングのドアを開けたらすぐに、ストーブに直行する。ストーブの近くに手を当てると、熱気に寒さがヒューッと吸い込まれていくのが気持ち良い。パジャマに手を入れると、その中だけは、こたつのように暖かかった。窓から、花や木、鳥など、庭の自然も見えるので、ここは私のお気に入りの場所だ。

「あぁ、あったかい⋯⋯」

寒そうな細い声で、ストーブに手を伸ばしたのは、お母さん。そう、ストーブの愛用者は、私だけではない。私がストーブの真ん前を陣取ると、お母さんも押してきて、ストーブの取り合いが始まる。

「ひとり占めしないでよ、私も寒いんだから。」

「最初にいたのは私だし、許可もなしで入ってこないで。」

私は、お母さんに対してずいぶん強く当たっているが、このストーブ天国は、他の人には譲れないのだ。まぁ、いつも結局、二人で着替えることになるのだが、ストーブの前で二人で着替えると、何だか心までぽかぽかしてくる。

 お父さんは、中学生の時、卓球部に入っていたが、冬の朝練のようなものがありそうだ。聞いてみるとお父さんは、

「毎日、中学校の裏山で走らされて。軍手をした手は凍りそうに冷たくて、本当に辛かったなぁ。」

と眉をひそめていた。私が通っている小学校でも、冬にマラソン月間がある。走るのが得意な人以外は、ほとんどが嫌がっている月間だ。寒い校庭で無理やり走らされ、終わった時には、いつも鼻が真っ赤になってしまう。先生は、寒い校庭で走ることで、冬でも体を鍛えられるのだと言っていたが、マラソン月間の前の憂鬱な気持ちはどうしても消えない。でも、終わった時には、手は冷たいけど、心は温かくなっているのが不思議である。

 冬の朝はとっても寒くて、辛いという人もたくさんいる。私も、冷え性なので手足が冷たく、結構辛い。だけどいつも、家や心は、ある意味温かくなっているんだぁと心の中で思った。私がリビングのドアを開けると、家族とストーブの熱気が、温かく出迎えてくれた。