マカロンちゃん、こんにちは。体験と読書体験が織り込ま(おりこま)れたいい作品です。ことにまとめの展開が秀逸(しゅういつ)です。
 日本は謙譲(けんじょう)の美徳を持つ国と言われます。その遠慮(えんりょ)深さがマイナスに作用すると、曖昧(あいまい)な日本人、自信のない日本人ということになってしまいます。この日本人らしさは、日本語を母国語として持った時にすでにはじまっていたのですね。その文化(けん)特徴(とくちょう)乗り越え(のりこえ)たいものです。
 そのためには失敗や批判を恐れ(おそれ)ないたくましさが必要です。マカロンちゃんは受験でそれを体得しました。自分の力でつかみ取った成功は何よりの力になりますね。周囲の声に押しつぶさ(おしつぶさ)れてはいけません。よく日本には「旗振り(ふり)役」が出てきにくいと言われます。これも同じような構図と言えそうです。
 異文化を積極的に取り入れたことでは、産業を興した渋沢(しぶさわ)栄一を考えました。道徳経済合一説は、当時の日本人には奇妙(きみょう)な考え方と映ったことでしょう。西洋の資本主義と日本の伝統的な儒教(じゅきょう)、中国の孔子(こうし)の『論語』をうまく融合(ゆうごう)させて、新しい時代を築き上げたのですね。
 「失敗や批判を恐れ(おそれ)ず、他者の価値観から学び、それを自分の力として活かしていくこと。その積み重ねが、自分に自信を持ちながらも他者を尊重できる生き方につながり、より豊かな社会を築く一歩になるのではないだろうか。」見事なまとめです。

<<え2018/389pみ>>



あかるのさん、あなたの作文は、言語と文化の関係について深く考え、自分の経験や歴史的人物の考えを交えて論じている点がとても素晴らしいです。
言語が文化の価値体系を形づくり、思考の枠組み(わくぐみ)与える(あたえる)という視点は、非常に鋭く(するどく)、文章全体の主題が明確に伝わってきます。
また、中学受験の体験を通じて「失敗や批判を恐れ(おそれ)ないこと」の大切さを具体的に示しているところは、説得力があり、体験実例がよく書けています。
渋沢(しぶさわ)栄一の「道徳経済合一説」を引用し、異文化の考え方を積極的に活かす重要性を論じた部分も、とても効果的です。
名言の引用がよく書けており、歴史的背景と現代の価値観を結びつけている点が文章に深みを与え(あたえ)ています。
最後に、自分の生き方に結びつけて「失敗を恐れ(おそれ)ず他者の価値観を尊重する」という考えをまとめているので、生き方の主題がよく書けています。
全体を通して、論理的に展開されており、説得力のある文章になっています。

項目(こうもく)評価】
体験実例がよく書けています。
名言がよく書けています。
方法がよく書けています。
生き方の主題がよく書けています。

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1392字/1200字
思考点:74点
知識点:94点
表現点:85点
経験点:70点
総合点:81点
均衡(きんこう)点:1点

 


■思考語彙 18種 26個 (種類率69%) 72点
 確か,。しかし,。だからこそ,あるため,しよう,そのため,だと,だろう,と思う,と考える,に思える,のため,出すと,向き合うべき,忘れざる,技術によって,改めて考える,自然に対して,

■知識語彙 57種 97個 (種類率59%) 77点
一緒,世界,人物,人間,体験,価値,便利,判断,利用,動物,危険,原点,反応,名前,周囲,問題,土台,大事,大切,姿勢,存在,完全,実感,対象,尊重,彼女,思惑,意味,意思,技術,把握,支配,敬意,最近,植物,機会,機械,母親,沈黙,状況,理解,環境,生活,直接,相手,知恵,管理,経験,自分,自然,行動,表情,言葉,調子,謙虚,過信,順応,

■表現語彙 115種 199個 (種類率58%) 80点
 確か,あるため,うち,おすわり,こと,これ,ご飯,さ,そう,そのため,そば,それ,たち,とき,のため,もの,よう,りす,わけ,コントロール,タッチ,ハイ,ペット,ヶ月,一,一つ,一緒,下,世界,中,二,人,人物,人間,体験,例,価値,便利,判断,利用,前,力,動物,危険,原点,反応,名前,周囲,命,問題,土台,声,多く,大事,大切,姿,姿勢,子ども,存在,完全,実感,家,対象,尊重,川,年,彼女,後,思惑,性,意味,意思,手,技術,把握,支配,敬意,日々,春,最近,森,植物,機会,機械,母親,気持ち,沈黙,物わかり,犬,状況,理解,環境,生きもの,生き方,生活,直接,相手,知恵,私,管理,経験,考え方,脳,自分,自然,行動,表情,観,言葉,調子,謙虚,過信,頃,順応,鳥,

■経験語彙 44種 68個 (種類率65%) 85点
おる,きれる,くれる,すぎる,できる,と思う,と考える,に思える,もつ,られる,れる,伝わる,入る,出す,動かす,動き回る,受け止める,向き合う,始める,学ぶ,忘れる,感じる,感じ取る,持つ,挙げる,改めて考える,教える,書く,歩く,生かす,生きる,知る,経つ,続ける,置く,育つ,覚える,親しむ,触れる,訴える,超える,過ごす,飼う,驚かす,

■総合点 83点

■均衡点 5点
 

自然を支配しない生き方
   中3 あかるの(akaruno)  2026年1月3日

 農業は、きわめて恣意的な営みである。つまり、人間が自然を自分の都合のよい方向にねじ曲げる行為である。文化というのは、人間が手をつけられないような荒々しい自然をなんとか馴化し、管理下に置こうとする試みなのだ。そうして人は、自然を含めた文化的な営みの中で、自然をコントロール下に置いたような気分になる。しかし実際には、自然を手懐けるどころか、自然の大きな力に翻弄されるばかりである。そんな中で私は、自然に対して謙虚な気持ちを忘れずに生きていきたいと考える。

 そのためには、自然はコントロールできないものだと知ることが大事だと思う。ペットは本当に賢い存在だと、最近つくづく感じている。私は二年ほど前から犬を飼い始めた。「ありす」という名前だ。ありすは物わかりが良く、家に来てから二ヶ月も経たないうちに「おすわり」や「お手」を覚えた。それからも、「ご飯」や「ハイタッチ」など、把握しきれないほど多くの言葉を理解するようになった。私たち人間が動物の脳に入り、「これを覚えろ」「こうしろ」と直接コントロールしているわけではないのに、動物が環境に順応する速さにはいつも驚かされる。しかし、ありすと過ごす中で、犬はただ教えられたことを機械のように覚える存在ではないと感じるようになった。ありすは人の声の調子や表情をよく見て行動しているように思える。嬉しい声を出すと、ありすも嬉しそうに反応し、忙しいときにはそばで一緒に動き回ってくれることもある。その姿から、ありすが周囲の状況を感じ取り、自分なりに判断して行動していることが伝わってくる。私はこの経験を通して、生きものは人間の思い通りに動かす存在ではなく、意思をもった一つの命なのだと実感した。自然や動物は支配するものではなく、理解し、尊重しながら向き合うべき存在なのだと思う。

 また、自然に対して謙虚であるためには、幼い頃から自然に触れる機会を持つことも大切だと考える。その一例として、環境問題を世界に訴えたレイチェル・カーソンが挙げられる。彼女は子どもの頃、母親と共に森や川を歩き、鳥の声や植物の姿に親しみながら育った。自然を「学ぶ対象」としてだけでなく、「感じる存在」として受け止めていた経験が、後に『沈黙の春』を書く原点になったと言われている。レイチェル・カーソンは、人間の便利さのために自然を思い通りに利用し続けることの危険性を訴えた人物である。彼女の生き方から、自然は人間の管理下に置くものではなく、共に生きる相手であるという考え方の大切さを学ぶことができる。幼い頃の自然体験が、その人の価値観や生き方の土台になるのだと強く感じた。

 確かに、人間は知恵や技術によって自然を利用し、生活を便利にしてきた。しかし、その力を過信し、自然を完全にコントロールできると考えることは危険である。自然は人間の思惑を超えた大きな力をもっており、私たちはその中で生かされている存在にすぎない。だからこそ、自然に対して謙虚な気持ちを忘れず、理解しようとする姿勢を持ち続けることが大切なのではないだろうか。ありすとの日々や、レイチェル・カーソンの生き方を通して、私は自然と共に生きるという意味を改めて考えるようになった。これからも自然を支配しようとするのではなく、敬意をもって向き合いながら生きていきたい。