豊かな国

   中2 あえさみ(aesami)  2026年1月1日

   私は、日本はインフラがとても整っている国だと思う。そのことを強く感じたのは、マレーシアを訪れたときの体験である。現地ではタクシーに乗って移動していたが、道路はガタガタしており、走るたびに車体が大きく揺れた。信号や歩道が少ない場所もあり、移動するだけでも不安を感じることがあった。それに比べて、日本の道路はとても整備されている。私が住んでいる秋田市は冬になると雪が多く降るが、除雪車が朝早くから道路の雪を取り除くため、車やバスで安全に移動することができる。雪が降っても通学や通勤が止まらないのは、交通インフラがしっかりしているからである。一方で、日本のインフラはあまりに整っているため、そのありがたさが当たり前になり、支えている人の努力が見えにくくなっているという問題もある。外国での体験を通して、日本は道路や交通など生活の基盤に十分なお金と手間をかけている国であり、安心して暮らせる豊かな国だと改めて感じた。

 豊かであることは、人々が安心して生活できる社会をつくる点で良いことである。その豊かさが特によく表れているのが、医療が整っている社会である。日本では、病気やけがをしたとき、近くの病院や診療所で治療を受けることができる。救急車を呼んでも費用がかからず、夜間や休日でも対応してもらえる体制が整っている。また、日本には健康保険制度があり、治療費の負担が軽くなる仕組みがある。そのため、高額な医療費を理由に治療をあきらめる人が少なく、子どもから高齢者まで必要な医療を受けやすい。定期的な健康診断や予防接種が行われていることも、病気を早く見つけ、重症化を防ぐことにつながっている。このように、医療が整っている社会は人々の命と健康を守っている。誰もが安心して暮らせる環境があることは、豊かであることの大きな価値である。

 しかし、物が豊かであるだけでは充分ではない。物とは違う心の豊かさも必要である。現代の社会では、便利な物や新しい技術が増え、生活はとても快適になっている。しかし、それだけで人が幸せになれるとは限らない。そのことを考えさせられる昔話に「かさじぞう」がある。貧しいおじいさんは、大みそかに売れ残った笠を、寒さにふるえるお地蔵さまにかぶせてあげた。おじいさんには物の余裕はなかったが、相手を思いやる優しい心を持っていた。その行いによって、後におじいさんとおばあさんは助けられることになる。この話は、物の多さよりも、人を思う気持ちの大切さを教えてくれる。物が豊かな社会では、便利さに目が向きがちである。しかし、思いやりや感謝の気持ちがなければ、人と人とのつながりは弱くなってしまう。だからこそ、物の豊かさと同時に、心の豊かさを大切にすることが本当に必要なのだと思う。

 物の豊かさも心の豊かさも、それぞれ大切である。しかし、もっとも大切なのは感謝の心である。便利な物や整った環境は、誰かの努力や支えによって成り立っている。それに気づかず当たり前だと思ってしまえば、心は豊かにならない。感謝の心があれば、物の豊かさを無駄にせず、人を思いやる行動につなげることができる。物と心の両方に感謝する気持ちを持つことこそが、本当の豊かさにつながるのだと思う