地獄のような長距離走

   小4 はるまき(akoruka)  2026年2月1日

    地獄のような長距離走

             はるまき

 はぁ、はぁ、はぁ。だんだん足が重くなり、呼吸のリズムもおかしくなってくる。なぜこんなに長距離走は辛いのだろう。まだまだ軽やかに走っている人がうらやましい。

「ピーッ」

あぁ、やっと終わった。口の中に鉄のような味が押し寄せてくる。私は、長距離走が大の苦手だ。短距離走だと、一気に思いっきり走り抜けることができるが、長距離走だと、足が重くなってくるしんどさを、じりじりと味わうことになってしまう。だから、長距離走が苦手なのである。

 今までの長距離走で一番辛かったのは、小学二年生のときに体力テストで行った、二十メートルシャトルランだ。二十メートルシャトルランとは、二十メートル間隔の二本の線を、「ドレミファソラシド」という音に合わせてひたすら走る種目である。音が終わるまでに続で線にたどり着けなかったら、そこでアウト。持久力を高める大切な運動なのだが、これが本当に辛い。最初は余裕だったけど、後から足がもつれてきて、喉の奥が詰まるような感じがする。

「ドレミファソラシド、ドシラソファミレド⋯⋯」

永遠に続く電子音が悪魔のように鳴り響き、ここは悪魔に支配された地獄かと思うぐらい、体育館が嫌な場所に変わる。アウトになったら、廊下を歩いてクールダウンするのだが、歩くのも大変なぐらい辛かった。四年生でのシャトルランはあまり辛くなかったが、その分回数が減ってしまったのが悔しい。記録が七十回を超えている男子は、宇宙人のように思えた。

 お母さんにも、学校でマラソンなどをしたか聞いてみた。私が長距離走のことを話すと共感してくれるため、きっとお母さんも長距離走が苦手だったのだろう。

「中学生のとき、体育の授業で、真冬に学校の周りを走らされたんだよね。」

お母さんは、本当に大変だったというように、血走った目をして話し始めた。

「本当に辛くて、家の影に隠れようと思ったんだけど、先頭の人に後ろから抜かされてずるもできなくて、もうどうしようもなかったね。なんでみんなこんなに速く走れるのか、不思議だったよ。」

確かに、たくさんの人に抜かされると、焦って余計に疲れてしまう。先生には自分のペースで走れと言われるが、みんな速くて、ゆっくりな自分のペースで走ることは難しいのが現状である。

 やはり私は、長距離走と言われると、辛い、苦しいと思ってしまう。でも、マラソン、ランニング、持久走など、それぞれに意味があるということは、頭の片隅に置かなければならない。それに、得意で好きな人もたくさんいるだろう。だから、その人達について行って、できる限りは頑張ろうと心の中で思った。私は、重くなってきた足を、一生懸命動かし始めた。